筑紫哲也『NEWS23』とその時代

筑紫哲也『NEWS23』とその時代

1,980円 (税込)

9pt

4.0

かつて、日本にはこんなに自由で、一本背骨の通ったニュース番組があった――。

TBS『筑紫哲也 NEWS23』キャスターとして、日本の報道番組の新たな地平を切り開いた男が亡くなってから、今年で13年の時が過ぎた。「とかく一つの方向に流れやすいこの国で、少数派であることを恐れないこと」。最後の放送で噛みしめるように語った稀代のジャーナリストは、何を見て、何を考えていたのか。忌野清志郎、鴻上尚史、小澤征爾ら各界の文化人との交流、生涯の同志となった立花隆との共闘、そして「力の強いもの、大きな権力」を監視することへの強い意志。番組編集長として、在りし日の筑紫の姿を間近で見ていた著者が、関係者への膨大なインタビューをもとに振り返る。「頭をあげろ!」。世の中が混沌とする今だからこそ、筑紫の生き様はいっそう胸に響く。

筑紫さんといえば鋭い切り込みをしながら、顔は微笑んでいる、その表情が忘れがたい。
今こそ筑紫哲也の話を聞きたい、金平さんのそういう思いは僕もおおいに共鳴している――坂本龍一(音楽家)

●各章タイトル●
第1章「二度目のプロポーズだから受けざるを得なかったんだよ」
第2章 要は、何でもありということ
第3章 君臨すれども統治せず(ただし例外あり)
第4章 たたかう君の歌を たたかわない奴らが笑うだろう
第5章 遊びをせんとや生まれけむ、戯れせんとや生まれけん
第6章 筑紫さんがこぶしを振り上げて歌った
第7章 沖縄を愛し、沖縄を最後の旅先に選んだ
第8章 「旗を立てる意志」について僕が知っている二、三のことがら
第9章 「政治部失格」だが「人間失格」では、断じてない
第10章 「党派性で、人を区別して、つきあいたくないんだ」
第11章 触媒としてのジャーナリスト
第12章 タウンホールミーティングの時代
第13章 「私の人生、百八十度、変わりましたよ」
第14章 中国トップと市民の直接対話
第15章 阪神淡路大震災報道、その失意と責務
第16章 世界が変わった日
第17章 番組内でのがん告知と、家族との残された時間
第18章 『筑紫哲也 NEWS23』の最も長い日
第19章 『筑紫23』に馳せ参じたJNNの「つわものども」
第20章 『筑紫哲也NEWS23』で縦横に動き回った立花隆さんについて
第21章 演劇空間としてニュース番組
第22章 「『NEWS23』のDNA」〈伝承〉をめぐって
第23章 「頭をあげろ!」

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筑紫哲也『NEWS23』とその時代 のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ 2023年01月10日

    あの当時まったく興味がなかったニュースや政治
    興味を持たざるを得なくなったいま筑紫さんはいない





    色々書いたがあまりに怒りが溢れていたので消した
    ただ怒りが消えたわけではない!
    このままで良いとは全く思っていない!

    0

    Posted by ブクログ 2022年01月08日

    TBSラジオ公式読本と異なり、筑紫哲也NEWS23 のクリントン大統領タウンホールミーティング、オウム事件、損失補填問題など泥臭い裏側の記録を知ることができる証言集だった。詳しい話は随所に紹介されている参考文献を読むことになるだろうがそのことがまずは広く知れる良い本だった。それにしてもTBSラジオ公...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年06月23日

    1989年、筑紫哲也は朝日新聞社を退社し、TBSの報道番組のキャスターに就任する。『筑紫哲也NEWS23』「編集権」を持つ個人名を冠した初めてのニュース番組がスタート。これは、10年以上にわたって筑紫哲也に伴走した著者が意と思を賭けた『23』時代の回想であり、自由なき時代への問いかけである。

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    Posted by ブクログ 2022年04月12日

     タイトルどおり、筑紫哲也氏と「NEWS23」について裏事情満載で語っている。筑紫氏がNEWS23のキャスターになる前のエピソードも多くてNEWS23の視聴者や筑紫ファンには面白いだろう。私も大変興味深く読んだ。
     あらためて「NEWS23」という番組は面白いことをやってきたんだなあと思う。
     
     ...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2023年03月15日

    メディアは権力の監視を矜持として、弱者を慮る姿勢を優先する。この当たり前のようだが、いつしか強者に忖度や世論という印象操作に手を染めてしまう陥落が、報道の不自由という意識の剥離へと常態化する。嘆くべき現状はどれだけの人々が共有されているのか、気骨あるジャーナリズムは故筑紫哲也のメッセージを受け継いで...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2021年12月06日

    後半に書き足された章は蛇足というか、後味があまり良くないのだが、マスメディアが成立していないとジャーナリズムが成り立たない理由は、大変よく伝わる。ターゲットメディアに報道はたいへん食い合わせが悪い。そのことを日々考える。

    0
    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2023年05月09日

    一つだけでなく二つも見るのが楽しみだったニュース番組があった時代を懐かしく思った。
     
     現在の満ち足りない空気の原因は、当事者以外は誰もが分かっている。
     少数派でも輝く。多様性を大切にする。
     それは大事。ただ、メジャーでも迎合的ではない快さが足りないのではないか。

    0
    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2021年12月31日

    「今という時代が実は筑紫哲也という人物の記憶を呼び込んでいるのではないか。」

     秋ごろ武田砂鉄著の『日本の気配』という本を読んだ時に、奇しくも著者と同じ思いを抱いた。武田氏の著作の訴えが中途半端であったこともあり、「今の時代に筑紫さんが生きていたら・・・」と。
     そう思っていた矢先に本屋で見かけた...続きを読む

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