【感想・ネタバレ】太陽系最後の日のレビュー

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Posted by ブクログ 2022年03月02日

ハヤカワ文庫収蔵の短編集、その第一巻。他の2巻よりも印象に残る短編がちりばめられている。「守護天使」は「幼年期の終わり」の原型になった短編。「太陽系最後の日」「地中の火」はショートショートのようなシニカルさが、「コマーレのライオン」はいまはやりのメタバースの未来を描くような設定。一読の価値あり。

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Posted by ブクログ 2020年09月09日

Eテレの「100分de名著」のアーサー・C・クラークの1回目「太陽系最後の日」を見て、とても面白そうと思い読んでみた。全部で9の短編と1つのエッセイがおさめられている。どれもおもしろくて、未知の未来の状況を垣間見るわくわく感に、ひさびさに浸った。小松左京の短編を読むおもしろさ、10代後半の新鮮な感情...続きを読むに戻ったようだった。

・「太陽系最後の日」(1946) 太陽の新星爆発が迫り、大宇宙の貴族を任じてきたアルヴェロン一族は、地球を救うべく地球に向かうがそこには荒廃した都市と自然があるのみだった。帰途に就くと遥か彼方に無数の宇宙船団を発見する。荒廃した地球を目の当たりに見てきたアルヴェロンはその船団が、自分たちの脅威になるだろうと予感する。 救出団には触手があったり、形が無かったりいろいろな星人の姿がさりげなく描かれている。宇宙はいずれ意識体だけになるだろう、と予言した星人の思想も書いている。

・「守護天使」(1950) 「幼年期の終わり」の原型になった短編。「幼年期の終わり」の前半部分が描かれている。地球の20大都市の上に何の前触れもなく宇宙船が滞空し、地球は「地球監督官」によって「監督」される状態になった。世界は一つとなり、戦争も無くなった。その「監督官」の姿とは・・

・「地中の火」(1947) 地球の地中深く探るレーダーを作ったハンコック教授。はるか地底に人工物が・・

・「歴史のひとこま」(1949) 金星からの宇宙船が地球に到着した。その乗組員は爬虫類だったが、出迎える人類は誰もいなかった。が、テープが見つかりそこには一つの穴があり閉じたりしまったりしていたがどんな状況でも立ち上がる。その解析には永い間かかるだろうと言われた。最後に出てきた文字は「ウォルト・ディズニー制作」

・「コマーレのライオン」(1949) 26世紀末、文明はほとんど機械化され、惑星間飛行は日常となったが、リチャード・ペイトン3世はなにか充ち足りないものを感じ、禁を犯し曾祖父が作ったという芸術の町「コマーレ」に行くが・・

・「かくれんぼ」(1949) 敵の宇宙巡洋艦から逃げているスパイ

・「破断の限界」(1949) 二人乗りの宇宙船に隕石がぶつかり、二人でいては酸素が足りなくなる事態に。のんびり屋と几帳面と表面的には対照的な二人。さて・・

・「時の矢」(1950) 発掘作業をしている考古学者。すぐ近くに別な研究施設がありそこではタイムマシンを研究しているのがわかり作動してみる話がまとまる。。発掘は巨大な恐竜の足跡を掘りあて、その足跡は次第に歩幅が大きくなり獲物にとびかかろうとしていた。が、足跡のそばにジグザグのタイヤ模様を見つける。と同時に研究所が吹き飛ぶ音が聞こえる。

・「海にいたる道」(1950) 未来の地球。月との間を宇宙艇が飛行し、食料合成機が食事を準備する時代でも、人々は牧歌的な生活をしていた。ある日一人の若者ブラントが、海岸沿いにある見捨てられた都市「シャスター」に行くことにした。彼は飛翔艇を使わずに、馬に荷物を積んで徒歩で向かった。何日もかけて彼はシャスターに到着した。そこに大型宇宙船が来て、見知らぬ人間たちが降りてきた。

2009.5.25発行 2020.2.15第3刷

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Posted by ブクログ 2014年03月28日

<ザ・ベスト・オブ・アーサー・C・クラーク>第一巻は、1946年から51年にかけて発表された小説9編を収録。いわゆる初期傑作集となっているようです。初期といえど、第一級の作品として誉れ高い表題作や「幼年期の終り」の原型短編「守護天使」など傑作揃い。

ちょうど一年ぶりのクラーク本です。以前読んだ「白...続きを読む鹿亭綺譚」がアイデア一辺倒の作品でして、本書では、そういった純然たるSFの典型である「かくれんぼ」がかなり面白い。こういった作品を読めるのがクラークの魅力のひとつですね。

