長友恵子のレビュー一覧

  • アーノルド・ローベルものがたり がまくんとかえるくんとぼく

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    アーノルドローベルの伝記絵本。
    「◯◯年◯月◯日に生まれ…」から始まるのではなく、始まりはアーノルドローベルが子どもの頃、靴下を濡らした場面から。

    漢字にルビ有り



    可愛らしい挿し絵で目で楽しむこともでき、文章量の割にサクサクと読めました。小2から読めると思います。ちょうど小2の国語でがまくんとかえるくんのお話を読んだ子は、夢中になって読んでいました。

    作者の後書きの熱量から、アーノルドローベルが本当に大好きな人が作ってくれた本なんだなあと感謝の気持ちにあふれました。

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    2025年11月11日
  • ぼくだけのぶちまけ日記

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    ネタバレ

    凄く引き込まれて1日で一気読みしてしまった。加害者家族の苦悩や葛藤がよく描かれている作品でした。途中兄のジェシーがいじめに遭うシーンはリアリティがすごくて辛かったけど、だからこそその場面に居合わせながら何もできなかった弟のヘンリーの葛藤がより鮮明に描かれていたと思う。隣人や友人など皆、個性豊かなキャラクターが出てきて、それぞれの人がヘンリーに影響を与えていく様が心をほっこりとさせてくれた。涙なしには読みきれない作品だった。カナダに留学していたのでところどころでてくるお店やテレビ番組の名前が懐かしさも与えてくれて、読んでいて没入できた。
    是非、ティーンだけでなくて、大人にもおすすめしたい一作です

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    2024年10月09日
  • ぼくだけのぶちまけ日記

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    これほど読むのが辛かった本はなかったかも知れません。途中まではこの本を読み始めたこと、購入したこと、存在を知ったことを後悔しながら読んでいました。ですが、手に取った以上最後まで読むしかないという覚悟は消えませんでした。雰囲気が少し変わってきたのはカレンとのエレベーターの中での会話から。そして4月10日以降は涙なしには読むことが出来ませんでした。
    いじめは犯罪です。加害者は処罰されて当然です。学校のいじめであれば、発覚したら有無を言わさず加害者を転校させるべきです。フランスでは既にそうなっていると聞きます。子供の命より教師の保身が優先する日本で教育を受けさせる事はリスクでしかありません。お子さん

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    2024年01月28日
  • 本おじさんのまちかど図書館

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    大好きな人や場所を守るために少女が取った行動。それは政治や選挙に市民がどのように関わるのかにも繋がる。
    町の人に無料でその人にぴったりの本を貸し出すおじさんの活動も素敵。友達との関係性も素敵でした。

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    2022年09月16日
  • ぼくだけのぶちまけ日記

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    凄惨ないじめを受けて加害者を撃ち殺し自死した大好きな兄。仲が良く楽しかった家族もその日から苦しみ、変わってしまう。苦しみも悲しみも決してなくならず、それを抱えて思い出しながらも生きていくのが読んでいても辛い。
    それでもちょっと変わった魅力的な友だちや隣人に出会って、重いものを抱えたままでも笑い合える歩みがあることに感涙。

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    2022年07月29日
  • ヤーガの走る家

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    ロシア民話をベースに、将来をヤーガとして生きることを運命付けられた少女の成長物語。
    マリンカを通じて、自分が今ここにいる意味を考えさせられました。

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    2022年06月29日
  • ヤーガの走る家

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    ロシア民話をモチーフにした物語。死者を導くヤーガの家に住む少女マリンカはヤーガになりたくなかった。
    これは家に縛られた女性の葛藤の話かも。決められた運命に抗うことはワガママなのか。自分の未来を自分で決めた先にある希望。

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    2022年05月18日
  • ぼくだけのぶちまけ日記

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    ネタバレ

    兄のおこしてしまった事件をきっかけに、13才のヘンリーは住み慣れた町を離れ、父親と2人きりで暮らすようになります。事件後兄は自殺し、そのため母も父もヘンリーも心に深い傷をおっています。ヘンリーはセラピストに勧められノートに自分の気持ちや起こった出来事を書き留めるようになります。次第に明かされる過去の辛い出来事と新しい友達との日々。それぞれの不安を抱える周りの大人たちとの関わり。様々な関わりのなかでヘンリーが自分の力で立ち直っていく様子に、読むのがやめられなくなってしまいました。

