伊豆見香苗のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
★5 密室、予告状、見立て殺人。しかしどれも微妙すぎる現場で… #大雑把かつあやふやな怪盗の予告状
人を小馬鹿にしたような、一風変わった条件が提示される本格ミステリー短編集。
しかしポップな装画や冗談のようなタイトルだと思って舐めていると、丁寧で重厚な論理にびっくりさせられる作品です。
まずテーマひとつひとつが魅力的すぎる。
密室、予告状、見立て殺人… しかし内容を読んでみると、どれも中途半端というか、未完成なんです。なんでなの…?
もちろんそこには理由があるんですが、雑っぽいところをフックに楽しく読ませてくれる。推理はすべての可能性をあげた上で、ありえない事象は排除していくという、めっ -
Posted by ブクログ
ネタバレ今年2月に刊行された、倉知淳さんの最新刊である。昨年10月、今年2月、そして今年6月にも新刊が予定されており、なかなかのハイペースではないか。何だか長ったらしいタイトル。探偵役も、乙姫警部とは違う意味で癖が強い。
難関の試験を通過して警察庁に入庁した、本作の語り部・木島。入庁早々に、彼は「警察庁特殊例外事案専従捜査課」の「随伴官」に任ぜられる。要するに、本格ミステリのように名探偵に登場願う事件で、名探偵に付き添えという。警察庁の看板で円滑に進むように。というのが短い「file 0」で、さっさと本題に入る。
file 1、「古典的にして中途半端な密室」。古い邸宅内の書斎で、主人が殺害さ -
Posted by ブクログ
YOASOBIの曲『ハルカ』をYouTubeのMVで知り、観て聴いて、気づいたら何度もリピートしていました。涙がとまらないくらい、優しい絵と音楽で、このお話を作られた鈴木おさむさんと可愛く愛おしいタッチな絵を描かれた伊豆見香苗さん、そして何よりこの作品に出逢わせてくれたYOASOBIの方々に感謝の思いで溢れました。
こんなにもシンプルに、純粋に、王道的に。短い話の中で人間という人生を、人との愛だけでなく、モノ(コップ)に対する愛と、モノから人に対する愛を描かれていて、疲れ切った現実世界に対して、ちょっと一呼吸落ち着かせてくれる──そんな作品に思えます。
私はサン=テグジュペリの『星の王子様』が -
ネタバレ 購入済み
泣ける
YOASOBIさんの「ハルカ」を聞いて気になり購入
曲の方も涙ものでしたが、本の方がもっと深く掘り下げられていて、さらに感動しました。
ハルカママ…割れたコップは金継ぎとかしたらまた使えるから!!!捨てないでぇぇぇぇぇ😭
ずっとずっと大切に使ってくれええ😭 -
Posted by ブクログ
念願の警察庁に入庁し、現場で汗を流さずデスクワークに邁進したかった木島は、なぜか入庁直後に警察庁特殊例外事案専従捜査課に配属される。なんのことはない、民間の推理力に長けた探偵を現場に随伴させる役目。そして、三ヶ月に一回くらい、変な事件が起こって探偵と現場へ。3つの事件も、三人出てくる探偵もすべてガバガバしてます。あ、でも謎解きはしっかりして…ます。密室と予告状ありの怪盗と見立て殺人。コナンの謎解き場面だけぎゅっと集めた感じのお話です。木島も異動できなかったし、シリーズ化するのかな?
殺人のグロい表現や動機に大人の事情あったりするので、中学生以上かと思います。 -
Posted by ブクログ
倉知さんだわー。
当たり前でない事件の解決のために探偵を雇用するための部署ができるとは。
で、新人警官木島くんが、探偵の付き添い役随判官に任命されてしまう。
登場する探偵が3名とも個性的すぎる。
しょっぱなの勒恩寺からして、もう、どんだけぶっとんでるんだ。そして、古典的な密室への思い入れの強さときたら。ああいう探偵さん、大好きだわー。
振り回される木島くんはお気の毒だけど、ごめん、笑ってしまう。
表題作でもある、あやふやな予告状問題も、ああいう展開は実に私好み。
公務員探偵も腹黒少年もユニークで、いい。
ぜひシリーズ化して、今後も登場してほしい。 -
-
Posted by ブクログ
ネタバレ「この王子さまが一緒に頑張ってくれたから受かったんだよ」
あの時さ、嬉しかったよ。
泣きそうだったよ。
でもせっかくのリンゴジュースが
薄まらないように
涙をこらえたんだよ。
「遥、おめでとう!」
って言って、
僕を持つ遥の親指を抱きしめていたよ。
ヒロキ、頼んだぞ。
これからママの横でママのことを守ってやるんだ。
一緒に笑って、一緒に泣いて、
一緒に怒って、また、一緒に笑って。
僕の代わりにママのことを
ずっとずっとずっと
守ってあげてくれよな。
月の王子さまが遥を見守る、応援する言葉が暖かくて優しい
色使いで気持ちの移り変わりがわかりやすいな。「、」の使い方でゆっくりじっくり読