内村理奈のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
名画の中に描かれた60のドレスと服飾について、
その由来や時代的背景、意味などを解き明かす。
50音順に服飾用語を並べ、各4ページに作品と拡大、文章で構成。
時代は、主に18~19世紀の西洋。その時代のドレスと服飾、
靴やアクセサリーなどに焦点を当て、細部を拡大し、解説。
名称では知っていても、実際どういう姿なのか分からなかった
服飾用語が数多く、それらを拡大して見せたおかげで、
はっきりと理解することが出来ました。
また、由来や意味、歴史的背景や生活、風俗などをも
分かり易い文章と視点で説明しています。
中世に針で編まれていたものがあった、靴下の歴史。
生の花飾りが萎れないように、小さな水 -
Posted by ブクログ
60の服飾用語に対し、それぞれ一枚の絵とその拡大図がカラーで載っている(主に17〜19世紀)
この本を読むと、男性もとってもお洒落だったんだなと感じる。可愛らしいくるみボタンをつけたり、首にチョーカー巻いたり、お花柄を着たり、、、男性が黒い服で身を包むようになったのはせいぜい19世紀からだそう。もっと男性もお洒落するようになれば、街は華やかで美しくなるのに!
面白いと思ったのは、西洋では長らく女性の髪に性的な意味合いが付せられていたために、女性たちは髪を必ず結い上げたり、帽子をかぶっていたこと。そうしなければ道徳的に問題があると見做されていた。対して日本は長髪は平安時代から理想とされてき -
Posted by ブクログ
ネタバレ名画から観る職業
騎士の服の刺繍は恐ろしいほどにゴージャスで、軍人の服も現代から見ると華やかだなと感じる。死刑執行人の服は色は派手だが作りはシンプル。「中世において多色使いは、社会的に嫌悪され蔑視される職業の人物が身に着けるもの」だったそう。
メイドの頭部全体を覆うモブキャップ(シャルロット・コルデー帽)はすごくカワイイ。児童書の挿絵画家であるケイト・グリーナウェイがよく描いていたとのこと。シャルロット・コルデーは暗殺の天使と呼ばれた人物。怖い。
王から踊り子まで、取り上げられた職業は多彩です。ただ、救世主は職業なのかどうなのか(困惑
当時の庶民の暮らしが垣間見られて面白かったです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ服は歴史
風俗画は西洋服飾史の研究では重要な視覚的な証拠となる、ということで風俗画を取り上げ洋服のアイテムを説明しています。
レースにリボン、髪飾り…。刺繍がすごい、とても豪華ですがドレスがとても重たそうだし、花飾りには花のための水のボトルが装着されていたり、おしゃれは体力勝負ともいえます。
レティキュール(ポシェットのような小さな袋)は今のスマホ用バッグみたいで可愛い。しかしフランスでイギリスの装いが流行った時期があるなんて驚きです。
「服飾史をを知ると、絵画を見るのは面白くなりますよ」(P7)のことばどおり読み進めるたび「なるほど」と感じました。 -
Posted by ブクログ
娘の高校の図書室便りで知った本。
子ども達の学校の図書便りを毎回楽しみにしてます。
貴族や軍人だけでなく、酒場の給仕、御者、家庭教師、孤児、道化師などさまざまな階級と職業の方々の衣服が取り上げられてます。当時の方々の衣服だけでなく、生活様式、職業も学べます。衣装好き、世界史好き、絵画好きな方におすすめです。
表紙の《ジャンヌ・ダルク 》の他に、ミレー《落穂拾い》、イアサント・リゴー《ルイ14世の肖像》、ジャャック=ルイ・ダヴィッド《ベルナール峠からアルプスを越えるボナパルト》も紹介されてます。《マリー・ド・メディシスの肖像》は豪華過ぎて歩く身代金状態でビックリ。
私のお気に入りにな -
Posted by ブクログ
西洋絵画を服飾史視点で解説した本。
絵を見るとき、すごく細かくシワも描いてあるな〜とか、このもふもふは何の毛皮なのかな〜とか、装身具についての雑多な疑問は降って湧いてすぐに消えていたのだが、それら一つ一つが歴史や風俗の推理のヒントや文字通り証になっていたりで、まさに謎解きの資料になっていた。
そりゃぁそうよね、と納得しつつだが、それにしても細かいところまで年代や何処産なのかとか裏付けが取れているところも興味深いし、そもそも絵描きの方もすごく緻密に描いていて、よく見ると本当にみんな描き分けがすごい。
今度美術館に行く時の、注目ポイントが増えた。楽しみ。 -
Posted by ブクログ
名画の中に描かれた職業にまつわる60のコスチュームについて、
衣装に込められた由来や意味などを解き明かす。
50音順に職業を並べ、各4ページに作品と拡大、文章で構成。
レンブラント、ドガ、クールベ、フラゴナール、マネ、
ブリューゲル、ヴァン・ダイク、ミレイ、ミレーなど、
名立たる画家による作品に描かれる人々のコスチューム。
職業人のみならず、王侯貴族、乞食、軍関係、宗教関係、
市民、子ども、花嫁、救世主やキューピッド、魔女までも、
紹介し、絵画ならではのフィクションもあるけれど、
それらも含めての、その姿の由来や意味、歴史的背景や生活、
風俗などを分かり易い文章と視点で説明している。
また、 -
Posted by ブクログ
マリー・アントワネットが生きた時代の服飾史(モード)のみならず服飾・繊維産業についてなど、幅広く取り上げられている。
それにしても、亜麻布の漂白にかかる工程の多いこと!下着と揶揄された白いモスリンドレスも相当な値段だったのではないだろうか。
マリー・アントワネットがフランス宮廷で馴染めなかったこととして、公開着替えが挙げられることがある。現代を生きる私は、裸を人前にさらすことが嫌だったのだろうと思っていたが、驚くことに18世紀の高位女性は下位ならば男性の前でも裸になることに羞恥心は無かったそうだ。
とすれば、彼女が本当に嫌だったのは何だったのだろう。着替え手順の身分序列エチケットだろうか。 -
Posted by ブクログ
『マリー・アントワネットの日記』からの、本書。
図版が多く、イメージしやすい。
学術書に近い本だが、みていて楽しい。
アントワネットといえば、例のぐんかんを頭にのっけた先鋭的なファッション。
本書では、そういうイメージ以外の側面も見せてくれる。
興味深いのはやはり「シュミーズの儀式」に代表される王家の衣裳に関わる習慣。
人々の面前で着替えをし、最高位の人が下着を捧げ持って介添えするというあれだ。
空疎で形式ばった、と言ってしまえばそうなのかもしれないが、きっとそんな習慣ができるには何か事件があったのでは、と想像してしまう。
アントワネットの婚儀のために用意した衣裳費用が10億円!
オース