池本幸生のレビュー一覧

  • コーヒーで読み解くSDGs

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    ネタバレ

    前回の記事で紹介したアントニー・ワイルド著『コーヒーの真実』では世界のコーヒー業界の暗部を知ることとなりました。

    その本を読んで頭を抱えた私ですが、本書『コーヒーで読み解くSDGs』ではそんな危機的なコーヒー業界を変えるべく奮闘している人々やその活動を知ることができました。

    文章も読みやすく、写真も多く掲載されていますので気軽に手に取れる作品です。ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。

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    2024年08月28日
  • 不平等の再検討 潜在能力と自由

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    1998年にノーベル経済学賞を受賞したインド人経済学者、アマルティア・セン氏の主唱している「ケイパビリティ・アプローチ」の概略が分かる本でした。センは人間の福祉の指標としてGDPや富、効用、幸福度を用いるよりも、各人のケイパビリティに着目するべきだと主張しているわけです。まずこれは訳者自身が冒頭および巻末に記載していますように、本書内で度々使われている「潜在能力」と「福祉」は、それぞれケイパビリティ、ウェルビーイング、と置き換えて読むと一層理解が深まります。逆に言うと潜在能力、福祉として読んでいると混乱することが多々あります。ケイパビリティは何かといえば、「~をすることができる能力(自由)」を意味していて、実際に顕在化している能力を含んでいます。そしてウェルビーイングとは文字通り「良い状態であること」を意味します。福祉というとウェルフェアを連想することが多いかと思いますが、これはどちらかといえば何か良い出来事が起きるという行為ですが、ウェルビーイングはBeing(存在)という文字があるように、良い状態であることを意味します。そしてセンは、各人のウェルビーイングを高めることを人類の目的とし、それが達成できているかを判定するものとして各人(もしくは集団の)ケイパビリティを見よ、と主張しているわけです。

    翻って現実社会を見ると、GDP成長率を高めよ、生産性を高めよ、ROE(株主資本収益率)を高めよ、というスローガンがあちこちから聞こえてきます。そして我々はあたかもこれが「目的」であるかのような錯覚を持ってしまうのですが、目的はあくまでも人々のウェルビーイング向上であって、所得や富、生産性は手段でしかありません。またミクロ経済学では各人の効用(ユーティリティ)を最大化するという思想がありますが、これはGDPや富ではなく幸福度、満足度(の総和)を最大化しようという意図があります。これに対してもセンは問題点を指摘し、ケイパビリティの優位性を主張しています。またこれはミクロ経済学の知識がないと理解が難しいのですが、センは人間が持つ「機能」と「ケイパビリティ」をそれぞれ「点」「空間」という風に解釈しています。つまりケイパビリティは機能(できること)の集合で、ケイパビリティが高いというのは、その選択した機能の高低によって得られる空間の広さ(選択できる余地の広さ)を意味します。

    以上、私自身の頭の整理の意味も込めて書きましたが、ケイパビリティ・アプローチは非常に本質を突いているという印象を持つのと同時に、正直理解が難しいとも感じました。逆に言えば、すっと頭の中に(腹の中に)落ちていく概念として説明出来るようになれば、一気に世の中に広まるのではないかと思います。ケイパビリティ・アプローチの主な適用分野は発展途上国の貧困問題、格差問題などですが、最近では先進国の様々な経済社会問題などにも適用されることがあるそうで、個人的には21世紀の新たな指標としての可能性を強く期待しました。

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    2023年05月02日
  • コーヒーで読み解くSDGs

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    コーヒーという身近なものからSDGsを学ぶことができてよかった。フェアトレードなど、店頭で目にすることはあるが実際の現場がどのような状況なのかは知らなかったため、自分とは関係のない遠い世界のことではなく同じ地球に存在している当事者のことを強く認識するきっかけとなった。

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    2022年09月26日
  • コーヒーで読み解くSDGs

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     とても勉強になった。コーヒーI滴、I粒だけでとても切ないと思う。                       将来、コーヒー飲むなら(絶対)「サステイナブルなコーヒー」を飲みたい!

