【感想・ネタバレ】名画のドレスのレビュー

あらすじ

フリルやレースなど姫たちの装いの秘史を辿る。花飾りや真珠、扇からわかる18~19世紀の楽しい項目別の服飾史。宮廷画家たちが超絶技巧の限りを尽くして描いた凄さは圧巻。見開きに拡大した刺繡など、見ごたえ十分のオールカラー。

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Posted by ブクログ

名画の中に描かれた60のドレスと服飾について、
その由来や時代的背景、意味などを解き明かす。
50音順に服飾用語を並べ、各4ページに作品と拡大、文章で構成。

時代は、主に18~19世紀の西洋。その時代のドレスと服飾、
靴やアクセサリーなどに焦点を当て、細部を拡大し、解説。
名称では知っていても、実際どういう姿なのか分からなかった
服飾用語が数多く、それらを拡大して見せたおかげで、
はっきりと理解することが出来ました。
また、由来や意味、歴史的背景や生活、風俗などをも
分かり易い文章と視点で説明しています。
中世に針で編まれていたものがあった、靴下の歴史。
生の花飾りが萎れないように、小さな水入れのボトルを装着。
派手やかな衣装は男性から女性に移行。
はしたない姿が流行になる過程など、面白かったです。
その時代のファッション・リーダーは主に王侯貴族ですが、
実はモード商の存在があるし、それらの服飾を創り上げた
職人や仕立て屋の技術の素晴らしさも窺えることが出来ます。
更に、画家。描いたのは、ルブラン、ルノワール、ブーシェ、
カイユボット、ダヴィッド、フラゴナール、ホガース、
ティソ、ミレイ、ヴァトー、シャルダン、ゲインズバラなど。
彼らのレースや柄、刺繍などを細部まで描く技法が、
現代にまでも服飾史の史料となっている事が素晴らしいです。

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2023年07月26日

Posted by ブクログ

 60の服飾用語に対し、それぞれ一枚の絵とその拡大図がカラーで載っている(主に17〜19世紀)
 この本を読むと、男性もとってもお洒落だったんだなと感じる。可愛らしいくるみボタンをつけたり、首にチョーカー巻いたり、お花柄を着たり、、、男性が黒い服で身を包むようになったのはせいぜい19世紀からだそう。もっと男性もお洒落するようになれば、街は華やかで美しくなるのに!
 面白いと思ったのは、西洋では長らく女性の髪に性的な意味合いが付せられていたために、女性たちは髪を必ず結い上げたり、帽子をかぶっていたこと。そうしなければ道徳的に問題があると見做されていた。対して日本は長髪は平安時代から理想とされてきたし、今でも清楚なイメージがある。帽子に関していうと、男性にとってはマストアイテムで、命くらい重要なものだったとか。これに関しては、日本の平安貴族の烏帽子に関する認識と共通していて面白い。
 

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2023年02月22日

Posted by ブクログ

絵画を拡大することで画家の筆運びまで感じることができる。中でも「刺繍」は圧巻だった。
ドレスで年代を推察できるなど、今後西洋絵画を鑑賞する際の楽しみが増えた。
前の時代の日常着が次の時代の礼服に昇格するという「プリーツ」「ローブ・ア・ラ・フランセーズ」を読んで日本の狩衣を連想し、洋の東西を問わず同じだなと面白く思った。

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2022年11月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

服は歴史

風俗画は西洋服飾史の研究では重要な視覚的な証拠となる、ということで風俗画を取り上げ洋服のアイテムを説明しています。

レースにリボン、髪飾り…。刺繍がすごい、とても豪華ですがドレスがとても重たそうだし、花飾りには花のための水のボトルが装着されていたり、おしゃれは体力勝負ともいえます。

レティキュール(ポシェットのような小さな袋)は今のスマホ用バッグみたいで可愛い。しかしフランスでイギリスの装いが流行った時期があるなんて驚きです。

「服飾史をを知ると、絵画を見るのは面白くなりますよ」(P7)のことばどおり読み進めるたび「なるほど」と感じました。

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2025年08月19日

Posted by ブクログ

西洋絵画を服飾史視点で解説した本。

絵を見るとき、すごく細かくシワも描いてあるな〜とか、このもふもふは何の毛皮なのかな〜とか、装身具についての雑多な疑問は降って湧いてすぐに消えていたのだが、それら一つ一つが歴史や風俗の推理のヒントや文字通り証になっていたりで、まさに謎解きの資料になっていた。
そりゃぁそうよね、と納得しつつだが、それにしても細かいところまで年代や何処産なのかとか裏付けが取れているところも興味深いし、そもそも絵描きの方もすごく緻密に描いていて、よく見ると本当にみんな描き分けがすごい。

今度美術館に行く時の、注目ポイントが増えた。楽しみ。

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2024年08月27日

Posted by ブクログ

とっても良かった。
「服飾」という視点で見る絵画。詳しくなくても楽しんで読める。服飾アイテムを60個、それぞれ一枚の絵画とともに紹介。
絵画の一部をトリミングしてかなり大きく拡大して見せる、という見せ方はあまり今までお目にかかったことがないけれどとても良かった(もちろん絵画の全体像も載っている)。見え方が全然違う。

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2023年04月26日

Posted by ブクログ

そうそう!その細部がガッツリ見たかったんですよ!と著者に全面同意で読み始め、知らなかった由来や仕組み、史実などを読みながら素敵な「細部の拡大」をうっとりたっぷり楽しみました。

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2022年12月16日

Posted by ブクログ

それまで漠然と見知っていたものが、見方を変えることでいきなりドラマティックなものになる、というのは、特に絵画においては、中野京子の『怖い絵』で思い知った人も多いと思う。
こちらは、服飾史の視点で絵画を見るというもの。
なんの知識もなくてもうっとりするような精緻さをもつ絵画の「お姫様のドレス」ではあるが、知識があるとより一層楽しめる。
ドレスを見れば、10年単位でその時期が特定できる、というのはなかなかに興味深い。
1つのアイテムにつき、1絵画、というのも気軽に読みやすくて良かった。

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2022年03月08日

Posted by ブクログ

とても可愛い本。絵画を拡大しているページはすごく綺麗で、読み物として、見るものとして…とても綺麗。やはり、これは電子書籍ではなく、紙の本で読みたい。

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2021年09月25日

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