クラークの魅力のもうひとつは、特有の未来視です。これまで読んできた「幼年期の終り」や「2001年宇宙の旅」、「都市と星」に見られる未来視=ヴィジョンは、初期の作品でも健在。個人的に、クラークのヴィジョンは、不安を駆り立てられたまま投げっぱなしにされる印象が強く、とても冷酷です。本書表題作なんて、その片鱗を垣間見たようで、読後は寒気がしました。
冷酷というのは、言葉をかえれば現実視かもしれません。作品で描かれる華々しい未来の姿は、諸手を挙げて賛美されるものではなく、「本当にそれでいいのか」、「実際のところ、どうなんだろう」といった疑問が投げかけられます。こういった現実的な目線での批評が、ヴィジョンに程よく差し込まれることで、果てしない不安をうむのでしょう。
「海にいたる道」は、そんな未来視と現実視がひとりの若者の葛藤に描かれます。ところで、本作ではクラークの科学者としての残酷さが伺えます。常に発展をし続ける科学の歴史からすれば、「不変を許さない社会システム」はその信念どおりなのでしょうけれど、個人的には戦々恐々です。

さて、一年ぶりに読んだクラーク本は、やっぱり面白い!なんだか正統派SFを読んでいる感じでした。

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Posted by ブクログ 2012年06月23日

太陽系最後の日は、前哨、2001年のビーコン残した側の話で、ザ・クラークという話。面白いなぁ

海に至る道は、晩年の作品っぽい
久しぶりです、ずいぶん待ちましたよ、という挨拶は気がきいている

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Posted by ブクログ 2011年06月03日

SF短編集。巨匠アーサー・C・クラークの傑作集だけあって粒ぞろいの名作たち……と思いきや作風が思いの外幅広く、良く言えば「よりどりみどり」悪く言えば「当たり外れが大きい」って印象です。
わたしはアイディア勝負のからっとした作風が好きなので「地中の火」「かくれんぼ」「時の矢」が大当たりでした。
「幼年...続きを読む期の終り」を読んだことがなければリメイク前の「守護天使」も素晴らしい評価になりそう。
1冊で平均すると星4つ、だけどお気に入りを見つけるために読む価値はありありです。

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Posted by ブクログ 2010年04月12日

昨年からやたらとクラークを読んでいる気が・・・いや、これまであまり読んでなかったってだけなんですけどねヽ( ´ー`)ノ
表題作「太陽系最後の日」は、SF史上に燦然と輝く巨匠クラーク初期の代表作です。太陽の大爆発を目前にして滅びつつある太陽系に急遽派遣された異星人の救助チームが目の当たりにした、人類の...続きを読む取った行動とは・・・鴨も若い頃に一度何かの短編集で読んだことがあります。人類の無限の可能性とバイタリティを表現した、力強い傑作です。と、紹介したいところなんですが・・・この歳で読み返すと、「幼年期の終わり」同様に受けるイメージが全く異なるんですね。手放しの人類讃歌にそこはかとない違和感を覚えるんですよ。まぁ、これも古き良きSFの典型例と言っていえないことはないかとヽ( ´ー`)ノ

この短編集は、クラークの作品の中でも最初期のものを中心に編集されています。そのせいか、まだまだ荒削りで小説としての完成度は今ひとつの作品もあります。が、如何にもクラークらしい人類そのものを主人公に据えた巨視的なスケール感は既に健在で、決してハッピーエンドだけではない突き放したような視点も感じられます。今読むとちょっと物足りないところもありますが、後に巨匠と呼ばれるようになる片鱗は十分感じられますよね。
他にも「ベスト・オブ・アーサー・C・クラーク」と銘打たれた短編集が刊行されているので、機会があったら読んでみたいと思います。

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Posted by ブクログ 2011年07月15日

クラークさんは昨年亡くなっていますが、発表順に再編した短編集が最近でました。表題にもなっているデビュー作「太陽系最後の日」が最高。超新星化する太陽から人類を救おうと、銀河種族混成チームが地球にやってきますが・・・最後の一行で人類の苦い一面と可能性を見事に表現しているのではないでしょうか。その他、「幼...続きを読む年期の終わり」の原型となっている「守護天使」、「銀河帝国の崩壊」の原型である「海にいたる道」など納められており、面白さにばらつきはあるものの、若いクラークって感じで好ましく★は甘めになりました。真正面から宇宙を舞台にした作品群は夏の夜にぴったり!

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Posted by ブクログ 2022年12月01日

初めて読んだ。これが昔に書かれたものとは思えない。個人的には、戦艦vs人間のかくれんぼ、が面白かった。

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Posted by ブクログ 2020年03月07日

異星人視点での人類の立ち位置が描かれていて想像力が掻き立てられます。表題作「太陽系最後の日」と「守護天使」(後の「幼年期の終り」)面白いです。

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Posted by ブクログ 2014年03月09日

2009年5月25日 初、カバスレ、帯なし
日本版オリジナル短編集
2014年3月8日 伊勢BF

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Posted by ブクログ 2012年03月04日

SF読んだの久しぶり。二年前に買ったまま放置してた。クラーク氏死後に再編された短編集。冒頭の「太陽系最後の日」がやはり一番面白い。

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