辻山良雄のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
幻冬舎のWEB連載をまとめた本。
荻窪の街道沿いにある書店Titleは気になっている場所。
レトロな看板建築と落ち着いた色合いが街に馴染んで、
車で通りすぎるばかりで行ったことはない。
小さな店舗はきっと店主の人柄がにじむ作りになってるだろう。
一章が短く、静かな文体で店の日常が書かれている。読んでいて落ち着く。
ネットで便利に買う本は、今に接続し今を肯定するばかりでさみしくはないか。
店で目に留まってつい買うという、いつか芽を出す可能性に水をやる行為の大事さ。
コロナ禍で、情報をネットやテレビではなく、本に求める人が、
必要とするのは心を鎮める言葉。