五十嵐大のレビュー一覧

  • ぼくが生きてる、ふたつの世界

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    福祉人材バンクの本棚から手にとって読んだ1冊。

    コーダ。なんのなく聞いたことあったけど、
    どんな実話なんだろうと気になって手にとった1冊。
    両親が耳が聞こえない。
    この2人から生まれて子ども。この子どもの気持ちの変化が丁寧に描かれている。
    知らず知らずに涙が出てきた。幸せってなんだろう。とも改めて考えることができた。

    コーダを理解する意味でも、世の中の多くの人に読んでほしい1冊。
    映画もみてみたい。

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    2025年11月02日
  • ぼくが生きてる、ふたつの世界

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    「コーダ」と言う言葉と、その意味は知っていたが、家族の内面まで深く切り込んだ本は初めてだった。
    ろう者同士が結ばれ、子をもうけるには大きな覚悟が要る。しかし授かった子がろう者だろうと聴者だろうと、その家族なりに幸せであるに違いない。第三者は、その家族をそっと見守るべきだ。
    皆に読んで欲しい本。

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    2025年08月05日
  • エフィラは泳ぎ出せない

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    ネタバレ

    故人を取り巻く人々はそのひとりひとりが故人を思い、案じ、何が故人にとって幸せなのかを自分なりに考えていた。
    その思いだけに着目すれば、それは愛情と表現して差し支えないものだと思う。
    ただ、自覚の有無にかかわらず彼らの取った行動はそれぞれに利己的に歪んでいて、それらの歪みの積み重ねが故人を傷つけ、苦しめた。

    一切利己的でない人間なんてこの社会では生きられないから、彼らのあり方は自分と地続きだ。
    愛情のつもりで、手助けのつもりで、選択肢を奪う。
    障害福祉に関わっていたって(勿論全く無縁でも)、この落とし穴は常に薄皮一枚隔ててすぐ隣に存在している。

    選択肢を奪われ傷ついている人に提示された自分の

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    2025年05月05日
  • ぼくが生きてる、ふたつの世界

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    同名映画の原作エッセイ
    昨年観た呉美保監督の映画が本当に良かったため手に取りました
    映画のエピソードと同じ所・違う所・描かれなかった所をそれぞれ楽しみながら、
    五十嵐さん本人の言葉で丁寧に綴られた当時の気持ちを読むことができ、
    これを踏まえて改めて映画版も見返したくなりました
    普段見えていないが身近にあるかもしれない世界に触れる事ができる、 また、それを知る事の価値について知る事ができる良いエッセイでした

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    2025年01月29日
  • エフィラは泳ぎ出せない

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    この小説はフィクションのはずなのに生々しい。
    生きていくってひとつひとつをこなしていくというより、いろんな問題が解決しないまま連なっていく感じで、この小説に終わりがないという点もリアルを感じさせるひとつの要素なのかなと思う。何が正解かもわからないまま生活は続いていく。

    この小説にはいわゆる「悪い人」は出てこない。
    それぞれの少しづつの感覚の差異がひとつの事件に発展してしまうわけなんだけど、たぶんなにかが悪いとしたら「タイミング」なんだろうなって思う。そういう感じもまた実にリアルで。

    また、子ども支援に携わる身としてもこの小説は「今」にマッチしていて秀逸と感じている。「子どもの最善の利益」に

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    2024年10月29日
  • エフィラは泳ぎ出せない

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    読んでいて胸が苦しくなったり、考えさせられた。知的障害をもつ兄が自死したことからその背景を知ることになるが、読んでいて辛くなった。誰も悪気はないけど無意識に差別したり、偏見を持ったり。よかれと思っていても当事者を傷つけることもある。
    あとがきにも「現実と地続きの物語だ」とありますが、考え続けないといけないテーマだな、と思いました。

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    2024年10月19日
  • ぼくが生きてる、ふたつの世界

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    ネタバレ

    映画を観て主人公と原作者の名前が同じことに気づき、原作となった本を購入。
    幼少期〜思春期、自分が普通の家族と違うと知り、母親を恥ずかしいと思うエピソードは胸がぎゅっと締めつけられます。大人になるにつれて、コーダの存在を知り、自分ひとりではないと知る。
    後半は母親に対する思いや後悔が綴られるが、守ってあげるのではなく「ともに生きていく」
    この本を読んで聴覚障害や、コーダについて知ることができて良かった。差別や偏見が少しでもなくなりますように。

