辻山良雄のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
東京・荻窪の新刊書店「Title」店主である辻山良雄さんの本屋を巡る旅の記録。スタジオジブリ発行の雑誌『熱風』に、2023.1〜2024.2月に不定期連載された「日本の『地の塩』をめぐる旅」が元になっているようです。ジブリもなかなか攻めてますね。
そもそも"ジブリ"って、サハラ砂漠に吹く熱風の意だとか、へぇ〜知らなかったなぁ…。
掛川(静岡)→那覇→水無瀬(大阪)→京都→名古屋→上田(長野)→鳥取→新潟と、8カ所9人(一組夫婦)に辻山さんを入れた10人が、本屋としての生き方や働き方を思う存分語り合っています。
まさにタイトル通り、彼ら彼女らは(よい意味で)愚直で偏屈、こだわりがあって面倒臭い、けれどもしなり強くて人間臭く、皆愛すべき心意気をもっていました。
Title以外は知りませんでしたが、全国見渡すとこんなに「長い物には巻かれない」人たちがいるのだと元気が出ます。敬意を表したいです。
大変なことがあっても、地域に根差して人とつながり、かつ自分らしく生きることの素晴らしさを教えてくれます。やはり書店という「一隅を照らす〈灯り〉」を消してはならないと強く思います。
独立系書店は、日本社会に新しく生まれた「庭」かもしれない。外に開かれゆるやかにつながっている。しかもよく「手入れ」が行き届き、居心地のいいカフェのよう‥という新聞コラムもありました。
個人が抱える経費・労力などの課題に対して、当事者意識をもって共改善や"手入れ"をする方法は、まだまだ工夫の余地がある気がします。 -
Posted by ブクログ
昔、新卒で入った会社を六年で辞めようと思ったとき、本屋に勤めたいとは思ったが本屋をやりたいとは思えなかった。それからはや約30年、自分にとって本屋は、自分に返らせてくれる場所なあんてカッコいいことは言えないが、あいも変わらず落ち着いていられる場所ではあるが、やろうと思える場所ではなかったなあ。いや、やろうと思わなかっただけだから、これから本気で考えたらできるんじゃないのかな、なんていうことを、この本を読んでいる間考えていた。
でもな、ここで訪ねた九人の本屋は、恐らくみんな坪数の少ないお店ばかりだろうから、自分がそういうところ行くのが苦手なのに、自分がやれるとはやっぱ思えないな…
でも、兎にも角にもこの人たちのことは本当に羨ましい限りなんだよな… -
Posted by ブクログ
ストーリー性がメインの小説ばかりではなく、たまにはまったりとエッセイもいい。肩肘張らずにリラックスして読めた。
本書は荻窪にある新刊書店「Title」の店主辻山さんのエッセイ。辻山さんは大手書店勤務ののち独立し、荻窪にお店を構えられた。
長く書店に携わってこられた方だけに、著者の書店に対する矜持が凄く感じられた。
「一冊ずつ手がかけられた書棚には光が宿る。それは本に託した、われわれ自身の小さな声だ。ただ本を売ることは誰にでもできるかもしれないが、書棚に光を宿すのは、思いの詰まった仕事にしかできないことかもしれない」
書店として在るべき理想の姿を、日々模索されている。本当に並々ならぬ思いで、仕事と向き合っているんだなって思った。
荻窪か。二十数年前、新宿に住んでて学生をやってた頃、電車で毎日通過してたな。当時こんな素敵な書店があったなら何度も寄り道しただろうに、と懐かしさと共に少しもどかしい気持ちになった。