河島思朗のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ笑いと真理、異端運動、間テキスト、作者の死
理性による絶対的な真理(神)の探究が、真理の存在の否定につながってしまうとしたら、中世のキリスト者はどのように振る舞うのか。ウィリアムは合理的思考と明晰な頭脳を持つがゆえに、信仰の限界に立たされている。ウィリアムは信仰者であり探偵という矛盾する役割を課せられているのである。
これを踏まえると文書館の中心が中庭になっている(なにもない、空)ことにも意味があるように思える。人間は中枢にある真理に近づこうと書物を書き、知識を積み上げてきたが、実は中心には何もないのではないか。この構造は小説の軸である一貫した意志のない連続殺人事件とも一致する。
探偵小説 -
Posted by ブクログ
読んで良かった時思える本だった。
知識が増すと言うよりは、既知に深みが増し輪郭や発色が感じられるものだった。
一般の暮らしをする人々の生活や一生に触れている。中には奴隷だったり解放奴隷だったり、その奴隷のシステムにも触れており読みながらローマ時代の人の扱いを復習できる。
職業やその家族、大切にしてきたもの、50人が読みやすい文量で展開されどの方も好感をもてるものだった。
歴史と言うよりは生活面の記録だが、歴史的史実も並行してあり時代感を感じられる。
古代ローマと言えばと言う概念があると思うが、一般人の幸せのようなものを垣間見れる良い本だった。