あらすじ
「執事」や「救世主」、「お針子」や「枢機卿」など職業にまつわる60のコスチュームに隠された歴史を、拡大図版と全体図で五十音順に解説する。フランス名画を中心にできるだけわかりやすい登場人物を厳選した。襟飾りやレース刺繍に加え、ネクタイの結び方やカツラの注文の様子など、西洋服飾文化研究者ならではのマニアックな視点が満載。刺繍の細部まで緻密に描かれた超絶技巧に注目してほしい。オールカラー。
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Posted by ブクログ
名画から観る職業
騎士の服の刺繍は恐ろしいほどにゴージャスで、軍人の服も現代から見ると華やかだなと感じる。死刑執行人の服は色は派手だが作りはシンプル。「中世において多色使いは、社会的に嫌悪され蔑視される職業の人物が身に着けるもの」だったそう。
メイドの頭部全体を覆うモブキャップ(シャルロット・コルデー帽)はすごくカワイイ。児童書の挿絵画家であるケイト・グリーナウェイがよく描いていたとのこと。シャルロット・コルデーは暗殺の天使と呼ばれた人物。怖い。
王から踊り子まで、取り上げられた職業は多彩です。ただ、救世主は職業なのかどうなのか(困惑
当時の庶民の暮らしが垣間見られて面白かったです。
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娘の高校の図書室便りで知った本。
子ども達の学校の図書便りを毎回楽しみにしてます。
貴族や軍人だけでなく、酒場の給仕、御者、家庭教師、孤児、道化師などさまざまな階級と職業の方々の衣服が取り上げられてます。当時の方々の衣服だけでなく、生活様式、職業も学べます。衣装好き、世界史好き、絵画好きな方におすすめです。
表紙の《ジャンヌ・ダルク 》の他に、ミレー《落穂拾い》、イアサント・リゴー《ルイ14世の肖像》、ジャャック=ルイ・ダヴィッド《ベルナール峠からアルプスを越えるボナパルト》も紹介されてます。《マリー・ド・メディシスの肖像》は豪華過ぎて歩く身代金状態でビックリ。
私のお気に入りになった絵はヤン・マティコ《スタンチク》、ポール・ドラローシュ《レディ・ジェーン・グレイの処刑》、ソフィー・アンダーソン《チャペルで祈る孤児の少女たち》。
Posted by ブクログ
名画の中に描かれた職業にまつわる60のコスチュームについて、
衣装に込められた由来や意味などを解き明かす。
50音順に職業を並べ、各4ページに作品と拡大、文章で構成。
レンブラント、ドガ、クールベ、フラゴナール、マネ、
ブリューゲル、ヴァン・ダイク、ミレイ、ミレーなど、
名立たる画家による作品に描かれる人々のコスチューム。
職業人のみならず、王侯貴族、乞食、軍関係、宗教関係、
市民、子ども、花嫁、救世主やキューピッド、魔女までも、
紹介し、絵画ならではのフィクションもあるけれど、
それらも含めての、その姿の由来や意味、歴史的背景や生活、
風俗などを分かり易い文章と視点で説明している。
また、ルイ十四世の、靴の踵が赤い理由と何度も登場する若禿話。
現代に伝わる御者のネクタイの結び方。権力の緋色、
黒色の流行など、数々のエピソードも楽しめました。
Posted by ブクログ
以前読んだ『名画のドレス 拡大でみる60の服飾小辞典』(平凡社)と似ているなと思ったら同じ著者の本だった。
1つ1つの章が短いので非常に読みやすく、またカラーページが見開き1ページの紙いっぱいにあるため、読んでいて楽しかった。
そのほか、以前読んだ『執事とメイドの裏表[増補版]──イギリス文化における使用人のイメージ』(白水社)や、『黒の服飾史 新装版』(河出書房新社)とリンクする部分もあり、非常に勉強にもなった。
Posted by ブクログ
居酒屋で働くフランスの青年から
イギリスのメイドまで
さまざまな職業の人々と
その衣装が描かれた絵画を
50音順に並べて見せてくれる。
(キューピッドだけ…ちょっと違うけど)
私にとっては初めて見る作品がたくさんあって
単純にそれを見るだけでも楽しい!
絵画は、写真のなかった時代の
貴重な民俗資料でもあるのだなぁと思った。
特に気に入ったのは
乳母『パリのリュクサンブール公園』
アルベルト・エーデルフェルト
お針子『お針子』
ジャン=バティスト・ジュール・トレイエ
カーペット商人『カーペット商人』
ジャン=レオン・ジェローム
事務員『ヌーヴェル・オーリンズの綿花商の事務局』
エドガー・ドガ
女優『サラ・ベルナールの肖像』
ジョルジュ・クレラン
保育士『託児所にて』アルベール・アンカー