あらすじ
〔ザ・ベスト・オブ・アーサー・C・クラーク3/ネビュラ賞受賞〕人類初の木星探査に気球で挑むハワードの冒険を描いてネビュラ賞を受賞した表題作、電磁加速ランチャーで月面から地球に帰還しようとして事故に遭ったレイランドの顛末を物語る「メイルシュトレームⅡ」など中短篇、エッセイ四篇、年譜を収録。
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Posted by ブクログ
SF。短編集。
エッセイは興味ないのでスルー。
短編のテーマは"太陽系めぐり"とのこと。
SF短編のお手本というような、本格的でかつ分かりやすい、良作揃い。
「メイルシュトレームII」「太陽からの風」「地球太陽面通過」「メデューサとの出会い」など、情景描写が印象的な作品が多い。
特に「メイルシュトレームII」の主人公の体験は非常に刺激的。傑作。
この一冊の中では雰囲気の違う「憎悪」も個人的には好きな作品。
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表題作が一番面白い!月、火星と生命の存在は否定されてきたが、木星はどうなのだろうか?我々の想像を超える世界に生命がいるとしたら、それはどんな生物なのだろうか?夢は尽きない。
表題作の他だと、日系人がソロバンで軌道計算する(そんなバカな)という話が印象に残った。
Posted by ブクログ
宇宙メイン、あとは海、山
こういう世界が待ってますというのが精緻に描かれている。説得力のお手本みたいな本
話の筋は、宇宙で事故が起こって危機からの生還、というパターン。正直ワンパターン。
だけど、舞台、事故にバリエーションがある。そしてバリエーションに説得力を持たせて各話違うものにしている
メデューサとの出会いは、クラークにしかかけない風景。最後の仲介者というのは唐突だが。
人物に人間的厚さを感じない話が多いが、「憎悪」はクラークってこんな話も書けるのかー、とクラーク自身についても新発見。悪意にぞくりとくる
Posted by ブクログ
SF短編集。巨匠アーサー・C・クラークの傑作集その3です。
中~後期の作品を集めた巻だけあって安定感はばっちり。ちょっとやそっとの想像じゃ追いつかない宇宙の壮大さを垣間見られるお話、逆にすぐ手の届くところに宇宙がある時代を感じられるお話、とどっちをとっても見事な出来映え……なのはいつも通りですが。笑
ただこの巻はSFにあまり絡まないエッセイやなんかの分量が多めで、そのへんへの興味が薄いとちょっと水増し感があるかも。
編集後記に「小咄めいた小品は省いてエッセイを入れた」ってあるんだけど、そういうSF掌編をこよなく愛する身としてはだいぶ納得いかないです。
そんなこんなで「SF短編集」としては星1つマイナス。でも収録作それぞれのクオリティは間違いなく一級品だよ!
Posted by ブクログ
ザ・ベスト・オブ・アーサー・C・クラーク最終巻。前の2巻に収められているものよりも更に短めの話が集められた短編集で、小話的なものが中心ですが、なかなか印象深い。「憎悪」:グレートバリア近くの海に墜落したソ連の宇宙船を、真珠とりのハンガリー人が見つけたことから生まれる復讐の物語。ダイビングにも熱中していた作者だけあって、活き活きとした水中シーンとソ連軍の占領下ではぐくまれた憎悪の念の対比が印象的。「ドッグ・スター」:犬がからむ、泣かせるエピソード。最近、家にも犬がやってきましたが、なかなかあの瞳で見つめられると弱い。「太陽からの風」:太陽風を受けて進むヨットでの月までのレースを描く。数Kmにおよぶ帆を操る難しさ等リアル。「メデューサとの出会い」:飛行船のパイロットが、その技量を活かして木星探査船のパイロットに。迫真の木星内の描写と、そこで出会う生物。それだけではなく、長編にしてほしいテーマが詰まっております。もはや叶わぬこととなってしまいましたが。その他、スリランカでのダイビング・エッセイ「グレート・リーフ」等もあり、SF好きダイバーにはうれしい1冊。天気もいいので思わず海に持って行って波の音を聞きながら読みました。