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    2022年02月07日
  • ぼくだけのぶちまけ日記

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    古き良き、アメリカのロードムービーのように楽しめました。舞台はカナダですが…。
    やさしいお兄ちゃんが、いじめられた末に学校に銃を持っていき、いじめっ子を殺して、自分も死んでしまう。残された家族のその後を描いたハードな設定ながら、出てくる人たちは、みんな個性的でチャーミングな人ばかり。痛みを持った人がやさしく、強く生き抜いていくさまに、心が熱くなる一冊です。

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    2022年01月30日
  • ぼくだけのぶちまけ日記

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    4ヶ月前に父と二人だけでバンクーバーに引っ越してきた13歳(8年生/中学1年)のヘンリー。赤毛にそばかすがあって、低身長で太めなことを気にしていた。学校ではオタクでいじめられている中国系のファーリーと親しくなっていったが、極力目立たないよう、いじめの標的にならないように気をつけていた。
    ヘンリーには2つ半年上の兄ジェシーがいて、中学入学直後に悪目立ちしたことから2年間ずっとひどくいじめられていた。そして、ヘンリーも一緒にいたときひどいいじめに遭ったことを契機に、父親のライフルでいじめの首謀者を殺し、自殺してしまった。それ以来、被害者家族は加害者家族となり、関係者のみならず地域の人たちからも嫌が

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    2022年01月12日
  • ヤーガの走る家

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    途中までは、まわりのあらゆるものに不満をぶつけ、送られている愛に気づかず、自分勝手にふるまう主人公のマリンカにだいぶイライラしながら読み進めていたのだけど、まあ、そうは言っても12歳だしなあ……自分の運命が決められていて、家からも出られないとなったらそりゃあ憤りも憤懣もたまるか、とも思い。

    生と死のあわいにいるヤーガと、走る家の設定がユニーク。
    境目が溶けていくことで、読者も、死に対しては心のなぐさめを感じ、生に対してはきらきらした喜びを感じとることができる。

    そんなことがはっきりと言葉で(お説教っぽく)描かれているわけではなく、自然と伝わってくるのがすばらしいなと。

    家もかわいいし、カ

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    2021年10月13日
  • ぼくだけのぶちまけ日記

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    13歳のヘンリーがカウンセラーにすすめられて
    「しぶしぶ」書き始めた日記。

    こんな日記に意味はない…。
    ヘンリーはそう思いながらも、
    嫌な日常を「ぶちまけ」ていく。

    そうして物語は
    ヘンリーの身の回りに何が「起こっているのか」
    何が「起こった」のか、ヘンリーの心の変化を通して明かされていく。

    ヘンリーには仲の良い兄、ジェシーがいた。
    でもある時ジェシーが起こしが事件がきっかけで
    家族はバラバラ。
    ヘンリーは心の傷と過去に蓋をして
    周囲をシャットダウンして生きていた。

    ところが
    新しい学校では無理やりサークルに誘われたり、
    家ではご近所さんがおすそ分けや世話焼きをしてくれて、ヘンリーを一

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    2021年05月13日
  • ヤーガの走る家

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    訳者はあとがきで自己中心的な言動をする主人公に共感できないかも知れません、と述べているけれど、そんなことなかった。
    外の広い世界への漠然とした憧れ。保護者への反発、苛立ち、甘え。友人への期待、失望。
    自分も覚えのある思春期の感情。とても共感しながら読んだ。訳の力かな。
    2回目読む時は、家に共感するような気がする。
    『飛ぶ』家の話はあるけど、『走る』家という設定はユニーク。泳いだり木に登ったりもするよ!

