あらすじ
高校生のナタリーは,ドーバー海峡横断泳への挑戦を決心する.難民支援の募金活動のためだ.そのときサミーは,アフリカの独裁国家エリトリアを逃れ,命がけではるかイギリスをめざしていた.運命のいたずらが痛みを抱えたふたりを結びつける.そこに希望は生まれるのか――.カーネギー賞最終候補に選ばれた力強い詩物語.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.
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Posted by ブクログ
難民支援のため、ドーバー海峡遠泳を目指すイギリスの高校生ナタリーとエリトリアから逃れてきたサミー。赤の他人であるはずの二人の人生が交差する。
フィクションながら、難民問題の現実に胸が締め付けられる思いだった。
二人の思いが文字のフォントだけで交互に語られるため、非常に読みにくい。朗読劇には向いていると思った。
Posted by ブクログ
岩波YAシリーズ「STAMP BOOKS」の一冊。
前に読んだ『タフィー』と同じく横書きの詩形式で書かれています。キーワードを使い物語がクロスする手法に最初は戸惑いましたが、慣れると映像が目の前に浮かんできました。
難民支援のためドーバー海峡横断泳に挑むナタリーと、独裁国家エリトリアを逃れ、命がけでイギリスをめざすサミー。引き寄せ合う双子星のような二人がどうなるのか、最後まで目が離せませんでした。
ゴムボートに乗り何日も暗い海を漂う。
やっとたどり着いた収容施設の外でアルミシートにくるまれながら真っ黒な雲を見上げる。
難民の人たちの恐怖と不安は計り知れない。
もし、難民認定されなければ母国に強制送還されることもある。希望か絶望か…波のように揺れる心情が詩で見事に表現されていました。
「THE CROSSING」の日本語訳は、
「僕たちは星屑でできている」
同じ地球にサミーのような少年、少女たちがいることを忘れないで…と祈りのような思いが伝わってきました。
僕たちは星屑でできている
どんなに闇が深くなろうとも
空には星が輝いている
夜空の星を見上げよう
僕たちみんな つながっている
僕たちみんな 同じ星屑でできている
☆4.5
Posted by ブクログ
翻訳者さんの朗読会に行く機会があり、購入&一気読み。
言葉の美しさがあり 朗読でここまで 生命力に溢れて物語が届けられるんだと感動した。
難民となった少年サミーの運命と、イギリスの高校生ナタリーの運命。
絶対的な生命の危機と尊厳の破壊に接しているサミーと、相対的なじりじりゆっくりと困窮や家族の危機に追い詰められるナタリー。
常に2人の状況は クロスしながら 読者に問いかける。
それぞれの苦しみがある。
サミーだけでは辛すぎる。クロスしながら、ナタリーの物語があることで、どこか苦しみ 一辺倒にならない物語がある。
難民の物語。その背景にある戦争や、理不尽な暴力やそこからもたらされる絶望は物語 であっても。 本来であれば、読むだけで 読者としても傷ついてしまうと思う。
しかしこのストーリーは、ナタリーの物語が 寄せては返す波のように 常にサミー の物語に寄り添っていることで読んでいてどこか慰められるような気持ちになる。
物語は クロスする。サミーの話は 別の世界の遠い世界のかわいそうな人の物語ではない。
世界はクロスしていて僕たちは同じ星の星屑で、互いの苦しみは 他人事ではなく。そのことがもたらすものの力をずっと考えさせられた。
Posted by ブクログ
内容は重たいが文章が短いので億劫にならずに最後まで読める。エリトリアという国があることを初めて知った。世界には知らない問題がまだまだたくさんある。
Posted by ブクログ
イギリスの少女と難民の少年が、一つの言葉でつながる、そして交錯し離れていく。軽いタッチで描かれているけれど、情景が目に浮かぶほど。少女の生活もリアルに描かれていて、難民を受け入れる社会の実情が見て取れました。なんとかして国を出てイギリスに、と願う少年の道のりは実に苛酷。日常的にどこかでこんな場面が繰り広げられているのかと思うと胸が痛い。そんなことを思わせてくれた本作、読んで良かったです。
Posted by ブクログ
うーん。難民の話なので、楽しくはない。そして、私には読み難かった。2人の主人公、イギリス人のナタリーとアフリカのエトルリアから脱出したサミーの話が交互に描かれるのだが、構成が凝りすぎ?ていて、誰これ?これどっちの話?からスタートしてしまうため、なかなか入り込めず。そして小見出しの「⚪︎⚪︎日前」が表すゴールが、私の想像よりシビアだったので、ガッカリ。これが現実なんだろうね。
イギリス人の方がよっぽど暮らしが楽かと思いきやそうではないし、難民の人々が他国へ辿り着くまでのあまりにも壮絶な経験や、母を亡くしたナタリーと父を亡くしたサミーの肉親への思いなど、わかるんだけど、これでもかと描かれるとだんだん辛くなってきて、ため息。
印象には残る物語。世界には北朝鮮のような国がいくつも存在する事に暗澹とした。そしてそれを助けようとする人々がたくさんいる事にも感動した。どこの国にも外国人をバッシングする人々はいる事もよくわかった。