あらすじ
長期停滞を解明する、新たな経済学へ
経済学において「異端派」とされるMMT(現代貨幣理論)が、現実を説明する新たな理論として幅広く受け入れられつつある。「財政赤字や国債残高を気にするのは無意味である」というMMTの主張をめぐって、もはや「極論」や「暴論」と片付けられる段階ではない。
経済学におけるパラダイム・シフトをしっかりと見定める時期が来ているといえよう。
とりわけ、「失われた30年」とも言われる長期停滞にあえぐ日本経済を分析する「武器」として、MMTはなくてはならない道具立てである。
本書は、ランダル・レイ『MMT現代貨幣理論入門』(東洋経済新報社)を監訳し、『MMTとは何か』(角川新書)を執筆して、この新たな経済学を日本に紹介した第一人者による人気講義を書籍化したものである。
MMTが多く人を惹きつけたのは、貨幣の起源をめぐる根源的問いと時事的な現代経済論を結び付ける、その理論の全体性にある。
制度化が進み、学説や理論がますます断片化していく状況下、歴史も視野に入れてトータルに現実を説明するMMTは、経済学というディシプリンを超えて、人文・社会科学に幅広く訴える。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
MMT(現代貨幣理論)は「貨幣に関して説正しく説明している」一方で「政策論としては発展途上の部分がある」というのが著者の主張である。
この主張に基づきデータ分析をもとに提示される政策提言(第6章)は読み応えがあった。
長期停滞を招いた緊縮財政からの転換を目指すには世論の力が必要。テレビや新聞には全く期待できないので、本書のような書籍が広く読まれるようになれば良いと思う。
Posted by ブクログ
初学者が全てを理解することは難しいが、MMTのポイントポイントを理解することはできる。
その上で下記が疑問
・理論的に正しそうなMMTがなぜ社会実装されないのか、何がハードルになっているのか
・市民は何をすればMMTの推進をしていけるのか
・日本においてMMTを前に進めたがっている政党はどこか