酒井以のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ子供の読書感想文をきっかけに読んだ本。
スイミングの特待生昇格のテストに落ちてしまった蓮。それどころか、弟の凛が合格してしまった。
黒いモヤモヤを抱えながらも、また来年合格するために、自主練をしようと市民プールに行き、そこで「すいすい川原クラブ」という短期のレッスンを知り申し込む。
すいすい川原クラブは、3人の生徒に対し春さんという女性がコーチとして指導する。
序盤で弟に負けた蓮だが、凛や家族に向かって言葉を荒げたり態度を悪くすることがない。
強いていうなら、順調に大会に出場している凛の、ゴーグルのベルトの調整を断ったくらいだ。
そこが少し優しすぎる気もするし、とてもリアルな気もする。
少なくともうちの子は蓮のようなタイプな気がする。
でも、内情は黒いもやもやが付きまとい、タイムが縮まらないことに焦り、クラブの友達にきつい口調になったりする。
水泳を始めたきっかけも分からなくなり、大学生の時の怪我で水泳を諦めた春さんに対しても、なぜ今さら大会に出たいのか、なぜ辞めないのか、僕ならやめるのに、と疑問もわく。
父親の車のディーラーの支店が潰れたのも、もっとがんばれる余地があったのでは、とひそかに思う。
でも最終的に蓮は、予選で目標タイムには到達したものの、大会出場を逃してしまう。
それでも、とても晴々して清々しい気持ちで、笑顔なのだ。
もやもやの代わりに、小さな炎がともり、今までのことは無駄じゃなかったと思えるのだ。
「まだまだここから」と心の底からの言葉がもれ、水泳を続ける。
非常に爽やかな内容だし、子供にぜひ読んでもらいたい。
友達という存在も、今の私には限りなく少なくなってしまったので、羨ましく思う。励ましたり、遊んだりできる関係がいい。
そして、単純な話だが、水泳をやりたくなる!
力をいれたり、水に浮いて力を抜いたり、波と仲良くなるのも感覚として掴みたい。
水泳をするかはともかく、これから挫折をしつつも頑張りたいことがあるとき、何かのヒントになると思う。 -
Posted by ブクログ
夏の読書感想文コンクール課題図書
四年生の蓮はスイミングスクールの特訓性に選ばれるために自主練習を重ねていた。選ばれたら練習日は増えるけれど、水泳だけは得意だし泳ぐのも好き。よし、がんばるぞ!
しかし特訓性テストに受かったのは、自主練習もやっていなかった1年生の弟の凛だった。なんで弟だけ?ぼくも特待生の中にいるはずだったのに、自主練習だってしていたのに。
蓮は市民プールで、三人の生徒を一人のインストラクターが担当する2ヶ月のコースがあることを知り申し込む。当日行ってみると、インストラクターは小柄なおばあさんの春田コーチ(春さん)、生徒には違う学校だけど同じ四年生の陽太と海音がいた。
春さんは三人に「何を目指したいか」を自主申告させ、さらに「それを成功させるにはどうしたら良いか、自分の考えを言ってごらん」という。このコースは「やみくもに挑戦する、がんばるんじゃない。自ら考えて取り組む」というものだった。
小学生三人が、自ら考えて、固まっていた見方が変わったり、やれと言われたからやるんじゃなくてどうしてやるのかどうすれば向上するか考えるようになる、そして叶わなくても一生懸命やったことによる爽やさを感じるお話でした。
登場人物全員前向きで素直だなーとは思うけれど、こんな素直で爽やかなお話もいい。
主人公蓮くんのお父さんの悩み、弟の凛くんの初めて挫折を味わったときなど、いろいろな面が書かれています。
春さんの言葉も「どこかを治すと、どこかが乱れるから、ちょっとずつ修正していく」という一歩一歩の成長だとか「勝つだけじゃない」ということで、水泳をやる児童には「平泳ぎの呼吸は身体が一番高い位置にある時。パン食い競争で背伸びをして身体をぐっと持ち上げたところで口を開くのと同じ感覚」など、具体的にわかりやすいアドバイスもありました。 -
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二人の女の子の友情と成長の物語
夏休みに出された宿題は「自分の苦手なものを克服すること」だった。ミヒロは克服したいことを「本間リサさん」に、リサは「ありのままの自分を受け入れること」に決めて、用紙を提出したーー。お互いが、少しずつ大切な存在となっていく様子に心が温かくなる作品です。2人の視点が交互に入れ替わりながら物語が進むところも面白いよ。
「一番の苦手は、本間リサだ。
気になるけど、近寄りにくい。」
先生は、二人をつなぐ存在であるミヒロのおじいちゃんが大好きです! 言葉一つ一つに深みと優しさが感じられます。
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いちばん好きな登場人物は、ミヒロのおじいちゃん。言葉がけ一つ一つに深みと優しさがあり、この物語全体に安心感を与える大切な存在。二人をつなぐきっかけも作る。
おじいちゃんの家でともに過ごし、友情を深めていくリサとミヒロたちの様子を読みながら、リサにこんな居場所ができてよかったなあと、すごくうれしかった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ自分の唯一得意だと思えた水泳の特訓生に選ばれなかった主人公。3つ下の弟は背が高く、低学年の方が伸びる可能性があるからか、特別、練習もしていなかったのに特訓生に選ばれた。
そこで芽生える嫉妬や悔しさ。なぜ泳ぎたかったのかも分からないなかで、見つけた夏休みだけの、市民プールでのスイミングクラブ。
そこで、全くタイプの違うメンバー2人とおばあさんコーチの指導を受け、心も泳ぎも成長していく。
よくあるお話だと、挫折したあとには、恩師と出会い、大会で優勝して特訓生になった。みたいなサクセクストーリーが多いが、こちらは優勝はしないし、恩師もメンバーも夏休みが終わると別れてしまう。そしてタイトルの「まだまだここから(がんばるよ)」と言う現実的なラストに好感が持てた。