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    2022年08月24日
  • 不平等の再検討 潜在能力と自由

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    > よりたくさんの選択肢を持っているということが、常に、その人がしたいことをする自由を広げることには必ずしもならない。

    「この文脈で重要な多様性はなにか」が大切。そうでないと、人間の多様性のために大きな差を生み出すことになる。ハッとする。

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    2021年11月20日
  • コーヒーで読み解くSDGs

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    SDGsの各項目ごとにコーヒーとの関わりなどを分かりやすく説明してる。
    コーヒー業界の人や一般の消費者が読んでも、全体像が掴めて分かりやすい。
    消費者が美味しいコーヒーを飲めば、ちゃんと農家さんがクオリティの高いコーヒー豆を生産できて、収入も安定する。

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    2021年07月16日
  • コーヒーで読み解くSDGs

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    何気なく飲んでいるコーヒーへの意識や考えが変わる一冊。コーヒー好き、コーヒー産業従事者には読んでほしい。コーヒー生産国は途上国に多く、コーヒー消費国は先進国に多い。生産国にお金が適切に回るコーヒー選びをしたい。

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    2021年05月23日
  • 不平等の再検討 潜在能力と自由

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    福祉、貧困対策などを考える上で基本的な考え方となる人のうち、割と新しい部類に入る人。
    数値化して捉えることが困難な貧困を、ケイパビリティとかいう、その人たちが望むものを得るためにアクセスすることのしやすさと定義した。
    例えば所得が低くても、田舎で自給して芋食って満足している人は貧しくないし、所得がある程度あっても都市部で子どもに塾によう行かせてやれんという人は貧しいだろうという話。
    多様な生き方がある現代においては、貧困は簡単な一言で定義するのは困難だが、それをかなりまとめた功績は大きい。

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    2019年07月21日
  • 女性と人間開発 潜在能力アプローチ

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     第三世界の女性「開発」のために現在最も主流とされている(たぶん)、潜在能力アプローチ、について書かれた本。潜在能力(ケイパビリティ)アプローチについて学ぶためには、まず最初に読むべき本である。第三世界の貧しい女性達を開発していくために、彼女らの所得や効用(主観的な幸福度)ではなく、彼女は「何ができるか」「どんな状態になれるか」という、潜在性を、アプローチの評価変数として取り入れる方法である。著者は哲学が専門らしく、政治哲学的な内容となっている。もちろん、根源的に何が基準とされるかというと、評価者(西欧先進国)の「直観の定点」ではある。が、本書のあげるケイパビリティのリストは、より広範囲に人々を繋げる規範としては、普遍的に妥当とするに値するように思われる。「伝統」や「西欧の押しつけ」などの批判に対する反駁や、「宗教」「家族」との衝突についても書かれていて、非常によくできた書物である。原著2000年、翻訳2005年。新しい本である。2008.5.22-26(5d).

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    2009年10月07日
  • コーヒーで読み解くSDGs

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    コーヒーは、世界的な飲み物だからこそ、言葉は悪いけどただの飲み物でしかないコーヒーだけでSDGsが語れてしまうという影響力の大きさに終始驚いた。
    特に、教育と貧困、ジェンダーなどの問題とは深く結びついてるんだと実感。私たち消費者もその問題に深く関わっているということを感じて、むやみやたらに安いものだけを求めてたらダメなんだっていう、考えてみれば当たり前のことを再認識。でも、コーヒー一杯って高いんだもん〜って思うけど、コーヒーの生産者の取り分は1%程度で、原価率も3%っていう数字を見て、コーヒー一杯500〜700円ってめちゃ安いじゃん、、、ってなった。
    でもそこで、生産者のことを考えたコーヒーを常に選べるかというと破産してしまうから、自分の余裕のなさにきづく。

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    2025年04月27日
  • コーヒーで読み解くSDGs

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    我々が日々口にしている珈琲についての体系的な理解に繋がった。珈琲業界全体が、今置かれてる世界的な状況というのをSDGsの切り口で俯瞰しているのも面白い。

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    2025年01月27日
  • コーヒーで読み解くSDGs

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    毎日必ず飲まずにはいられない大好きなコーヒー。
    そして、気になってはいるけれど具体的にどう関わっていけばいいのかよくわかっていなかったSDGs。
    この本を読み、コーヒーを通してどうSDGsに意識的に目を向けていけるか、コーヒーが将来も美味しく飲み続けられるために何が必要か、がとてもよくわかりました。

    「私たちは、私たちが『美味しい』と言って飲んでいるコーヒーが、コーヒー生産者の貧困や環境破壊という大きな犠牲の上に成り立っているかもしれないと知ったとき、それでも『美味しい』と満足していられるでしょうか。」
    生産農家への支援となるような取り組みに協力していきたいし、コーヒーを飲む時にも意識して選んでいきたいです。

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    2024年03月09日
  • 不平等の再検討 潜在能力と自由

