難波優輝のレビュー一覧

  • 本とは何か(新潮新書)

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    読書をパフォーマンスと捉え、カテゴリーごとにアプローチを変えていく姿勢は私にとって新しい発見だった。
    そして、読書という手段にいくつもの選択肢という広がりを与えてくれた。
    この本を読んだら、すぐに書店へ足を運びたくなる。
    いつも行く書店すら景色が違って見えるかもしれない。

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    2026年08月16日
  • アンチ・スポーツの哲学

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    『アンチ・スポーツの哲学』(難波優輝)は、スポーツを礼賛するのでも否定するのでもなく、**「そもそも、なぜ私たちはスポーツを良いものだと思っているのか?」**という前提から問い直していく哲学書です。

    本書の面白いポイントは、スポーツに当たり前のようについて回る「努力」「勝利」「成長」「フェアプレー」といった価値観を、一度疑ってみるところ。スポーツは健康にいい、人格形成につながる、努力することは素晴らしい――私たちはこうした考えを自然に受け入れています。しかし、その“正しさ”が強くなりすぎることで、運動が苦手な人や競争したくない人が疎外されたり、「勝つために努力すること」が目的化したりする可能

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    2026年08月13日
  • 物語化批判の哲学 〈わたしの人生〉を遊びなおすために

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    ネタバレ

    「大きくなったら、何になるの?」や「あなたが今、一番したいことは何ですか?」等々、人生は目的をもって生きるべきもの、生きなくてはならないもの、という考え方が、いつの間にか当たり前になっているような気がする。
    かの大谷選手も、高校生の頃には何歳に何を達成している、という目標(=計画)を立て、それを基に行動していったとのこと。大谷選手ほどの偉人でない我々凡人も、またいつの間にか、今日、今年、○年後の計画を立て、修正しながら遂行しつつ生きなくては人間ではない(少なくとも、立派な人間ではない)かのような風潮に取り囲まれている。
    本当にそうなのかとか、その風潮が息苦しいとか、ましてや目標を持たずに生きて

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    2026年07月19日
  • 性的であるとはどのようなことか

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    性的であるとはどのようなことか
    『性的なもの』と区別する意味での美学的な『えっちなもの』の話で「陰翳礼賛」の羊羹のところが引用されていたので「陰翳礼賛」も読みました。
    オタクが言う『えっちである』にはこだわりの美学がある!と俺は思う。

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    2026年07月06日
  • 本とは何か(新潮新書)

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    「読書はパフォーマンス」というワンアイデアで全部押し切ってしまうスタンスが格好いい。章立ても自然な展開で、良質なエッセイのように、するっと頭に入りました。大満足。

    佐々木マキのカバーイラスト(全面帯イラスト?)も素敵。

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    2026年07月01日
  • 物語化批判の哲学 〈わたしの人生〉を遊びなおすために

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    やっと読み終えた
    ぼくの頭ではところどころ難解と感じる哲学者の言葉の引用があり、スルスルと読み終えるに至らず
    ところどころマッチョな読書タイムとなった

    さて本題だが前述の感想でも述べたように、数年前からInstagramや Xに始まる物語を見て、時々モヤル事が多かった(Xはやめて随分経ちます、影響受けやすいのでやめてよかったw)
    影響をたぶんに受け、なぜだかわからない息苦しさがずっとあった

    しかし、本書のおかげでその日々にようやく終止符を打てた、気がする

    人が、というかぼくが、物語を欲するのは情動だとわかった。
    そして、それにカタルシスのようなものを感じたくなるのはしょうがない、そういう

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    2026年06月25日
  • 本とは何か(新潮新書)

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    楽しい読書でした。

    言わゆる読書術みたいなものではなく、本書で論じられる概念を利用して自分の読書の可能性を開拓するというような手触りの本。

    「趣味は?」と聞かれて3番目くらいまでに「読書」が出てくるような人が読むと、特に実りがあると思う。とは言え本書は、読書に興味がある人に広く開かれている。

    以下、自分の理解による概略(つまり面白かったポイント)です。

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    本書では読書をパフォーマンスと位置づけ、少し距離を置いて考察できるように整える。

