島倉原のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ランダルレイ氏の『MMT現代貨幣論入門』の監訳者の著書だけあって、MMTがとてもわかりやすく語られています。
MMTを知りたい初学者がはじめに読む本として最適に思われます。
MMTで述べられている、政府の赤字が民間の黒字になるというのは、普通に考えれば当たり前のことです。だって、国債は個人でも買えるし買った人にとっては紛れもない財産ですもんね。
国の借金をなぜか「国民ひとりあたり○百万円の借金」などと書いていた新聞記事を読むたびに「あほちゃうか」と思っていたわたしにとっては、本書はある意味痛快な内容でした。
MMTは財政政策について踏み込んだ考えを持っており、人々が幸福になる方法を考えている理 -
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MMT(現代貨幣理論)の妥当性を説く内容。
義務教育レベルの経済学の知識すらも怪しい自分にとって、最初はほとんど理解できなかった。
けど、この本の言っている意味が少しずつ分かってきて、今では、主流派経済学より、MMTの方が正しくないか?との考えに至っている。特に貨幣の本質論の捉え方は、MMTの方が適切だろうね。不換紙幣が価値を認められている現在、主流派経済学の考え方は、現実離れしている。
ただ、MMTは、国際的視点で経済を見た場合に、通貨発行権の所在が曖昧になるため、その貨幣観を再構築する必要があるはず。この問題をどう克服するのか、疑問に思う。
また、この本では、貨幣の本質論に関する議論と現在 -
Posted by ブクログ
【文中より引用】
・日本や米国のように「通貨主権」を有する政府は、自国通貨建てで支出する能力に制約はなく、デフォルトを強いられるリスクもない。財政赤字や国債残高を気にするのは無意味である。
・政府にとって、税金は財源ではなく、国債は資金調達手段ではない。政府が先に通貨を支出しない限り、民間部門は税金を納めることも、国債を購入することも論理的に不可能である。税金は所得、国債は金利にはたらきかけ、経済を適正水準に調整するために政策手段である。
政府は「最後に雇い手」として、希望する人々全員に、一定以上の賃金水準で就業する機会を約束することができる。この「就業保証プログラム」は、「完全雇用と物 -
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MMTって、正直細かな内容までちゃんとは理解していませんでしたので、一度ある程度それなりに全体像をざっとでも把握しておこうと。
よりきちんと学ぼうとするなら本家のL・ランダル・レイ著『MMT現代貨幣理論入門』を読むべきなのでしょうけれど、もう少し手軽な概説書は無いものか…と選んだのがこちら。
結果、なかなか良い解説書でした。立場もかなり客観的で筆致も冷静。かつてリフレ派支持の人たちが口を汚くしてケインジアンや日銀を罵倒(?)していたような品のなさは皆無で読んでいて気分が悪くなることもありません。また、後半は日本経済への適用可能性についてかなりの紙面を割いているので、その点でも日本人の私たちにと -
Posted by ブクログ
コロナ対策で、73兆円の経済対策が実施されることになった。当然、財源は必要になる。そこで「ちょっと前から賛否両論あるMMT(現代貨幣理論)って、国債発行を増やしても無問題みたいな話じゃなかったっけ?」と手に取ったのが、積読していた本書。
MMTが話題になった当初、「あんなのウソだ」とか「マヤカシだ」とかいうインテリが多かったので、「少々インチキ臭いかな」と思いながら読み始めた。が、内容はいたってまとも。図解を交えながら、論を展開している。
もっとも、マクロ経済学って直感と結論が違ったり、非現実な仮定だったりで、本を読んでも、いつもすぐには腹落ちしない。今回もしかりで、MMTの正否については -
Posted by ブクログ
「自国通貨を発行できる国は、財政赤字を膨らませても問題ない」という衝撃的な主張をしている現代貨幣理論(MMT)の入門書。アメリカの経済学者による著作であるが、日本では中野剛志氏などが同様の主張をしている。財務諸表については勉強したばかりであるので、ある程度は理解できたが、難解で理解できない部分もある。お金はいくら刷っても問題ないとはいえ、インフレへの警戒も強調しており、要は程度の問題なのかもしれない。確かに巨額の財政赤字を抱えながら更なる国債発行を行っている日本も、一向にインフレに向かう気配はなく、MMTは正しいようにも思える。貨幣についての考え方も納税の所要からその価値を説いているが、ビット