山内ふじ江のレビュー一覧
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以前からお友だちに勧められ、いつか読もうよもうと思いながら、ようやく読む機会が到来しました。
こんな素敵な作品を、スルーしなくて良かった!!!!!
ひとりぼっちの河童八寸と、お母さんをなくしたさみしさを、父の手前うまく表現できずにいる女の子麻。
麻はお母さんからもらった愛でできている、とっても素敵な女の子。何が大切なのかたぶん誰よりも知っているけど、そのことを麻自身はまだきづいていないね。
八寸は、家族がある日消えてしまい、その帰りを信じて待っている、たった8歳のこども河童。沼で生き残っていくために、猫の姿になって人間の世界に修行に出された。
この2人の出会いの前に、情けない顔のラブラ -
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かわたれ は鎌倉郊外の散在ガ池に住む河童と人間の少女 麻 の物語でしたが、こちらは続編で、4年後の物語です。
かわたれで知ることになったみんなに再会できて、その後を知ることが出来て幸せな気持ちになれるのは、やはり、よく出来た物語であることの証明です。
前作で、河童の男の子に魅力にまいった人たちには、文句なしのお奨めです。といっても、これは蛇足で、そのような人たちはとっくに読まれていることでしょう。
さらに、蛇足ながら、私たちが深い山の中に静かに佇む巨木を見上げて感じるあの独特の感覚、、「神秘的なもの、神々しいもの」を、存分に味わうことが出来ます。 -
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前巻が「絵」なら今回は「音楽」がキーワード。八寸が家族と出会えて、ひとりぼっちの寂しさが埋められて、ほっとしながら読みはじめた。前巻よりも少し大きなテーマで対象年齢も少し上かもしれない。
戦争の話が色濃くて、大空襲の話は胸が苦しくなる。作者が被爆2世だということを知ってしまっていたから、広島の原爆のことも重なって読めて、余計に苦しい気持ちになった。銀色の河童が本当に繊細で美しくて、帰ってこない人を待ち続けるのが切ない。
音楽や絵や物語の持つ力の素晴らしさを謳いあげる本でもあった。本当に辛くて心に何も入りこむ隙間がなくても、いつかふとした時にすべりこむ。終章のその場面を泣きながら読んだ。
私自身 -
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「かはたれ」と「たそかれ」。
似た言葉をタイトルに持つ『かはたれ』と『たそかれ』は、
1冊1冊で完成しているが、
『かはたれ』のストーリーを『たそかれ』が補完する形になっており、
『たそかれ』まで続けて読むと、
『かはたれ』で起こっていた出来事の意味がよりわかる、
という構成になっている。
著者が広島出身の被爆二世であることもあり、
戦争について描いているところが『たそかれ』独自の特徴である。
本書は、学校のプールで
いつまでも誰かを待ち続けている様子の河童・不知の物語。
『かはたれ』に続いて、八寸と麻も登場する。
『かはたれ』から4年の月日が過ぎていた。
八寸が今回与えられた使命 -
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『かはたれ』の八寸にまた会えると思って、はやる気持ちを抑えながら読み始めました。八寸がまた麻やチェスタトンと再会出来ると思ってなかったので、それだけで心はハッピーに。
『かはたれ』と比べて、挿絵のインパクトが少ないのが残念だったけれど、登場人物のその後がわかり、みんなが幸せになっていく様子がわかり大満足です。
とても心に響いた河井くんの言葉…
〈人の心が悲しみや苦しみでいっぱいになってしまうと、音楽や絵や物語の入り込む余地はなくなってしまう。だけど、心がそのまま凍ってしまうわけではない。人の心の深いところには、不思議な力があるからだ。何かの拍子に、悲しみや苦しみのひとつが席をはずすと、た -
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「かはたれ」の続編。
前作で親兄弟と再会した八寸が、長老に呼び出され、街の学校のプールに住み着いている「不知(ふち)」という河童の中でも尊い血族の最後の生き残りを、山の方に戻ってくるように説得してこいと命じられる。
八寸の可愛さは相変わらずで、好奇心もであるがゆえに、うっかり姿を晒し痕跡を残してしまったため、学校が河童騒動となるのが可笑しい。
そのおかげで、麻は八寸の存在に気づく。
プールで出逢った不知がそれはとてもとても美しい、銀色にきらめく肌を持つ河童というが、河童が故に「美しい」という想像ができなかったけどw
司をひたすら待ち続ける不知の心が切なかった。
最後は山に帰っていく河童たちだっ -
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山の沼や池で今もひっそりと暮らす河童たち
人間に姿を見られたことで起こった騒動の果てに、
小さな八寸は人間のもとへ修行に出される
しかしてこれもうまくは行かず、再び池へと戻った八寸に
長老は一つの役目を課した
「学校のプールに棲みついた、月読の一族の生き残りを連れ帰ってくるように」
木の皮で出来た地図と、お母さん河童が持たせてくれた沢山の木の実
そして姿を隠せる不思議な珠を携えて
八寸はペタペタと学校への道を歩むのだった。
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多くを語りすぎることもなく
何かが足りないこともなく
絶妙なバランスで書かれた文章だなぁ!と読んでて感心した
いざ迎えに行ったはいいものの、
月読の河童、不 -
Posted by ブクログ
ネタバレあれから4年、麻は中学生に。でも八寸はまだ、こども、かな。
でもその子供さ?が不知にとってはよかったのかも。
純粋に人と慕う気持ちが同じだったんじゃないかな。
前回は麻の気持ちの方にいろんな変化、とゆーか成長?がみられたが、
今回はそのへんをふまえて、不知の哀しみ、を
救う物語だったな。
自分が救えなかった人、じゃなくて、自分を救ってくれた人として
思い出すことができる。
思わぬところで再登場してきた河井くんでしたが、いーことゆーなーと。
また校長先生もいーこといったなー。
目に見えないもの、その向こう側にあるもの。それを想像できる人になりたいなあ。
お父さんは残念。大きな川が流れてる、に笑