    これによって、①自分が1冊1冊の本をどのように楽しんでいるかを反省的に観察できる、②パフォーマンスの巧拙を

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    2026年06月17日
  • 批判的日常美学について

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    日常のありとあらゆることを「倫理的なこと」と「美的なこと」に選別し、批評していく試み。

    第5章「分かり合わないことの美学──不同意コミュニケーション」がよかった。
    分かり合うことが善とされるが、手放しにそうとは言えないのではないかという批評。分かり合えないという事実も美学的でかけがえのないことであるという。世界をみつめる視点が少し明るくなる前向きな主張だと思う。

    第8章「 新しい快楽主義者たち──猫と廃墟とアナキズム」で、猫をアナーキーな存在として捉えているのも良い。アルゴリズムに支配され、常に最適化された世の中において、予測不能な存在というのはある種で救いとすら呼べるのかもしれない。

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    2026年05月20日
  • 物語化批判の哲学 〈わたしの人生〉を遊びなおすために

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    読み終えての感想は「まさに脱構築」「おもちゃ最高」。
    哲学者というのは、語彙や表現や視点がすごいですね。
    本当にすごい。って、哲学者ではないのかw

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    2026年05月09日
  • 物語化批判の哲学 〈わたしの人生〉を遊びなおすために

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    ネタバレ

    「遊び」を自分の生き方に取り入れられたら、自分と他者の違いを軽やかに楽しんで、世界がもっと広がると思った。自分の生き方を「物語」「ゲーム」「パズル」「ギャンブル」「遊び」の5点からそれぞれ振り返り、最終的には平和について考える書でもあると感じた。また、かなり個人的だが1980年代の代表的な評論である『逃走論』浅田彰著と併せて読みたくなった。

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    2026年05月01日
  • SFプロトタイピング SFからイノベーションを生み出す新戦略

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    SFプロトタイピングという技術を知った一冊
    内容は対談型で読みやすさ重視の一冊ですが、実際に人生を変えるきっかけとなった一冊

    SFプロトタイピングという使い方に特化してるわけでもなく、SFプロトタイピングという概要を網羅した一冊と言える

    SFプロトタイピングの理解度が広く学べる一冊

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    2026年04月11日
  • 性的であるとはどのようなことか

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    「性的なもの」にフォーカスした第一章は、街中の性的な広告についての論争を軸に、なるべく客観的に論点を整理する内容。一方「えっちなもの」についての第二章は、えっちなものを2つに分類分けした上で考察や展望(?)を述べていくという筆者の主観寄りな内容になっているので、読んでいる中で切り替えないと混乱しちゃうかも。
    タイトルのユーモラスさに惹かれてこの本を手に取った私としては、第二章のほうが新鮮な感覚もあり、筆者もノリノリで書いているように感じて楽しめた。


    個人的な話、車がグシャグシャになる動画を「えっちだ…」と思ってしまう自分の感性に、以前から疑問を抱いていたのだけれど、これって「崇高のえっち

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    2026年02月08日
  • 性的であるとはどのようなことか

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     先日これを家内に読んでいるところを見つかり、不必要なほどにこれが知的に面白い本であることをアピールしてしまったが、そのような気まずさがなぜどのような事情で生じるかを改めて知ることができる本。どうしても下世話な内容を連想させるテーマだが、気取ったり奇を衒ったりするところのない誠実な語り口が心地良く、作者の主張がすんなりと頭に入ってくる。
     なぜ性的な概念はこれほどまでに気まずさを呼び起こすのか?筆者は、人が自らの手の届かない領域の「向こう側」に抱く憧憬と同化の欲求が美的判断である「えっちさ」の根幹を成すとし、巷間言われるような生物的な性欲が文化的な「えっちさ」を規定したのではなく、逆に「えっち

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    2026年02月06日
  • 物語化批判の哲学 〈わたしの人生〉を遊びなおすために