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    2021年04月23日
  • ぼくだけのぶちまけ日記

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    これ程重いテーマを、ユーモアを交えながら読ませてしまう描き方に感心した。
    事件の加害者や自殺で残された家族の想いはどれ程のものか、至らない想像でさえ胸が張り裂けそうになる。
    いじめから始まった出来事が、たくさんの人に傷を与え、人生を変えてしまう。
    事件が起きた時、世論は被害者の家族の悲しみに寄り添うのと同じように、加害者の家族の悲しみに寄り添っているだろうか。たとえ子どもでも加害者の家族であれば、誹謗中傷の矢面に立たされてしまうのだ。

    兄の起こした事件の後、13才のヘンリーと父親は、誰も知らない場所でひっそり暮らしている。
    ヘンリーが綴る日記を通して、事件の真相が徐々に明らかになり、ヘンリー

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    2020年09月15日
  • 僕たちは星屑でできている

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    翻訳者さんの朗読会に行く機会があり、購入&一気読み。
    言葉の美しさがあり 朗読でここまで 生命力に溢れて物語が届けられるんだと感動した。

    難民となった少年サミーの運命と、イギリスの高校生ナタリーの運命。
    絶対的な生命の危機と尊厳の破壊に接しているサミーと、相対的なじりじりゆっくりと困窮や家族の危機に追い詰められるナタリー。

    常に2人の状況は クロスしながら 読者に問いかける。
    それぞれの苦しみがある。
    サミーだけでは辛すぎる。クロスしながら、ナタリーの物語があることで、どこか苦しみ 一辺倒にならない物語がある。

    難民の物語。その背景にある戦争や、理不尽な暴力やそこからもたらされる

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    2025年09月12日
  • 本おじさんのまちかど図書館

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    インド映画の見過ぎなのか、どんどん展開するストーリー。出てくる登場人物の表情や仕草、ビリヤニの香り、まちの喧騒、人々のやりとり。映画俳優上がりの市長。どれをとっても実在の人物をキャスティングできてしまう。ぜひ実写化してほしい。

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    2024年10月24日
  • 僕たちは星屑でできている

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    内容は重たいが文章が短いので億劫にならずに最後まで読める。エリトリアという国があることを初めて知った。世界には知らない問題がまだまだたくさんある。

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    2024年07月04日
  • ヤーガの走る家

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    ロシア民話「バーバ・ヤーガ」をモチーフにしたファンタジー。
    いっしょに暮らすバーバは死人を門から星へ還す『ヤーガ』という門の番人をしている。マリンカも将来番人になることを運命づけられている。

    意思を持っていて走って移動する家というのがまず面白い。
    自分の定められた運命に抗う強い意志を持つマリンカは自分勝手に思えて最初は好きになれなかった。
    マリンカが周りの人々や家との関係性で後悔と気付きながら成長していく姿を見て、最後には可能性は自分次第で広がると教えてもらえるこの物語の力強さを感じた。

    イラストやカバーを外したデザインが可愛い凝った作りの本。

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    2024年04月09日
  • 僕たちは星屑でできている

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    イギリスの少女と難民の少年が、一つの言葉でつながる、そして交錯し離れていく。軽いタッチで描かれているけれど、情景が目に浮かぶほど。少女の生活もリアルに描かれていて、難民を受け入れる社会の実情が見て取れました。なんとかして国を出てイギリスに、と願う少年の道のりは実に苛酷。日常的にどこかでこんな場面が繰り広げられているのかと思うと胸が痛い。そんなことを思わせてくれた本作、読んで良かったです。

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    2024年04月04日
  • ぼくだけのぶちまけ日記

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    ネタバレ

    凄惨ないじめを受けていた兄。
    それゆえ、事件を起こしてしまった兄。
    事件の加害者であり、いじめの被害者でもある兄。

    自分を責め、悲しむ家族。
    家族がわかっていること、兄はプロレスが好きで、家族が好きで、クイズ番組が好きで、優しく、弟思いだったこと。

    家族はそれを思い出し、みんなで話すことが、自分達の悲しみを、兄への悔恨の念を、すこし和らげることだと、気付かされる。

    そして、自分を信じ、味方でいてくれる友達の有り難み。

    日記形式で書かれているため、少し読みにくかった。
    でも残された家族の苦悩と葛藤を読むことができて、勉強になった。

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    2022年09月04日