あらすじ
「命の期限は2週間!?」
進行性の難病、FJAP(家族性若年型アミロイドーシス)の特効薬を開発した創薬ベンチャー・フラーリン。社長の國広は、小学生の息子がFJAPを患っており、会話もままならかったが特効薬が効き、退院も間近だ。しかし大手製薬会社3社から、特効薬の特許権侵害を理由に、製造中止を求める警告書が届く。國広は弁理士・大鳳未来に頼るが、罠にはまり……。奔走する未来は、大企業が零細企業に目をつけたことに疑問を覚えて――。『このミステリーがすごい!』大賞受賞作家最新刊。
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弁理士 大鳳未来シリーズの第3弾!今回は医薬品の特許をかけて大手の製薬会社と闘います…心地よい緊張感とスピード感があって一気読みしました!ラストはちょっと都合が良すぎと思いましたが面白かったです!
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シリーズ3作目。
医薬品特許がテーマになっており、話が少し難しい。
大鳳先生も、普段この分野の特許は扱っていないようでかなり苦戦する。
そこに追い打ちを掛けるのが、味方のはずの企業の失策。
ただ、特許権侵害になるのはいかんともしがたい……となってからが大鳳先生の腕の見せ所。
今回、新たなリサーチャーも登場し、その協力も得て、大鳳先生の豪腕で話をまとめていくクライマックスは見事だった。
クライマックスでは、ちょっと長台詞が目立つ感じもしたが、特許の話ということもあって許容範囲。
あと、登場人物が台詞の中で「黒崎過去編」と言ってしまっているのが何だか可笑しかった。
この黒崎過去編には大鳳先生は登場しないのだが、医学研究の世界ではこういうこともあるのだろう、と思わせる内容になっていて、黒崎のキャラクタとも相まって、結構面白く読めた。
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読み応えがあって1日で一気読みするくらい面白かった。
でも研究室の黒い部分の描写がリアル過ぎました。
久々に暗澹とした気持ちを感じましたが、こういう形で世に出してくれて有難いなとも思いました。
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大鳳未来シリーズの3作目。医療系特許を扱っているからかもしれないが、本作が一番読み応えあり、大鳳未来の尖ったキャラが比較的抑えらえているところも吉で、内容で勝負しているところがよくわかる。ストーリもプロットもやり過ぎ感もなく、素直に物語に浸れる。面白かった。
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凄腕弁理士・大鳳未来(おおとり みらい)ものの3作目。
知的財産にまつわる事件を扱うシリーズである。
今回の主題は医薬品。
実は未来は医薬品がらみの事件はあまりやりたくないと思っていた。人命にかかわることがあるからだ。だが、今回、持ち込まれた案件は医薬品がらみ、それも急を要するものだった。
FJAP(家族性若年型アミロイドーシス)と呼ばれる難病。従来は治療薬がなく、患者は若年で発症し、死に至っていた。ところが、小さなベンチャー企業フラーレンが開発した薬がこの疾患に特異的に効き、若いうちに飲めば、完治も望めることになった。患者にとっては福音となったわけだが、突然、この薬に対して、大手企業3社により、特許侵害の警告書が送り付けられる。
とりあえず、回答期限までは製造を止めなければならない。だが、製造できなくなれば、服用中の患者の命の保証はない。
未来は期限内に警告書に反論できるのか。
シルバーブレット(銀の弾丸)というのは、特効薬を指す。元々は、怪奇小説や映画で、銀の弾丸が狼男を倒す不思議な力を持つと描かれたことから転じ、対処が困難な相手を、たった一撃でやっつけることを言うようになった。薬だけでなく、有効な対策などにも使用される。
FJAPというのは架空の疾患と思われるが、似たような疾患は実在し、遺伝子の異常から体内に不純物が溜まり、臓器不全などを引き起こすものである。
問題となった医薬品は、実は成分は以前から知られていたもので、ドラッグ・デリバリー・システム(DDS)に工夫があり、成分を劣化させずに体内の隅々まで届けるところに特長があった。
副題の「メディカルドクター」は製薬会社内で新薬開発に携わる医師を指す(英語でmedical doctorというともっと広く単に「医師」を指すと思うが)。フラーレンに勤務するメディカルドクター、黒崎恭司が未来のサポートにあたることになる。ところがこれがキレるがなかなかの曲者で、未来は黒崎と丁々発止のやり取りをしながら、事件に対処していく。
フラーレンのDDSはそれまでの技術を少しずつ改善したものであった。また、実験室規模で成功した製造法を商業規模にしたのは、フラーレンが提携する別の製薬会社だった。
