長友恵子のレビュー一覧

  • ぼくだけのぶちまけ日記
    これほど読むのが辛かった本はなかったかも知れません。途中まではこの本を読み始めたこと、購入したこと、存在を知ったことを後悔しながら読んでいました。ですが、手に取った以上最後まで読むしかないという覚悟は消えませんでした。雰囲気が少し変わってきたのはカレンとのエレベーターの中での会話から。そして4月10...続きを読む
  • 本おじさんのまちかど図書館
    大好きな人や場所を守るために少女が取った行動。それは政治や選挙に市民がどのように関わるのかにも繋がる。
    町の人に無料でその人にぴったりの本を貸し出すおじさんの活動も素敵。友達との関係性も素敵でした。
  • ぼくだけのぶちまけ日記
    凄惨ないじめを受けて加害者を撃ち殺し自死した大好きな兄。仲が良く楽しかった家族もその日から苦しみ、変わってしまう。苦しみも悲しみも決してなくならず、それを抱えて思い出しながらも生きていくのが読んでいても辛い。
    それでもちょっと変わった魅力的な友だちや隣人に出会って、重いものを抱えたままでも笑い合える...続きを読む
  • ヤーガの走る家
    ロシア民話をベースに、将来をヤーガとして生きることを運命付けられた少女の成長物語。
    マリンカを通じて、自分が今ここにいる意味を考えさせられました。
  • ヤーガの走る家
    ロシア民話をモチーフにした物語。死者を導くヤーガの家に住む少女マリンカはヤーガになりたくなかった。
    これは家に縛られた女性の葛藤の話かも。決められた運命に抗うことはワガママなのか。自分の未来を自分で決めた先にある希望。
  • ぼくだけのぶちまけ日記
    兄のおこしてしまった事件をきっかけに、13才のヘンリーは住み慣れた町を離れ、父親と2人きりで暮らすようになります。事件後兄は自殺し、そのため母も父もヘンリーも心に深い傷をおっています。ヘンリーはセラピストに勧められノートに自分の気持ちや起こった出来事を書き留めるようになります。次第に明かされる過去の...続きを読む
  • ぼくだけのぶちまけ日記
    古き良き、アメリカのロードムービーのように楽しめました。舞台はカナダですが…。
    やさしいお兄ちゃんが、いじめられた末に学校に銃を持っていき、いじめっ子を殺して、自分も死んでしまう。残された家族のその後を描いたハードな設定ながら、出てくる人たちは、みんな個性的でチャーミングな人ばかり。痛みを持った人が...続きを読む
  • ぼくだけのぶちまけ日記
    4ヶ月前に父と二人だけでバンクーバーに引っ越してきた13歳(8年生/中学1年)のヘンリー。赤毛にそばかすがあって、低身長で太めなことを気にしていた。学校ではオタクでいじめられている中国系のファーリーと親しくなっていったが、極力目立たないよう、いじめの標的にならないように気をつけていた。
    ヘンリーには...続きを読む
  • ヤーガの走る家
    途中までは、まわりのあらゆるものに不満をぶつけ、送られている愛に気づかず、自分勝手にふるまう主人公のマリンカにだいぶイライラしながら読み進めていたのだけど、まあ、そうは言っても12歳だしなあ……自分の運命が決められていて、家からも出られないとなったらそりゃあ憤りも憤懣もたまるか、とも思い。

