小嶋淑子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
5篇すべてが本当に優しく、温かい物語だった。
読み進めるうちに、それぞれの登場人物が少しずつリンクしていく構成がとても好きだと感じた。
一人ひとりは違う悩みや迷いを抱えているのに、図書室という場所を通して、静かにつながっていく様子が心地よく、胸がいっぱいになった。
どの物語にも派手な出来事はない。
けれど、だからこそ登場人物の気持ちが身近に感じられ、気づけば何度も涙がこぼれていた。
誰かにそっと背中を押してもらえるような、そんな優しさに満ちている。
物語を読み終えた今、私も小町さんに会いたくなっている。そして、小町さんにおすすめの本を教えていただきたいと思う。
そのとき、そっと添えられる“ -
Posted by ブクログ
この本は、読後感がとても良い一冊だった。物語の中に意地悪な登場人物が出てこないので、安心して読み進めることができる。不器用な人は多く登場するけれど、みんな素直で、与えられたきっかけを大切にしながら少しずつ変わろうとする。その結果、事態が少しずつ好転していく様子が心地よかった。
また、題名の通り「本の魅力」に改めて気づかせてくれる物語でもあった。本を読んでいると、時々現実とシンクロする瞬間があるという描写にはとても共感した。普段あまり読まない詩についても、登場人物が一つの言葉を丁寧に想像していく姿を通して、「読んでみたいな」と自然に思えたのが印象的だった。
特に心に響いたのは、「世界は信用で -
Posted by ブクログ
図書室に様々な年代、境遇の人々がふとしたタイミングで訪れて、司書さんの思いもよらない本のセレクトと可愛い羊毛フェルトの付録によって人生が再び動き出していく物語。
社会人、出産後、定年後など誰もが悩みを抱えるポイントを持つ人々が話の中心になるので、接点を持ちやすく入り込みやすかった。特に司書さんからの変わった選書と付録に疑問を持つが、変わった選書によって物事を見る角度が変化して悩み事が解決に向かっていくのがよかった。エピソードを読んでいくと、違うエピソードに出てきた同じ地域に住む登場人物が出てきて、世界はどこかで繋がっていることを感じさせるようだった。
『つながってるんですよ、みんな。ひとつ -
Posted by ブクログ
いつもそばにいる人から
勧められて本作を手に取りました。
青山さんの作品は初めてかな。
とても読みやすかったですね。
連作短編の面白さをじっくり味わえました。
どの世代の登場人物も人生の岐路に悩み、
本を通じて希望を見出していくのですが
ああ、そんな時代もあったなあとか
まさしく今の自分に当てはまってる!などと
共感することしきり。
いつもそばにいる人から
この本を勧められた理由が
なんとなくわかるような気がしてきたのは、
自身が本作を通じて
「読んだ人が自分自身に紐づけてその人だけの何かを」
得たからなんだろうなとしみじみ思っています。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ図書室のレファレンスのところにいる小町さんに本を探してもらってから人生が少しずつ回りはじめる短編集。それぞれ自分のやりたいことや、未来、子育てとか生き方とかに迷ってたりわからなくなってる人で、そんな人に本と羊毛フェルトでつくった付録が寄り添ってくれるというか、明日への活力、希望が湧いてくる作品だった。心が晴れるような、澄み渡るような、なんともいえない高揚感と少し泣きそうな不思議な気持ちになった。私は私の好きを集めていけばいいんだよね。いつかは明日になる、私次第で。人生の指針みたいな本だった。私はこの本向いてたかも。手元に置いておきたい作品だった。アンソロジー作るぞ!!