リチャードオスマンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ面白かった。
映像化されていたので、期待して読んだけどそれを裏切らない面白さ。
たぶん、シーンを短く区切って進めるので冗長的にならないし、隙間は勝手に読者のほうで勝手に補完できるような構成になっていたからだと思う。
売れる小説スタイルとしてシーンを短く区切るというのが今の流行りのスタイルなんだろうか?
読者を飽きさせない工夫として使われている気がする。
あらすじでは死人の数は一人しかわからなかったが、本書では3つの死が絡み、それぞれ犯人がいる。
トニー・カランの死
犯人はボグダン。この謎を最後まで引っ張り、作中でも真相に辿り着きながらも指摘せずに終わるというなんとも引っ張られる筋立て。
動機は友人をトニーが殺したから。トニーが殺した男の死体の始末に運転手として友人が付き添ったら、口封じにまとめて殺されたので、その復讐にジムの経営者であるスティーヴとトニーの仲間のジャンニを殺して、トニーから金を奪って逃げるという。ちょっとややこしかった。
イアン・ヴェンサムの死
犯人はペニーの夫のジョン。動機はペニーが昔殺した男の遺体が墓地に埋まっているので、墓地を動かすわけにはいかなかったから。
フェンタニルの過剰摂取による死なので、あの場にいて、フェンタニルを用意できて、動機がある奴が犯人ということになるので、カレンや神父が容疑者から消えていき、最後に残ったのがジョンとなる。
消去法で犯人を絞り込むのはあまり好きじゃない。そこに辿り着くまで各キャラの事情を把握しなければいけないので、できればその前にヒントがあったらなあと思う。
墓地の男の死
犯人はペニー。これが冒頭、エリザベスがジョイスに尋ねた事件の話で、ここと繋がるのか!となって面白かった。
エリザベスがいつまで夫のスティーヴンといられるのかと怯えたり、自身の老いを自覚したりするので、全編その老いが辛かったけれど、人間ドラマに深みが出ていて良かった。
ジョイス自体は裕福では無いけれど娘のジョアンナが裕福でジョアンナの会社が施設を買い取るという流れが結構爽快感があって良かった。
ロンも息子がリッチだから施設に入れた組なんだろうな。
エリザベスは結局何者か?警察ではなく、MI6勤めだったんだろうなと思う。ペニーとはどこで知り合ったんだろう。
面白かったのでシリーズをこれからも追いたい。
アクションバトルモノではない作品でキャラが老いで死ぬかもとハラハラするスリルは結構面白いなと思う。 -
Posted by ブクログ
本の厚さに若干身構えてしまったけど、実際読み進めていくと、テンポ良く進んでいくストーリや展開に、登場人物同士の軽快な掛け合いなど、全体的にコメディなつくりなので全くダレることなくスルスルと読み進められてしまいました。
特に登場人物達の台詞がいちいち面白く洒落てて、海外の刑事ドラマを思わせるような言葉選びや会話がすごく良かったです。
また登場人物達のキャラクターとしての魅力も良くて、読み終えた後はそれぞれの人物に思いを馳せてしまうほど好きになってました(イアン・ヴェンサムとトニー・カラン除く)
後期高齢者の方達が主要になるため、死がかなり身近な存在としてあるのだけど、決して悲壮的なだけではない描き方をしているのがとても印象的でした。事件解決後の展開のひとつひとつが本当に良かった。
ミステリーとして謎解き部分の面白さは勿論、登場人物が皆ほんとに魅力的。誰かの深掘りパートが入る度に、その人の事を好きになってしまいます。 -
Posted by ブクログ
大規模な詐欺事件を調査していたキャスターが、不可解な事故で死んだ。〈木曜殺人クラブ〉は、事故の裏に何かあると直感し、捜査を始める。一方、メンバーのひとりであるエリザベスは、友人のジョイスを殺されたくなければ元KGB大佐を殺すようにと脅迫され・・・。
巻を追うごとに良くなってるシリーズ。不覚にも最後のマイクとベサニー目線の描写で泣いてしまった。たかが仕事上のパートナーだった2人だけど、恋愛感情抜きでかけがえのない存在だったんだと思うと胸がつまる。少しビターだけど救いのある終わり方もイギリスって感じ。銃弾に彫られた名前がパートナーだったから決断したことも、今まで面と向かって言えなかった敬意と感謝を生放送で手向けたことも、それだけ大切に思っているってこと。違う道を歩いても、いつかエリザベスとヴィクトルのように再会できたらいいな。本筋の種明かしも本当に面白い。最高! -
Posted by ブクログ
ネタバレ『木曜殺人クラブ』シリーズ第3作。
あるテレビキャスターの死とエリザベスの誘拐。2つのプロットが同時に進み、ひとつになっていく展開は、ありがちながら、本書のようにうまく構成されているとやはりこの上なく面白い。
老いによる喪失は、本シリーズを特徴づけているテーマのひとつだけれど、本書でも、チェスを忘れてしまったスティーヴンの姿や、そしてラストのエリザベスからジョイスへの(そしてすべての美しいものへの)祈りによってそれが謳われている。
「泳ぐには寒すぎる。しかしジョイスは耳を貸そうとしなかった。エリザベスはジョイスに馬鹿な真似はよして、夏になってもまだプールはあるのよ、と言った。
『そうね、だけどわたしたちはいないかもしれないわ』ジョイスは答えたのだった。」
(中略)
「ジョイスはエリザベスが見ていることに気づき、手を振る。エリザベスは手を振り返す。泳ぎ続けて、ジョイス。泳ぎ続けて、わたしの美しい友よ。水から顔を出して、できるだけ長く泳ぎ続けて」
ゲーテの言葉、「(神は)移ろいやすいものだけを美しくした」という詩のことをふと思い出す。
