南原詠のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
シリーズ3作目。
医薬品特許がテーマになっており、話が少し難しい。
大鳳先生も、普段この分野の特許は扱っていないようでかなり苦戦する。
そこに追い打ちを掛けるのが、味方のはずの企業の失策。
ただ、特許権侵害になるのはいかんともしがたい……となってからが大鳳先生の腕の見せ所。
今回、新たなリサーチャーも登場し、その協力も得て、大鳳先生の豪腕で話をまとめていくクライマックスは見事だった。
クライマックスでは、ちょっと長台詞が目立つ感じもしたが、特許の話ということもあって許容範囲。
あと、登場人物が台詞の中で「黒崎過去編」と言ってしまっているのが何だか可笑しかった。
この黒崎過去編には大鳳先生は登場 -
Posted by ブクログ
話がポンポン進んで、軽く読みやすい小説でした。話に出てくる用語や考え方なども分かりやすく説明されるので、読者に優しい小説だと思います。ただ、百戦錬磨のプロフェッショナル2人が、基本的と思われることを確認しあうのは少し違和感があります。プロだからこそ、そういうコミュニケーションを欠かさないという描写かもしれません。
大学時代に特許制度をかじった身ですが、教科書に載っているような基本的な事項が効果的に使われていて、「そうそう、この制度ってこうなるんだよ」と膝を打つような体験ができました。最後の施策も、Vtuberだからみんなそうせざるを得ない、という説得力がありました。
謎ではあるけど話の内容 -
Posted by ブクログ
凄腕弁理士・大鳳未来(おおとり みらい)ものの3作目。
知的財産にまつわる事件を扱うシリーズである。
今回の主題は医薬品。
実は未来は医薬品がらみの事件はあまりやりたくないと思っていた。人命にかかわることがあるからだ。だが、今回、持ち込まれた案件は医薬品がらみ、それも急を要するものだった。
FJAP(家族性若年型アミロイドーシス)と呼ばれる難病。従来は治療薬がなく、患者は若年で発症し、死に至っていた。ところが、小さなベンチャー企業フラーレンが開発した薬がこの疾患に特異的に効き、若いうちに飲めば、完治も望めることになった。患者にとっては福音となったわけだが、突然、この薬に対して、大手企業3社に