トッド・ローズのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「標準化の時代」の嫌さを実感して育った身には身につまされることが多く面白かった。
タイトルからはよくある自己啓発本ぽくみえるけど「個性学」という心理学の研究分野のプロジェクトの話でもある。
「標準化の時代」を越えて、個人の充実感が中心に据えられる社会は、今始まろうとしているばかりという見立てで、いろいろな個人の生き方やプロジェクトが紹介されている。
(なぜ今かというと色々な状況が揃ってきている、特にインターネット・テクノロジーが後押ししているという。ちなみに原著刊行は2018年)
最後に紹介される、本書が紹介するダークホースプロジェクト、個性学の主張するところとアメリカ「独立宣言」の目指 -
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Posted by ブクログ
自分が本当に好きなこと、夢中になれることを追求して、自分だけの自分らしさ全開の人生を切り拓いてゆくエネルギーをもらえる本。
私も会社員として働く中で、いわゆる世の中や社会人としての常識に当てはめられることに、漠然とした生きづらさを感じていました。
本書は自分の中に眠る小さなモチベーションに従うことや、決められた目標ではなく日々の充足感を大切にすることが書かれています。
会社員の立場だけにとらわれず本当は何をしたいのか、何をしているときが一番楽しいのか本心と向き合いながら、自分自身の情熱と充足感に根差した毎日を送ろうと背中を押してもらえた気がします。
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Posted by ブクログ
【「世界に一つだけの花」の歌詞を学術的に詳細に述べたらこうなる】
著者のトッド・ローズが本書で一貫して主張しているのが、学校や会社などの標準化システム(没個性)によって成り立っている既存の組織から脱することがいかに重要であるかということだ。
それは、標準化システム上でのナンバー1ではなく、自分にフィットした居心地のいい環境でのオンリー1を目指そうということであり、まさに世界に一つだけの花の歌詞そのものである。
そして、そのオンリー1を目指す道こそが結局成功への近道になるということを、数々のダークホースたちの事例をあげたり、ときには数学の総合最適化問題における購買上昇法を使って説明している -
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Posted by ブクログ
・工業化、大量生産の世の中(標準化)から、個人化(ネフリとかでも個人はのオススメがめっちゃレコメンドされる)になって、世の中、変わってきた。
・自分が好きなこと、小さなモチベーションを大事にする(やるべきこと、やらないといけないことではなく)
(社会的な成功と、自分の満足、充実は違う。充実感を今、抱いているかを自問。)
・今までの社会システムに、合わせて生きようとしても、満足感、充実感が得られない。
※人をシステムに合わせるのではなく、システムを人に合わせていく。
・時間を標準化しない、時間は相対的なもの。「これは、自分にぴったりな戦略だろうか?」を自問すべき。習得までの時間や年齢から自由にな -
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Posted by ブクログ
目的地を忘れて、充足感を追求しながら、成功に繋がるよう努力すればいい。
これがこの本で言いたいことだと私は理解した。
少し驚いたのは、目的地を忘れてもいいというところ。目指すところをハッキリさせないと成功できないのでは?と思ったのだが、その時気になること、小さなモチベーションを持てることに熱心に取り組み続ければいいようだ。
確かに、その時々の自分自身にとってかけがえのないことに熱心に取り組んでいけば、それが自分にとって本当に大切なことをしていることになる。すんなりと上達できるし、その過程が個性となって自分だけの道となる。
曲がりくねった道でいいし、個人中心でいい。そう言われて、色んなこと -
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「好きなことをして生きていくべし」。この教えは昨今多くのインフルエンサーが口を揃えて主張する。自分もそう思うし、そうしたい。しかし中々実現できずにいる。そのための結論を求めて本書を読んだものの、結局答えは得られなかった。私の問いは、「好きなことだけをして生きて、満足感と豊かな生活を維持するための金銭的な稼ぎを両立するにはどうしたらよいか」である。
社会の標準化に抗い、心の充足感に従えば幸福感を感じられる。その通りである。
心の充足感に従った仕事をすればパフォーマンスが上がる。その通りである。
心の充足感に従って成功した人は大勢いる。その通りである。
本書ではあらゆる視点で、標準化に対抗し、個 -
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Posted by ブクログ
孫を喜ばせるためにお金を切り詰めてレストランへ連れて行く祖父母、でも本当のところ孫はそのレストランが好きではなかった。
私たちが他者について推測することは、たとえ親しい相手であっても間違っていることが多い。
それが集団になれば、思い込みは加速して、その流れに逆行するのは難しくなる。
でも、互いに言わないだけ、気づいていないだけで、逆行したいと思っている人は案外たくさんいる。
集団の思い込みを打ち砕くには、自己一致を高めること、つまり自分に正直になること、そして様々な集団に参加すること。
特に大切な人にこそ、本心を聞いてみることが大事だと思った。相手のことを思ってしたことが、実は望まれてい -
Posted by ブクログ
本著の紹介文「ありもしないことを皆で信じる『集合的幻想』は社会や組織、個人にいたるまで大きな弊害を及ぼす。」とのこの一文だけで、要旨をクリアに表現しているようにも思いますが、ハーバード教授の心理学者による集団心理に関する1冊です。
どちらかと言うと、空気を読んで発言しない…とかこういうのは日本特有の現象だと思っていたんですが、アメリカでも普通にあるんですね。
「私たちは知らないうちに主要価値の大半を共有しているのだ」という文章が本著内にありましたが、こう思うと国民性のジョークですら「集合的幻想」の一種なのでは?とも思ってしまいます。
私は人間として慎重性を著しく欠いてまして(日本人っぽくない -
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Posted by ブクログ
ネタバレ「集合的幻想」というものが何なのか、多数派に追従しようとする人間の性質と近代における実際の現象、そしてそれがなぜ起こるのかについて
実際の事例を交えつつわかりやすく解説してくれている。
模倣の罠について
人間は人の行動を真似しがちだという性質があるという話だが、これは多数派の判断に従うことで自分の非専門領域における思考・判断の脳負荷を低減させるために発生するという話はある程度納得のいく理屈だった。
実際、確率論的には複数人が同時にある事象に対して判断を下した時、全員事前情報0ならば判断先の割合が同じ値に収斂するはずで、
もし有識者がいればその択の割合が増加するはずだ。
これが成立する限り多 -