井上達夫のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
法学に精通する著者が世論を賑わせている日本国憲法の第9条と集団的自衛権との関係について自身の見解を述べた一冊。
法学に精通している著者の憲法の見解は非常に勉強になりました。
安倍政権が行おうとしている改憲についてや集団的自衛権について批判的に捉えている人々の考え方が一概に反戦の方向に向いていないことや国民投票にかけて全国民が憲法について向き合うことへの提唱は共感するものもありました。
近年、安保法案の成立くらいから安倍政権での改憲の話題がよく出ていますが、真意とするところがいまいち分からなかったのですが、本書を読んで9条の意義や日本がこれまで平和であったことや他国の防衛などを理解することが -
Posted by ブクログ
前著に続いてこちらも読んだ。前著は正義論についてだったが、今回は法哲学を中心とした憲法論。前著でも憲法についていくらか扱っていたが、その幅を広げてより深めた内容になっている。そんで今の日本の置かれている政治的状況からするとタイムリーな内容。
井上達夫の立場はよくわかった。ロジカルで非常に筋が通っているし、バランスもとれていて、これがリベラルかと学ばされるところ多い。ただ、護憲派、改憲派ともに井上に滅多切りにされているが、どこに人生としての価値を置くかで、どちらの立場も理解できてしまうところはある。私たちは個人は、自分が考える前から社会におかれており、個の連帯の中で生きることを必定とされている