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    2024年10月07日
  • ぼくが生きてる、ふたつの世界

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    Netflixで観た映画の原作だったので気になって読んでみた。俺の興味領域にあるコーダの話だったので、当事者の言葉を読んでみたかった。ものすごく胸を打たれる母子のシーンが二箇所あって、泣かされた。

    五十嵐氏の体験はコーダ当事者からしか語ることのできない非常に貴重なもので、そこに普通の親子関係にもある親への複雑な愛憎が混ざっていて、これを開示するには相当な勇気が必要だっただろうと評価する。

    ただ、俺の興味の中心はどちらかというと手話と音声言語の言語としての違いにあるので、その点については物足りなさを感じた。聾者の友人を助けるつもりで振る舞ったことが、逆に彼らから「できること」を奪ってしまって

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    2025年09月01日
  • ぼくが生きてる、ふたつの世界

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    昨年映画を観て、今回本屋さんで見かけたので
    手に取りました。

    コーダは、揺れるもの。
    聴こえる世界と、聴こえない世界を行き来して。
    どっちも「日常」なのに、ろう者の家族を手伝えば「えらいね」と言われたり、「あそこは障がい者のいる家だから」と揶揄されたり。
    そんな日常を行き来していた、五十嵐さんの物語。

    決して綺麗事ではない。日常を称賛されたい訳ではなくって。
    なんて言うんだろう、うまく言葉には出来ないんだけど、世界を少しだけ広げて欲しかった、そんな願いがあったのかな。
    コーダにも支援が必要、そんな言葉にハッとした。

    ぎゅーって、なりながらも、知りたかった世界。
    読めてよかったな、と思いま

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    2025年08月23日
  • 聴こえない母に訊きにいく

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    「聴こえない母に訊きにいく」 五十嵐 大 著
     

    耳が聞こえないご両親を持つ著者
    お母さんの人生をたどる物語
     

    はじめて知った
    「優生思想」「優生学」

    昔は、耳が聞こえないとかそういう人は
    子どもを産めないように
    強制的に手術されていたらしい。。。

    イノチを操作する思想
     
    それが愛の名の下に行われていたという、、、

    言葉にならなかった

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    2025年08月01日
  • エフィラは泳ぎ出せない

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    ネタバレ

    知的障害者の聡ときょうだい児の衛。上京して7年ぶりの家族からの連絡は兄の訃報…

    登場人物みなエゴや欲ばかりの人でした。罪は大小あれど組み合わさってはいけない歯車が噛み合ってしまった。兄は妙子は描かないが皐月は描いていた。でも皐月は家族をくれる人であって女性として愛していたわけではなさそう…この結末だとそれが救いなのだけど

    周りに疎まれた聡は無償の愛を注げる対象が欲しかったのだろうか…
    そして衛は兄と仲良しだったのに、兄の精神年齢を超えてしまい、周りに同調しなければ自分を守れなくなり、そして上京して自由になれたときの解放感。兄を後ろめたく思いながら生きるよりも、きっとよかった。でもお兄ちゃん

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    2025年07月18日
  • ぼくが生きてる、ふたつの世界

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    母の愛。

    上京した日を覚えているよ。
    ワクワク感が強かった。

    今は送る側の、気持ちだよ。

    子どもには逞しく羽ばたいてほしい。

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    2025年05月31日
  • エフィラは泳ぎ出せない

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    障害を持つ家族と共に生きるという事のリアリティを感じる一作でした。

    東京でフリーライターをしている小野寺の元に
    知的障害のある兄の自殺の知らせが届く。
    故郷は震災を受けた松島。

    第一章で、兄と故郷を追懐し
    第二章で、父親の悔恨を
    第3章で、早逝した母親に代わり世話をした叔母    の渇望を
    第4章で、幼馴染みの母親の身勝手な欺騙を
    第5章で、わからなかった兄の気持ちを知った弟の慟哭を
    兄に関わった人達を訪ね、死の真実を捜す

    本格的ミステリーではありません。
    兄と生活を共にした人達の過去をたどる心理描写と暴かれる秘密がミステリアスです。
    障害を持つ家族を描く、という難しいテーマとなりますが

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    2025年05月10日
  • ぼくが生きてる、ふたつの世界

