作品一覧

  • 貧困と飢饉
    4.6
    1巻1,804円 (税込)
    20世紀に世界各地で発生した「大飢饉」の原因は,一国レベルの食料総供給量の不足であるという通説を否定し,人々が十分な食料を手に入れる権原(能力と資格)が損なわれた結果であるということを実証的に解明.開発経済学に新たな地平を切り開き,後の「不平等理論」にも影響を与えた画期的な書.1998年ノーベル経済学賞受賞.

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  • 不平等の再検討 潜在能力と自由
    4.6
    1998年ノーベル経済学賞を受賞した著者は,本書で,不平等の問題を所得分配の面からのみではなく,「人間は多様な存在である」ということを前提にした視点から再考察することを提案した.「潜在能力アプローチ」と呼ばれるその手法は,経済学にとどまらず,倫理学,法律学,哲学など関連の諸分野にも多大な影響を与えている.

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  • 不平等の経済学
    5.0
    1巻4,400円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 1998年ノーベル経済学賞を受賞したインド出身のセン教授の主著の一つ。厚生経済学への批判から生まれたセンの「福祉の経済学」の理論を集大成した名著拡大版。 【主な内容】初版まえがき 拡大版まえがき 第1章 厚生経済学・功利主義・衡平性 第2章 不平等の測度 第3章 準順序としての不平等測度 第4章 勤労度・必要度・不平等度 補論 四半世紀後の『不平等の経済学』

ユーザーレビュー

  • 貧困と飢饉

    Posted by ブクログ

    飢饉は食料不足で起こるのではなく、交換権限写像の不足によって起こるのだということが全編を通して語られている。

    「好況が不平等な経済活動の拡大を伴っている場合、たとえば都市住民に有利に働き、農村の労働者を取り残す場合、好況のプロセスそれ自体が主要な役割を果たす。食料を得るための闘いは、他人のことは構わない世界であり、あるグループが他のグループの繁栄ゆえに苦しむこともあり得るのである。」

    1943年にベンガルに飢饉を引き起こしたメカニズム
    「当時の都市住民は戦時景気の恩恵を受けていた。日本軍が間近に迫っており、イギリスとインドの国防費はカルカッタを含むベンガルの都市部で集中的に支出されていた。

    0
    2025年12月06日
  • 貧困と飢饉

    Posted by ブクログ

    簡単なメモ

    ・飢餓は食料供給の減少からなるというアプローチでは飢餓の十分な説明にはならず、所有の権限からのアプローチで飢餓を捕らえた方が有効なケースが多い。例えば供給量が十分でも、ある層の所得が急上昇して食料需要が上がり価格が上昇すると、それに取り残された少ない?権限しか持たない貧困層は食料を得られる機会が減少する。

    ・今、世界は気候変動で食料供給の不確実性が増しており世界中で同時に不作が起こるケースがあった場合、この権限アプローチは有効性を持つのだろうか?要するに、他国から食料を調達費用が急上昇した場合である。そのような場合、市場原理よりも政府含む公共部門が本書で述べられてる以上の役割を

    0
    2024年06月09日
  • 貧困と飢饉

    Posted by ブクログ

    貧しい国も貧しいうちは保健と教育に投資した方が良い。「(貧しい国が保健と教育に多くを支出する余裕があるのか)多くの貧しい国々――スリランカ、中国、コスタリカ、インドのケーララ州他――がまさしくそれに成功したという、実証的な事実について述べるだけではなく、裕福な国より貧しい国の方が公衆衛生・医療サービスや基礎教育制度を提供するコストがはるかに安いという、一般的な事実を理解する必要もある。その理由は、保健も教育も労働集約的な活動であり、貧しい国の方が賃金が低いために保健や教育のコストがずっと安くなるからである。(中略)国が非常に貧しいうちは、これらのサービスに支払わなければならないお金もまた、著し

    0
    2024年01月10日
  • 不平等の再検討 潜在能力と自由

    Posted by ブクログ

    1998年にノーベル経済学賞を受賞したインド人経済学者、アマルティア・セン氏の主唱している「ケイパビリティ・アプローチ」の概略が分かる本でした。センは人間の福祉の指標としてGDPや富、効用、幸福度を用いるよりも、各人のケイパビリティに着目するべきだと主張しているわけです。まずこれは訳者自身が冒頭および巻末に記載していますように、本書内で度々使われている「潜在能力」と「福祉」は、それぞれケイパビリティ、ウェルビーイング、と置き換えて読むと一層理解が深まります。逆に言うと潜在能力、福祉として読んでいると混乱することが多々あります。ケイパビリティは何かといえば、「~をすることができる能力(自由)」を

    0
    2023年05月02日
  • 不平等の再検討 潜在能力と自由

    Posted by ブクログ

    > よりたくさんの選択肢を持っているということが、常に、その人がしたいことをする自由を広げることには必ずしもならない。

    「この文脈で重要な多様性はなにか」が大切。そうでないと、人間の多様性のために大きな差を生み出すことになる。ハッとする。

    0
    2021年11月20日

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