    生と死...続きを読む
  • ぼくだけのぶちまけ日記
    13歳のヘンリーがカウンセラーにすすめられて
    「しぶしぶ」書き始めた日記。

    こんな日記に意味はない…。
    ヘンリーはそう思いながらも、
    嫌な日常を「ぶちまけ」ていく。

    そうして物語は
    ヘンリーの身の回りに何が「起こっているのか」
    何が「起こった」のか、ヘンリーの心の変化を通して明かされていく。

    ...続きを読む
  • ヤーガの走る家
    訳者はあとがきで自己中心的な言動をする主人公に共感できないかも知れません、と述べているけれど、そんなことなかった。
    外の広い世界への漠然とした憧れ。保護者への反発、苛立ち、甘え。友人への期待、失望。
    自分も覚えのある思春期の感情。とても共感しながら読んだ。訳の力かな。
    2回目読む時は、家に共感するよ...続きを読む
  • ぼくだけのぶちまけ日記
    これ程重いテーマを、ユーモアを交えながら読ませてしまう描き方に感心した。
    事件の加害者や自殺で残された家族の想いはどれ程のものか、至らない想像でさえ胸が張り裂けそうになる。
    いじめから始まった出来事が、たくさんの人に傷を与え、人生を変えてしまう。
    事件が起きた時、世論は被害者の家族の悲しみに寄り添う...続きを読む
  • ヤーガの走る家
    ロシア民話「バーバ・ヤーガ」をモチーフにしたファンタジー。
    いっしょに暮らすバーバは死人を門から星へ還す『ヤーガ』という門の番人をしている。マリンカも将来番人になることを運命づけられている。

    意思を持っていて走って移動する家というのがまず面白い。
    自分の定められた運命に抗う強い意志を持つマリンカは...続きを読む
  • ぼくだけのぶちまけ日記
    凄惨ないじめを受けていた兄。
    それゆえ、事件を起こしてしまった兄。
    事件の加害者であり、いじめの被害者でもある兄。

    自分を責め、悲しむ家族。
    家族がわかっていること、兄はプロレスが好きで、家族が好きで、クイズ番組が好きで、優しく、弟思いだったこと。

    家族はそれを思い出し、みんなで話すことが、自分...続きを読む
  • ヤーガの走る家
    ロシア民話バーバヤーガのお話をベースにしている。主人公は12歳の女の子マリンカでお婆ちゃんのバーバと暮らしている。バーバの仕事は死んだ人をあの夜に導くことで、住んでいる家も変わっていて、足が生えていて動けるし、意志があってマリンカと遊んでくれたりする。
    マリンカは生きている人と交流できない今の状況に...続きを読む
  • ぼくだけのぶちまけ日記
    表紙の絵の少年から受ける印象とは裏腹に、かなり重いテーマを扱った物語だ。

    実際にアメリカの高校であった銃の乱射事件をきっかけに、作者が書かなければと思い至って執筆したという。

    舞台はカナダ。
    父親の猟銃を持ち出した主人公の兄ジェシーは、同級生を撃った後、自分自身も引き金を引いて自殺した。
    加害者...続きを読む
  • ヤーガの走る家
    鳥の足が生えた家に住む少女、マリンカの成長物語。
    マリンカと祖母のバーバは、この家で「死者を見送る」ことを生業としている。あの世とこの世の境目で、その門の番人として生きる少女の、葛藤と決意が描かれる。

    運命に逆らいたい、自分のことは自分で決めたい、
    という普通の少女の思いが苦しくて、感情移入すると...続きを読む
  • ぼくだけのぶちまけ日記
    コピー、ペーパーシリーズで名前をきく、スタンプブックスをはじめて手に取る。
    欧米のYA小説が今でも好物なので、またスタンプブックスを読んでいきたいと思う。

    読んですぐに、うわーやばいものを読み始めてしまった、と思った。
    自分の長男次男とほぼ雰囲気が同じだったから。
    長男はasdやADHDのわかりや...続きを読む
  • ぼくだけのぶちまけ日記
    Reluctant = しぶしぶの、いやいやながらの


    カナダはバンクーバー島の田舎町にくらしていたヘンリーの家族。
    まだ、彼は12歳のちっぽけな弟だった。

    兄さんが、自殺した。
    ある事件と共に。

    田舎町では噂がすぐに広まり、一家は嫌がらせにあい、都会へと越していく。
    その上、母さんも、父さん...続きを読む
  • ぼくだけのぶちまけ日記
    ヘンリーの兄ジェシーは、父親の猟銃で自分を執拗にいじめていたスコットを撃ち殺し、自分も同じ銃で自殺した。残された家族は、地域の人たちから嫌がらせを受け、母親は精神科に入院、ヘンリーと父親は事件が知られていない町へ引っ越した。
    ヘンリーはカウンセラーのセシルから、見せなくてもいいから日記を書くように勧...続きを読む