続刊が楽しみなような、訪れる喪失が怖いような不思議な感覚だけれど、第4作が邦訳されたらまた読んでみたい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ『木曜殺人クラブ』シリーズ第2作。今回は木曜殺人クラブ、警察、MI5、マフィアといった面々による、消えたダイヤモンドの捜索劇が話の縦糸になっている。
今作もやはり、(高齢者施設が舞台であるがゆえの)死が常に隣に立っていることがもたらす諦めや虚しさ、そしてその中で生きていくための強かなユーモアが感じられる。
それにしてもジョイスの「当然、すべてが死に関係しているなら、何ひとつ死に関係していないってことよね?」という台詞には胸を突かれた。
前作同様、今作も幾つかのロマンスが描かれたけれど、クリスからパトリスへの告白は情けないながら劇的で、思わず応援してしまう。
前作から続くエリザベスとスティーヴンの関係性は優しく、美しく、そして悲しい。だからこそ、最後のタイトル回収には、それでも前を向こうとするような力強さが感じられた。 -
Posted by ブクログ
シリーズ第三弾。変わらず素敵な面々の活躍が楽しく読めます。彼らが今回挑むのは、犯罪を突き止めたらしいキャスターのべサニー・ウェイツが殺された十年前の事件。しかしそのさなか、エリザベスは謎の人物に拉致され、かつての同僚である旧友を殺すように脅迫される。ユーモラスさは健在ながらもハラハラドキドキが止まらない作品です。
エリザベスは危機に陥り(でもきっと彼女は大丈夫と安心していました)、ロンは恋に落ち、イブラヒムはある人物に接触、そしてジョイスはいつも通りにいろんなことにわくわくしていて、本当に楽しいです。だけれどある人物の老いが進んでいくところは切なかったりも……老人たちがひたすら元気で前向きに思えるこのシリーズですが、避けて通れないものはあるんだよね。でもそれすら乗り越えて、彼らの生きざまは力強く感じられます。むしろ後がないかもしれない分、悔いのないようにと心掛けているのでしょうか。見習わなくては。
さて、事件の方も本当に読みどころ満載でぐいぐい惹きつけられました。バイキングとの息詰まるような対決もスリル満点ですが。やっぱりすごいよジョイス!(笑) そして今回、珍しく浮かれっぱなしなボグダンが可愛くって仕方ありません。幸せになってほしい。 -
Posted by ブクログ
★5 チームワークが凄い!高齢者たちがまたもや困難な事件に立向う #木曜殺人クラブ #二度死んだ男
■あらすじ
木曜殺人クラブで長閑な会話がされる中、エリザベスに一通の手紙が届く。かつて別れた元夫からの手紙だった。彼の訪問がまたもや木曜殺人クラブの面々を困難な事件に巻き込んでいく…
■きっと読みたくなるレビュー
面白い★5
前作よりも物語の構成はもちろん、謎解き要素、サスペンス、ユーモア、そして登場人物の魅力がパワーアップ!なんといっても前作より圧倒的にひとりひとりの魅力が描けてて面白い!
ジョイスの天真爛漫さ、熱さ、そしてたまに見せる鋭さ。
イブラヒムの探求力、洞察力、記憶力。
ロンがカッコイイんだよ、男が惚れる男。
ボグダンがまたすげぇんだよ、なんなのこの人。肝っ玉の据わり具合と実行力がハンパない。
そして恐ろしいのはエリザベス。
過去が明らかになり、いよいよ全知全能感が出てくる。この人なら戦争すら止められるんじゃないでしょうか。
警察の二人組も相変わらず。なにやってんだか事件解決しろよって感じで、めっちゃ可愛い。敵対する人物たちも、人間性や信条が上手に書かれていて、まるで人物が目の前にいるようですね。
本シリーズはとにかくキャラクターが素晴らしい。やっぱり映像で見たいな~
もちろん前作通り彼女たちの会話も楽しい!
真剣なのか冗談なのか、素直なのか煙に巻いているのか、目くるめく会話の妙。抜群のセンスです。
また本作は物語の筋がかなりわかりやすくなっていて、序盤からいきなり面白いの。
事件解決に至るまでの構成がひとつひとつ丁寧で、終盤の盛り上げも上手、そして読後の納得感もバッチシで綺麗!間違いなく作者は工夫されたんでしょうね。
本作はあくまで楽しく元気なエンタメミステリー小説。
しかし随所にみられる老化や死に対する悲哀が見え隠れして、常にバッドエンドの予感を感じさせるんですよね。しみじみと読者の心の隙をついてくる作品でした。
■推しポイント
ミステリーにおいて犯人が判明する瞬間は、その作品の最も重要なポイントであり、それまでの物語や人間関係の深さがにじみ出てきます。
本作ほど静かで、しかしながら熱い情念に包まれた瞬間はないですよ。登場人物の想いがガツンと胸に刺さるんです。
人間関係、友情、思いやり…人の心の機微がしっとりと感じられる作品でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレくうー、、相変わらずおしゃれ!
前作で海外ミステリー沼にずっぽりハマり、最近は1930年代あたりのエラリークイーンやヴァンダインの作を楽しんでましたが、続編が出ていることに気づいて久々に現代に戻ってきました。
キャラクターの魅力とウィットに富んだやりとりが傑出しています。タイトルの意味を回収する構成も素敵。最後は思わず涙です。
やや内容が盛り込み過ぎの感はありますが、4人が健在であれば、それでも着いていけるのです。
そしてそして、にくい仕掛けは、ジョイスのインスタ!これは刊行された時代に読むから楽しめる遊びですね。
オンライン会話に慣れないマフィアのやりとりが一番ツボでした。次回はイブラヒムの活躍が見たいです。