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    センのcapability approachに関して学ぶとするなら、最初の本になりうるかも。
    "福祉の経済学"に比べて、数式はほぼない。
    また、具体例が多い。
    思想がよく伝わってくる。
    なぜ?の部分が。

    生み出した富の量の合計で国の豊かさを評価すると、
    個人の差や、上位のお金持ちの富の和で打ち消されたその国のボトムにいる人たちの貧困や不平等が見えなくなってしまう。

    なぜ豊かな国なのに貧しい人が存在するのか?。

    インドでボロボロの服を着ていても困らないけれど、たとえば日本や豊かな国ではそんな服を着て行けるところはとても限られてしまう。
    …たとえば。
    スマホはお金がかかるといって、貧しくて持てなかったり、持っていても使う能力がないと、かえって働く機会を逃したり、災害時に情報を得られなかったりするのはよくある。

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    2024年01月02日
  • コーヒーで読み解くSDGs

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    コーヒー生産者の貧困
    相場リスク、取り分少ない、女性に収入がない

    薬物からコーヒー栽培へ

    コーヒーにかかる廃棄ヒエラルキー考慮

    コーヒー排水と海洋汚染の関わり

    サングロウンではなくシェイドグロウンにより、生物多用性を保全

    美味しいコーヒーで所得向上

    など。いま、一杯のコーヒーが飲めるまでの色々な出来事に関心が向く一冊。
    ほか、サビ病で高品質コーヒーの危機到来は時期的にワインのフィロキセラと近しく、シェイドグロウンはビオディナミ的な畑と類似性があり興味深い。

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    2022年04月08日
  • コーヒーで読み解くSDGs

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    日常何気なく飲んでいるコーヒーを切り口にSDGs 17目標すべてを闊歩するのがいい。著者の立場も個々の目標に対して是々非々で偏っていない。
    想像力をどんなに働かせても想像できないことはあるもので、生産現場の実態や持続可能な取り組みについて一般に啓蒙するのは大切だと改めて感じた。
    いままでは特に何も考えず安いコーヒーを飲んでいたが次はこの本で紹介されたブランドのコーヒーを買ってみようと思う。

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    2021年12月31日
  • コーヒーで読み解くSDGs

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    コーヒーを軸にSDGsを考える。「ブラジルの蝶の羽ばたきはテキサスで竜巻となるか。」ではないが、考慮に値しないと思われがちな個人の小さな行動も大きな渦となるのだ。毎朝のコーヒーを眺めながら考える…。

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    2021年11月15日
  • 不平等の再検討 潜在能力と自由

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    貧困は人間の選択肢がはく奪されている状態。極度の貧困により、栄養状態が悪い。雨風をしのげる家がない。予防可能な病気にかかる。早死にする。読み書きができない。部族紛争で負傷して体が不自由(身体障がい)になる。財を活用して生活の質を高める力がなければ、財を平等に分配されたとしても、それを充分に活用できない。国家は人が自分の願望や目的を実現するための前提となる能力を保障すべき。市場でまともな経済競争をするための前提となる能力を保障すべき。アマルティア・センSen『不平等の再検討』1992
    ※エチオピアで飢餓。ハイレ=セラシエ皇帝「働いて努力しなければ富は得られない」と、国家による救済策をほとんどせず、飢餓が悪化。国家が極度の貧困を解決すべき。

    経済開発はそれ自体が目的ではなく、人間のwell-beingを増やすための手段だ。人々を抑圧して、経済開発を進めるのは許されない。Human development (UNDP) マブーブル・ハク(パキスタンの経済学者)。

    自由な社会にとって、感情は大切だ。非合理なものとして排除してはいけない。不正に対する怒り、価値喪失への恐怖、困っている人への同情。感情が自由な社会を支えている。マーサ・ヌスバウムNussbaum『感情と法』2004

    各人が人間らしい生活を送るために必要な潜在能力がある。例えば生命・身体の健康・身体の不可侵性・感覚/想像力/思考力・感情・実践理性・連帯・共生・遊び・自分の環境の管理。ロールズの正義論では、こうした潜在能力を各人がもつことを前提としており、重度の知的損傷のある人々は除外されてしまっている。最も恵まれない人々への配慮が必要。マーサ・ヌスバウムNussbaum『正義のフロンティア』2006

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    2024年04月26日
  • コーヒーで読み解くSDGs

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    SDGsに関して一通り学べる一冊。と、同時にコーヒー産業に関しても多角的に学べる。
    写真も多く、平易な文章なので読みやすい。

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    2021年04月30日