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安保法制、憲法改正、歴史問題、朝日新聞問題・・・真のリベラルは、今いかに考えるべきか。
リベラリズム論の第一人者、「怒りの法哲学者」井上達夫東大教授が、右旋回する安倍政権と、欺瞞を深める胡散臭い「リベラル」の両方を、理性の力でブッタ斬る!
【本書の内容から】
「自由主義」にあらず/「憲法九条」削除論/「護憲派」の欺瞞/「平和主義」の論理的破綻/安倍政権「集団的自衛権」の愚/リベラルからの「徴兵制」提言/「悪法」も法か/「主権国家」の必要/「白熱教室」の功罪/「世界正義論」への道/「哲学」の死
【著者「あとがき」より】
いま、「一強多弱」と言われる自民党の圧倒的優位の下で、安倍政権による政治の右旋回が急速に進む一方、野党勢力は民主党も他の諸党も党派間・党派内で右から左まで分裂し、リベラルな対抗軸は結集されていない。
それどころか、慰安婦報道問題等での不祥事を契機とする朝日新聞へのバッシングに象徴されるように、「リベラル嫌い」が、「右翼」や「ネトウヨ」の枠を超えて、一般の人々の間にも広がっている。しかし人々に迷いもある。たしかにリベラル派を気取るメディアや知識人は胡散臭い。でも強引に右旋回する安倍政権とそのシンパにも危うさがあり不安だ、と。
リベラリズムの哲学的基礎を解明し、その観点から法と政治の問題を考察してきた私には、まさにいま、この状況下でこそ、リベラリズムの原理とは何かを一般社会に対して説明し擁護する知的・実践的な責任があるのではないか。いつやるのか。いまでしょう。(中略)本書は、現下の政治状況に対する応答を動機としているが、単なる時局論ではない。時局的問題にも論及しているが、主たる狙いは、時局的問題を読者が自ら筋道を立てて原理的に考察するための哲学的視座を提供することである。
Posted by ブクログ 2021年02月17日
著者は9条削除論を唱えている日本のリベラリズムの権威。
本書はタイトルから想像できる通り、リベラルとリベラリズムの違いについて説明するとともに、正義論に関して、そもそもの正義の必要条件(どの正義思想にもなくてはならない必要最低限の条件、反転可能性テストで判断可能)から丁寧に説明し、最終的にはリベラリ...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年06月21日
戦争の正義
諦観的平和主義
平和が一番。戦争になるくらいなら不正のある平和な方がいい。
これは批判されている。一度有利な状況を作って仕舞えば有利なので、逆に武力を使っての現状変更のインセンティブが高まる
9条議論はどちらも憲法解釈のロジックなので相手を批判できない。原理的戦力放棄は...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年04月18日
日頃からマスコミで自称「リベラル」の人達の意見に呆れることが多く、なんとなく反感を抱いてた。しかし、そうは言いても、それに対して明確に誤りであることが指摘できず、消化できずにいたが、筆者が快刀乱麻を断つという感じで説明してくれた。9条の問題での軍事情勢の認識では筆者の認識を受け入れるのは留保するもの...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年04月13日
日本法哲学界のドン、井上達夫による独自の法哲学入門。自説バリバリの本ゆえの長所と短所が。
いい点としては、分かりやすく簡潔で、バラエティに富んだ内容で飽きが来ない。200ページほどの分量ながら、第1部ではリベラリズムの概説と現代的な論点への言及、第2部では井上の研究生活に沿ってこれまでの法哲学の流...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年05月26日
近年の日本の「リベラル」の憲法論のダブル・スタンダードぶりから、ロールズ正義論の問題まで、時局問題から出発しつつ原理的な問題や自らの学問的遍歴までを、インタビューに答えるというかたちで世に問う著作。リベラリズムを正義への積極的なコミットメントとして再解釈し、何でもあり式の寛容論や価値相対主義を斥ける...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年08月19日
格差を減らす、社会保障を充実させる、福祉国家てきな部分では「リベラル」は支持を失っていないが、エリート主義的で偽善的な部分は支持を失っている。
米はベトナムに謝罪をしない。南ベトナム政府に貸した金を返せと要求する始末。米下院がイアンプ問題で日本への非難決議をしたのは厚顔無恥。
「リベラル」による...続きを読む
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