アーサー C クラークのレビュー一覧
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Eテレの「100分de名著」のアーサー・C・クラークの1回目「太陽系最後の日」を見て、とても面白そうと思い読んでみた。全部で9の短編と1つのエッセイがおさめられている。どれもおもしろくて、未知の未来の状況を垣間見るわくわく感に、ひさびさに浸った。小松左京の短編を読むおもしろさ、10代後半の新鮮な感情に戻ったようだった。
・「太陽系最後の日」(1946) 太陽の新星爆発が迫り、大宇宙の貴族を任じてきたアルヴェロン一族は、地球を救うべく地球に向かうがそこには荒廃した都市と自然があるのみだった。帰途に就くと遥か彼方に無数の宇宙船団を発見する。荒廃した地球を目の当たりに見てきたアルヴェロンはその船団 -
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ザ・ベスト・オブ・アーサー・C・クラークの第2弾は、解説の言葉を借りるならば「宇宙飛行の啓蒙的色彩が強い」作品が並びます。全16篇収録。
月面で働く父親のもとへ休暇に訪れたダフネが星々探求の大志を抱く「月面の休暇」や宇宙開発におけるさまざまなドラマが連作となった「月に賭ける」とその姉妹作「天の向こう側」は、そういった宇宙飛行の啓蒙的色彩が強く、とても惹きつけられる作品でした。
上述の作品は、宇宙空間での生活や宇宙開発の側面から、宇宙の魅力を存分に発揮しておりますが、それとは少し異なり、フロンティアを開拓する探究心や広大な宇宙に存在する未知なるものへの魅惑を感じる作品もちらほら。本書では「前哨 -
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<ザ・ベスト・オブ・アーサー・C・クラーク>第一巻は、1946年から51年にかけて発表された小説9編を収録。いわゆる初期傑作集となっているようです。初期といえど、第一級の作品として誉れ高い表題作や「幼年期の終り」の原型短編「守護天使」など傑作揃い。
ちょうど一年ぶりのクラーク本です。以前読んだ「白鹿亭綺譚」がアイデア一辺倒の作品でして、本書では、そういった純然たるSFの典型である「かくれんぼ」がかなり面白い。こういった作品を読めるのがクラークの魅力のひとつですね。
クラークの魅力のもうひとつは、特有の未来視です。これまで読んできた「幼年期の終り」や「2001年宇宙の旅」、「都市と星」に見ら -
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SF短編集。巨匠アーサー・C・クラークの傑作集その3です。
中~後期の作品を集めた巻だけあって安定感はばっちり。ちょっとやそっとの想像じゃ追いつかない宇宙の壮大さを垣間見られるお話、逆にすぐ手の届くところに宇宙がある時代を感じられるお話、とどっちをとっても見事な出来映え……なのはいつも通りですが。笑
ただこの巻はSFにあまり絡まないエッセイやなんかの分量が多めで、そのへんへの興味が薄いとちょっと水増し感があるかも。
編集後記に「小咄めいた小品は省いてエッセイを入れた」ってあるんだけど、そういうSF掌編をこよなく愛する身としてはだいぶ納得いかないです。
そんなこんなで「SF短編集」としては星1つ -
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ザ・ベスト・オブ・アーサー・C・クラーク最終巻。前の2巻に収められているものよりも更に短めの話が集められた短編集で、小話的なものが中心ですが、なかなか印象深い。「憎悪」:グレートバリア近くの海に墜落したソ連の宇宙船を、真珠とりのハンガリー人が見つけたことから生まれる復讐の物語。ダイビングにも熱中していた作者だけあって、活き活きとした水中シーンとソ連軍の占領下ではぐくまれた憎悪の念の対比が印象的。「ドッグ・スター」:犬がからむ、泣かせるエピソード。最近、家にも犬がやってきましたが、なかなかあの瞳で見つめられると弱い。「太陽からの風」:太陽風を受けて進むヨットでの月までのレースを描く。数Kmにおよ
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昨年からやたらとクラークを読んでいる気が・・・いや、これまであまり読んでなかったってだけなんですけどねヽ( ´ー`)ノ
表題作「太陽系最後の日」は、SF史上に燦然と輝く巨匠クラーク初期の代表作です。太陽の大爆発を目前にして滅びつつある太陽系に急遽派遣された異星人の救助チームが目の当たりにした、人類の取った行動とは・・・鴨も若い頃に一度何かの短編集で読んだことがあります。人類の無限の可能性とバイタリティを表現した、力強い傑作です。と、紹介したいところなんですが・・・この歳で読み返すと、「幼年期の終わり」同様に受けるイメージが全く異なるんですね。手放しの人類讃歌にそこはかとない違和感を覚えるんです -
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長編に比べるとクラークの短編ってつまらないという印象がありましたが、新訳のこのベスト・シリーズは何だが印象が全く違います。訳文でこんなにも変わるんですね〜。科学的事実を積み上げてここまで詩的に表現できる人が他にいるだろうか?いわゆるオチのある話より、オチもなんにもないオープンエンドの話の方が著者の特色を発揮しているように思えます。オープンのスケールがとてつもなく大きく想像力を刺激します。また、宇宙の中の孤独や不安を描く時にも突き放すわけではなく、哀しいような切なくなる表現をつかんうだよなぁ。長編の原型となった「遥かなる地球の歌」が良い。植民地となった星にさらに彼方へ向かう恒星船が修理のために立
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クラークさんは昨年亡くなっていますが、発表順に再編した短編集が最近でました。表題にもなっているデビュー作「太陽系最後の日」が最高。超新星化する太陽から人類を救おうと、銀河種族混成チームが地球にやってきますが・・・最後の一行で人類の苦い一面と可能性を見事に表現しているのではないでしょうか。その他、「幼年期の終わり」の原型となっている「守護天使」、「銀河帝国の崩壊」の原型である「海にいたる道」など納められており、面白さにばらつきはあるものの、若いクラークって感じで好ましく★は甘めになりました。真正面から宇宙を舞台にした作品群は夏の夜にぴったり!
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SFはこんなくらいがちょうどいい世界の謎を愉しみやすい▷再読の作品もあるが、懐かしさで読んでみた。意外にもののとらえかたの基盤になってくれていたのかも。▷表題作だけは概ね覚えてたのはそれだけ印象的やったから。▷未来世界に真空管や缶詰を見出すと滑稽に感じるかもしれないが、AIの発達により人間のすることがなくなるとか、都市に居住する必要がなくなり理想の田舎暮らしをするようになるとか、意志と自意識のあるロボットとかはまだ新しい。
■心覚えのための簡単なメモ
【太陽系最後の日】新星化しようとしているある恒星系の第三惑星に知的生命が存在することがわかったので宇宙の守護者たちが少しでも救えないかと急行 -
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どれも面白かった。
著者の他の小説への影響、繋がりを感じさせるものばかりでザ・SFといった短編集で良かった。
「コマーレのライオン」は「都市と星」っぽいユートピア×ロボットで冒険要素もありで好みだった。
「破断の限界」もシンプル且つミステリーチックでキャラクター模様が面白い。
「時の矢」もキャラクターが魅力的で、オチは星新一っぽくて個人的には好きなタイプの作品。
1番良かったのは「海にいたる道」。
描写が美しくて読ませてくるし、メッセージ性も強くて良い。前半ちょっと助長気味?とは思いつつ、後半の主人公が旅をする描写は終始素晴らしかった。SF具合も絶妙だし情景がありありと浮かんでくる上に、それら