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    旧題、ろうの両親から生まれたぼくが聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して考えた30のこと。
    こちらの本を元に製作された映画がとても素晴らしく、原作があると知り、手に取った。

    CODA:Children of Deff Adluts…「聴こえない親の元で育った、聴こえる子どもたち」。
    映画やドラマで、昨年くらいからよく目にするようになった言葉だ。

    主人公-CODAである筆者・五十嵐大さんの苦悩と葛藤は、件の映画でも十分に伝わってくるけれど、こちらではより詳細に背景や感情が綴られている。

    もっと深いコミュニケーションが出来るよう、小学校で手話クラブを作ったこと。
    進路相談や高校受験の孤独な

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    2025年04月14日
  • ぼくが生きてる、ふたつの世界

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    良い本を読んだな。
    読みやすいし、コーダの苦悩がとても感じられる。
    私は聴者なので、その苦悩や気持ちの揺れなど理解は出来ないが想像するだけで胸が締め付けられる気がする。
    大好きな母親なのに、一方で恥と感じたりしてしまうのは当たり前のことだよなと。
    そしてお母さん素敵な方だな

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    2025年03月26日
  • 隣の聞き取れないひと APD/LiDをめぐる聴き取りの記録

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    自分のことではないかと思って買った本。
    聴力に問題はないのに言葉がわからないという症状があると聞いてから、それにまつわる本がないか探していた。

    読んだ結果、自分のことではないかと思った。
    仕事や人間関係で深刻なことになったことはたぶんまだないけど。

    この本はAPDのことを広く知ってもらうこと、もう一つはもっと広げて自分にはわからない障壁を持つ人たちのことを想像することについて書かれていて、それを書いたのが専門職の人ではないというところがよかった。

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    2025年02月05日
  • ぼくが生きてる、ふたつの世界

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    コーダ、について知ることが出来た一冊。また障害のある親を持つ子どもの、本当の気持ち、を素直に正直に、まっすぐと書かれていて心を打たれた。

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    2025年01月12日
  • 隣の聞き取れないひと APD/LiDをめぐる聴き取りの記録

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    APD当事者のインタビューから引用
    ― むしろ、APDではないと言われることの不安のほうが大きかったんです。(中略)だから診断された直後は、APDというカテゴリーに自分が入ることに安心したくらいです。

    APDの診断を受けるために病院に行くのは聞き取りにくさで迷惑をかけてきたこと、今後もかけることを「APDだから仕方ない」と赦された気になりたいという不純な動機なんじゃないか、また、しっかり検査することでAPDではないと診断される可能性もあり、それを怖いと思っている自分に嫌悪感がありましたが、そんな風に思っていてもいいんだと背中を押されました。

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    2024年12月21日
  • ぼくが生きてる、ふたつの世界

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    何度も泣いた。
    20代の時、手話教室に一時通っていた時があってその時の先生が聾唖の方で奥様も。
    一人娘さんがいてまだ小学生だったかな、その子は聴者で。
    まさにコーダの世界を生きていたんだね。
    著者がおかあさんのことが大好きだからこそ、世間から傷つけられたくないと、パートに出ようとした母親を無理に決まってると反対してやめさせたこと、すごくわかる。
    でもそのことがずっと心にひっかかってて大人になってちゃんと謝れたこと、そしてこのおかあさんが素晴らしい人格者で、このおかあさん無償の愛に心を打たれっぱなしだったよ。
    コーダとして生まれたことを嘆いた時もあったけど、今はほとんどのコーダはその両親から生れ

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    2024年11月17日
  • ぼくが生きてる、ふたつの世界

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    映画が気になり鑑賞してみて、あまりにも心が揺さぶられて感動したので、衝動で本書を手に取りました。
    映画の内容とは多少は違うところはあったものの、本書はまた違った良さがありました。
    今回の映画や本書を機に「CODA」という「聴覚障害者のもとに生まれた聞こえる子どもたちのこと」を指す言葉も初めて知りました。なので、もしかしたらこれまで私が無知故に知らず知らずのうちに彼らを傷つけてしまっていたのではないかと思い、ものすごく内省しました。できれば、彼らのような存在が実際にいること、様々な苦労をされていることを周りの人に発信して、微力ながら貢献していけたらいいなと思います。
    私は障害を持つ人が身近にいた

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    2024年10月26日