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    なぜ私たちは物語を物語以上に使ってしまうのか。例えば就活での自己PR、MBTIや推しなどのキャラクター性、自分語りなどのこと。これらは当てはめることで、診断どおりに動いてしまうなど視野狭窄になるリスクを背負ってしまう。そしてこの本では物語以外にも遊びを考えており、ゲームもゲーミフィケーションなど資本主義に結びつけて使われてしまっていることも批判している(レベルアップなど)。パズル的主体、ギャンブル的主体、そしておもちゃ的主体と、遊びから脱却の方法を考えていく。多趣味ですでに実践しているが、自分では言語化できなかったところも指摘していて興味深い本だった。

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    2026年06月29日
  • SFプロトタイピング SFからイノベーションを生み出す新戦略

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    SF作家を私は知らない。けど村田沙耶香さんならわかるし『消滅世界』は読んでみたい

    いくつもある未来から意思ある未来を選んで描き出すSFプロトタイピング。多様な人たちと創りあげていく過程に意味があり、そのモデレーターが肝になる

    その素養がある人は罰に対する反応性が弱い、という指摘に驚きつつも納得

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    2023年05月02日
  • SFプロトタイピング SFからイノベーションを生み出す新戦略

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    近年、(主に米国の)先端産業の経営者がSF作品のファンであることにも起因して、SFというジャンルが注目されているようだ。
    そこで、SFを積極的に経営に活かしていこう、というムーブメントが生まれ、これがSFプロトタイピングとして市民権を得たものであろうと思う。
    「ドラえもん」、星新一から始まり、フランク・ハーバート、アイザック・アシモフ、神林長平、ウィリアム・ギブスン、士郎正宗、ダン・シモンズ、伊藤計劃などを濫読してきた身としては喜ばしいことだ。
    実は私が1990年代に所属していたSFコミュニティでは、「SFの終わり」が語られていた。
    もはや現実がSFに追いついたというのである。
    もちろん、現実

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    2023年04月08日
  • 性的であるとはどのようなことか

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    「物語化批判の哲学」でも感じたけど、好きなものは近いのにそこから感じるものは全く正反対のものだなぁと。だからこそ、非常に興味深くて面白い!と思う。
    特に「えっちさ」の部分については入り込みやすくて、読んでてたのしかった!

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    2026年08月23日
  • アンチ・スポーツの哲学

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    ネタバレ

    スポーツとは絶対に負けないという強い闘志から行われるものであり、その美学について論じている
    また、スポーツを通じて人間が成長するという言説について筆者の持論を述べている

    個人的に残ったフレーズは、Comsの言葉を引用して述べられている「実際は、人が効果的に失敗に対処できるようにする最良の保証は、それまで基本的に成功してきたことである。」
    「失敗体験によってではなく、失敗を避けることに成功することによってである。」

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    2026年08月23日
  • 批判的日常美学について

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    相変わらず難波さんの文章は読んでいて楽しい。
    鉛筆でごりごりに書き込みしていつも読んでる。

    この本は、モヤッとしていた日常美学的な(?)疑問や、なんとなく許せないこと、そういう批判的なもやもやに輪郭を与えてくれた。ウンウンわかると頷いたり、「え〜そう考える人がいたのかぁ」と一方的な「不同意コミュニケーション」を楽しませていただいたりしながら。

    読んでてずっと楽しかったけど、最後の章が特にお気に入り。↓ ↓ ↓
    第11章  夕焼けと電流──生誕した私たちの美的義務について

    反出生主義について最近関心が高かったので、難波さんがそれに触れてくれて嬉しかった。
    道徳と美学を分けて考える視点、これ

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    2026年08月22日
  • 物語化批判の哲学 〈わたしの人生〉を遊びなおすために

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    生き方を物語、ゲーム、パズル、ギャンブル、おもちゃ遊び的に考える方法が書いてある。自由なのはおもちゃ的。人間、型にハマったほうがラクだから物語やゲーム化しようとするんだよきっと。その時々で楽しいと思える現実的な選択をするまで。何かやらなくてはいけないわけではない。人生はもっとシンプルなのに。

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    2026年08月19日