安野貴博のレビュー一覧
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面白かった。最初は文章や人物像が類型的かな、技術的な詳細もぬるめだな… と思っていたが、徐々にストーリーに引き込まれていった。自動運転とトロッコ問題と責任の所在という、自分もこのへん将来どーすんだろと思っていた面倒くさいところに切り込み、オプティミスティックな未来を見せつつ大団円を迎える。自分もまあまあオープンソース志向の人間ではあるが、この人の価値観はブレないな。
末尾の解説で、近年のSFの方向性のひとつホープパンクという言葉を知り、SFでもこういう潮流が生まれていることを面白く知りました。小松左京の「SFは希望である」という言葉との合致、さらに言えば1つ前に読んだ伊藤計劃の虐殺器官が小松 -
Posted by ブクログ
近未来、完全自動運転(レベル5)が実現された世界。移動は仕事や趣味の時間に変わり、人々のライフスタイルそのものが変容していった。しかし自動車事故という問題は依然として発生しており、その責任を誰が負うのかが曖昧なまま社会実装が進んでいった。
自動運転のアルゴリズムを開発する坂本は、自動運転車の中で仕事するのを日課としていた。ある日、謎の男がいきなり車に乗り込み、カージャックのような形で脅迫される。その様子はオンラインで動画公開され、首都高速を回り続けながらその様子は衆目を集めながら推移していく。
都知事選に立候補後、参院議員となった安野貴博さんが描くSF小説ということで注目されている。AIな -
Posted by ブクログ
本著は「何かをはじめたい」「一歩踏み出したい」という人向けの実践書である。
著者がこの本を書くことも「はじめる力」であり、私たちが本著を読むこともまた「はじめる力」であるこのとに気付くことからスタートだろう。
私たちは意識していないだけで、実は多くの場面で、はじめる力を実践している。学校、職場、人間関係、家庭、副業、起業など、その節々で難なくこなす人もいれば努力で突破する人もいる。それらも全てはじめる力である。だが、本著では、私たちが意識して、「何か」を始めようとしたときに目には見えない大きな壁を感じることがある。その見えない壁という正体は「未知」だ。私たちは未知のことには一歩踏み出せない。そ