さまざま、複雑な事情が絡み、特許侵害自体を覆すのは困難な状況だった。
だが、未来は、3社もの大手企業が同時に侵害警告をしてきたこと自体に疑問を抱く。調べても、3社間にさほど大きなつながりは見られない。
FJAPは難病だが、市場規模はさほど大きいものではなく、大手企業がよってたかって弱小ベンチャーを叩く理由がわからない。
さて、その背景はいったい。実はどうやらここに、黒崎が絡んでいるようで。
土壇場で、「シルバーブレット」の意味が光る。
地味といえば地味だが、よく練られた構成で読ませる。
薬自体の設定がおもしろかったので、終盤に出てくる人間ドラマはやや陳腐に感じなくもないが、次作が出たらまた読みたいと思わせるには十分。
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弁理士の話。シリーズものなのにいきなり3作目?から読む。まあでも普通に読める。
医薬品の特許権をめぐる話。
特許侵害部分については早々に予想がついたけど、まさか親子とは…!蛙の子は蛙ってな。
教授ってば子がいたことも気づかないなんて…
特許って知れば知るほど情報戦でクソみたいな制度だよね。とったもん勝ちみたいな。
もちろん発明の権利を守るのは大事だけど…小競り合いに近い内容で巨額の賠償金が動く裁判になるとか怖すぎる。
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シリーズ、第三弾。
弁理士・大鳳未来の活躍するリーガルミステリー。
今回は、進行性の難病FJAPの特効薬を巡る特許紛争。ベンチャー企業のフラーリンは、3社同時に特許侵害により、特効薬の製造中止の警告書が届く。
もし、特効薬が製造できなければ、FJAPに侵された國弘社長の息子も命を失う。
残された時間は、わずか12日間。
果たして、大鳳は残された時間で、特許侵害を解決出来るのか?
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シリーズ3作目。
扱っているテーマが特許についてなので、馴染みもなく難しそうに思えるが、それでもストーリーとしてはサクッとスカッと読めるので好きなシリーズです。
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Vtuber、農産物(いちご)ときて、今回は薬剤。
命に関わる病気の人たちを考えず、警告書を出す大企業たち。
今回は人の命に関わる事態のため、緊迫感が際立っていた。
前作と異なり、特許に関する法律を盾に解決策を見出したわけではなかったけど、目には目を歯には歯を戦法でイーブンへ。
黒幕をコテンパンに倒せたわけではないため、すっきりさはそこそこだけど、とても勉強になって面白かった。
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特許バトルの3作目。
今回は医薬品に絡む特許と医療従事者たちの泥沼的な世界のからみがまとわりつく。
特許や薬品の専門的なことは全く分かりませんが、弁理士・未来の痛快な活躍にはまります。
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本シリーズは3作目になりますが、扱っている業界が毎回異なっており、新鮮な気持ちで読むことができました。
次はどの業界の話になるのか楽しみです。
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大鳳未来シリーズの3冊目。今回は難病治療薬の生産に係る特許侵害事件。直接的に人命が係る事案ですが、患者が薬を開発した会社社長の息子しか登場しないので、ちょっと緊迫感は感じない。
まだ3冊目ではありますが、タイトルに初めて未来以外の人命が入りました。今後黒崎が何らかの形で登場するのか、今作だけなのか。ただ、表紙の「大鳳未来」が小さくなってしまっているので、シリーズ戦略としては損をしてるかも。
Posted by ブクログ
今回も楽しみながら読めました
医療業界は特に権利とか強いなーと
思いながら読んでました
今回は人の命がかかっているので
読みながら少しイライラしてしまいましたが
最後解決して良かったです
でも、中盤まで広がっていた話が急にしぼんだ感じがして少し残念でした
Posted by ブクログ
シリーズ3作目。
シリーズなのに、タイトルの主役の名前が後に来てしまって、危うく見逃すところだった。
今回は医薬品にかかる特許侵害に未来が立ち向かう。
素人からしても、医薬品の特許については、かなり難しいと思うが、作者は今回も見事に問題解決!
正直、難しい表記は理解出来ないところもあったけど、未来が特許侵害にも負けず、命を守ることにも真剣だったところに読みごたえがあった。
ただ、途中で出て来る「根本教授」は本当に誰?
1回だけならまだしも、同じページに3回ぐらい登場。
校閲はしっかりしていただきたい。