金平茂紀のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ90年代前半のロシアに駐在した金平さんの駐在記だが、今のロシアや日本に続く問題についての鋭い指摘が続く名著だと思う。
エリツィンの考察や地獄の沙汰もカネ次第みたいな日常も細かく書かれていて面白かった。受験生でエリツィンというといつも酔っ払っているイメージが強かったがなかなかしたたかだったんだなぁと感じた。ソビエト崩壊後も、力を持つKGBや今やコスパ、タイパと効率重視の日本人には理解できないお役所対応の描写も面白い。
値段の割にまずい日本食とか、忙しかろうが自分の権利は守る!ロシア人。(しかしこのタイプ、日本でも増えてるし悪いことではないよなぁ)
著者がロシアを去るときに贈られた宝石箱に話も良か -
-
-
Posted by ブクログ
集英社文庫 金平茂紀 「ロシアより愛をこめて」
2部構成の取材日誌
*1991年〜ソ連の社会主義終焉と直後の混沌とした状況
*2022年〜ロシアのウクライナ侵攻
現在から読むと、イデオロギーは終焉しても、新しい秩序が確立したのではなく、国家と民族の対立が起きたということになる
著者のメッセージ「独立と自尊を求めるウクライナもいい。偉大なるロシアの幻影を求める人々がいてもいい。だが、お互いに殺し合いをするのはやめて欲しい。国家とか民族とか、それがなんぼのものなのか」
社会主義終焉時の混沌とした状態
*ソビエトもマルクスレーニン主義を否定するところまできた
*何かやたらと -
Posted by ブクログ
ネタバレ母(おばあちゃん)が小学生の子ども(孫)へのプレゼントとして買ってくれました。小学校4年生になったので、少し大人向けの絵本にしたみたいです。
「ちいさなかなしいじじつ」が、隠され、地面の奥深くに埋められる。世間の人たちは「じじつ」を隠して「うそ」ばかりの世の中を生きている。権力者が、不都合な事実は隠しているのだ。「じじつはじじつ、本当のことだよ」と声を上げると、弾圧される・・・ってことのようだ。
弾圧ではなくても、実際、不都合な事実が隠されている世の中。隠されていなくて、見えていても目を背けたりしているよね。
原発があんなに大きな事故を起こしたのに、まだまだ原発に依存し続けるとか。
ある日、勇 -
-
Posted by ブクログ
タイトルどおり、筑紫哲也氏と「NEWS23」について裏事情満載で語っている。筑紫氏がNEWS23のキャスターになる前のエピソードも多くてNEWS23の視聴者や筑紫ファンには面白いだろう。私も大変興味深く読んだ。
あらためて「NEWS23」という番組は面白いことをやってきたんだなあと思う。
ヘビースモーカーである筑紫氏が番組本番中にタバコを吸って、そこをカメラに抜かれて苦笑いして慌ててタバコを消したなんて場面も見たなあ。自由なんだか何なんだか。
NEWS23のDNAは受け継がれているのか。松明は受け継がれているのだろうか。
金平氏は希望を失っていないというが、状況はあまりに暗いと -
-
-
-
Posted by ブクログ
本書は著者がモスクワ駐在員として勤務した1991~1994年頃の約4年間、著者自身が経験した日常を知人宛への書簡としてまとめたものです。取材や調査を基に事実を描くスタイルではないので、当時のロシアに関する客観的な分析などが描かれているというわけではないですが、ソ連が崩壊し、クーデターが発生した当時の不安定な状況下でのモスクワの空気感が良く伝わって来ます。
ソ連といえば、日用品を購入するにも行列で待たされるとか、警官や車掌といった公共性のある職業人が堕落して賄賂を握らせたらどうにでもなったりとか、ナショナルフラッグキャリアのアエロフロート航空の酷いサービスの内情など、そういう日常レベルでの混乱な -
-
-
Posted by ブクログ
ネタバレ「今という時代が実は筑紫哲也という人物の記憶を呼び込んでいるのではないか。」
秋ごろ武田砂鉄著の『日本の気配』という本を読んだ時に、奇しくも著者と同じ思いを抱いた。武田氏の著作の訴えが中途半端であったこともあり、「今の時代に筑紫さんが生きていたら・・・」と。
そう思っていた矢先に本屋で見かけた本書。思わず手に取った。
「時代の大きな転換点の渦中に僕らはいたのだ。天安門事件。リクルート事件。冷戦の終焉。そして昭和の終わり。」
確かに、あの頃は、仕事で遅く帰宅しても、『NEWS23』を見てから、あるいは見ながら寝るなんて夜が何回もあった気がする。
今もまた、ある意味、”時代の大きな転