長友恵子のレビュー一覧
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ロシア民話バーバヤーガのお話をベースにしている。主人公は12歳の女の子マリンカでお婆ちゃんのバーバと暮らしている。バーバの仕事は死んだ人をあの夜に導くことで、住んでいる家も変わっていて、足が生えていて動けるし、意志があってマリンカと遊んでくれたりする。
マリンカは生きている人と交流できない今の状況に不満があるが、外に行けない。中盤過ぎまでマリンカがずっと後ろ向きなので、そこは少し読みにくい(あとがきにも同じような記述あり)。しかし、死者を迎える話や、人を寄せ付けないための骨の柵など、子どもが惹かれるネタが随所にあり、中学年くらいから読める本ではしっかりできていると思った。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ表紙の絵の少年から受ける印象とは裏腹に、かなり重いテーマを扱った物語だ。
実際にアメリカの高校であった銃の乱射事件をきっかけに、作者が書かなければと思い至って執筆したという。
舞台はカナダ。
父親の猟銃を持ち出した主人公の兄ジェシーは、同級生を撃った後、自分自身も引き金を引いて自殺した。
加害者のジェシーは学校で、悲惨としか言いようのない過酷ないじめにあっていた。被害者はそのいじめの首謀者。
そして被害者の妹と加害者の弟は親友同士。
事件の後、加害者の家族は住む町を追われ、父と母は別居。主人公の少年・弟のヘンリーは父と共に都会の町へ移り住む。
新しい学校に通いながら、カウンセリングを受 -
Posted by ブクログ
ネタバレ鳥の足が生えた家に住む少女、マリンカの成長物語。
マリンカと祖母のバーバは、この家で「死者を見送る」ことを生業としている。あの世とこの世の境目で、その門の番人として生きる少女の、葛藤と決意が描かれる。
運命に逆らいたい、自分のことは自分で決めたい、
という普通の少女の思いが苦しくて、感情移入すると苦しくなる。それを見守るバーバの気持ちも、「家」の気持ちも、考えるほど苦しい。
そう、この話では家が感情を持っているんです。
感情豊かなおうちがとても可愛かった。
家も傷つき、ケンカをする。
登場人物も家もみんな、マリンカが好きで、マリンカのことを愛おしく思ってくれているところがよかった。
みん -
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コピー、ペーパーシリーズで名前をきく、スタンプブックスをはじめて手に取る。
欧米のYA小説が今でも好物なので、またスタンプブックスを読んでいきたいと思う。
読んですぐに、うわーやばいものを読み始めてしまった、と思った。
自分の長男次男とほぼ雰囲気が同じだったから。
長男はasdやADHDのわかりやすい子で、次男もグレー。私も夫もオタク気質でコミュ障家族だ。
次男(主人公)が、過去を回想して、このときはじめて僕は兄を恥ずかしいと思った。兄はみんなと違うと気づいた。というところで涙が止まらない。数年後、うちもこうなる可能性は大きい。
いじめの悲惨さは、日本もカナダも変わるところがない。
(スポー -
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Reluctant = しぶしぶの、いやいやながらの
カナダはバンクーバー島の田舎町にくらしていたヘンリーの家族。
まだ、彼は12歳のちっぽけな弟だった。
兄さんが、自殺した。
ある事件と共に。
田舎町では噂がすぐに広まり、一家は嫌がらせにあい、都会へと越していく。
その上、母さんも、父さんも、ヘンリー自身も、みな追い詰められ、精神を病んでしまう。
母さんは実家の近くの精神病棟に入院。家族みんなが、兄さんの死を、誰かのせいだと理由を付けながら、それぞれに自分を責め続けている。。
ヘンリーは家族とも他人ともうまく言葉をかわすことができずに、ロボットボイスで話すようになり、セシル先生の -
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ヘンリーの兄ジェシーは、父親の猟銃で自分を執拗にいじめていたスコットを撃ち殺し、自分も同じ銃で自殺した。残された家族は、地域の人たちから嫌がらせを受け、母親は精神科に入院、ヘンリーと父親は事件が知られていない町へ引っ越した。
ヘンリーはカウンセラーのセシルから、見せなくてもいいから日記を書くように勧められ、日記帳をもらう。新しい学校でヘンリーは友達を作らないと決めた。が、ちょっとオタクっぽいファーリーにクイズ研究会に連れていかれる。兄の事件を隠しながら、新しい学校での生活が始まる。
舞台はカナダだが、米国の高校の銃乱射事件を思い起こさせる。撃たれた方でなく、撃った方と残された家族。そして、そ -
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