島倉原のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
MMTと主流派経済学では、貨幣観が違う。
商品貨幣論は誤り=ババ抜き貨幣論と同じ。貨幣の使用は社会の決まり事。
メソポタミアには、粘土板が貨幣に使われた証拠がある=貴金属貨幣より古い。
MMTは信用貨幣論=単に信用されているから貨幣とされる。紙幣も同じ。
租税が貨幣を動かす。国定貨幣説。
主流派経済学は外生的貨幣供給説=通貨供給が預金と貸し出しを動かす。
MMは、内生的貨幣供給説=銀行貸し出しが預金と通貨を生み出す。マネタリーベースとマネーストックの間に貨幣乗数のような関係はない。
政府は国家に対する支払い手段として貨幣を受け取る、という債務を負っている。
インフレが発行限度を決める。財源は不要。税金ではない。
債務引き受けを禁止していながら、実質的に所持するのはおかしな規定。
政府の赤字は、通貨発行が伴うから、むしろ国債金利は低下するはず。
貯蓄が国債消化の原資になるわけではない。むしろ国債発行が貯蓄を創造する。
金利が上昇したら、国債発行を減らす=中央銀行が国債を市場から購入する、と金利が低下する。=国債が高く売れる=金利の低下。
海外との経常収支の黒字は、さらに国債発行余力となる。
国内民間部門と政府部門がともに赤字だとバブルが発生している。民間の赤字は、持続的ではない。
国際収支が大幅黒字なら、民間も政府も黒字はあり得る。
MMT=無税国家ではない。租税は国家を動かすもの。
社会保障税、消費税、法人税は悪い税金。
機能的財政論=アパラーナー、「機能的財政と連邦債務」
市場メカニズムにゆだねるのは、現代の資本主義経済にとっては無意味。取引費用が無視できない。
「いってみれば、人々が月を欲するがために失業が生ずる」ケインズ=貨幣を月になぞらえて、貨幣選好が失業を生むことを言っている。
国債発行は、政府の資金調達ではなく金利調整手段。
就業保証プログラムによって、失業対策をする。事実上の最低賃金。オーストラリアの羊毛価格安定プログラムからヒントを得た。政府雇用が調整弁となる。
ベーシックインカムや最低賃金制度との違いは、労働市場から退出させて総生産力を低下させる。=インフレ圧力になる。
デフォルトや通貨危機の真の原因は、固定相場制または外貨建て債務。アルゼンチン、メキシコ、タイなど。
ロシアの変動相場制下でのデフォルトは政治的な意味合いがある。
1970年代のイギリスとイタリアの危機は、自国通貨レートを高く維持しようとした結果である。
デフレは自己増幅構造がある。
脱出のためには、ポストケインジアンは、財政支出が手段と考える。ニューケインジアンんは、新古典派を基礎としているので、供給側の要因を考える。需要のコントロールは短期的効果しかない。
人口減少が低成長やデフレの理由ではない。ハンガリー、ラトビア、リトアニアなどは、経済成長している。
機能的財政が年金2000万円問題を解決する=実質GDPを最大化すること。財政を均衡させる必要がなければ年金財政への政府支出も可能となり、その結果GDPは最大化する。
『赤字の民主主義』=インフレによる不均衡の蓄積は、構造的な失業を増大させる。財政拡大期は実際にはインフレ率低下期であった。
ハイパーインフレは、極端なモノ不足、供給不足から。日常的に起きることはない。
高橋財政派、MMTの機能的財政そのもの。日銀の直接引き受けでデフレを克服した。 -
Posted by ブクログ
完全雇用と物価安定こそが、国家が追求すべき重要な公共目的であり、その政策指針となるのが機能的財政論である。
貨幣とは信用貨幣であり、租税が貨幣を動かす
ランダル・レイの現代貨幣論入門の監訳者の著作。
MMT入門の訳が分かりづらくてたまらないので、こちらは半分にはしょってわかりやすくまとめてます。
著者も突っ込んでますが、ランダル・レイもステファニー・ケルトンも肝心要の通貨主権を持つ政府の義務である大変重要な「就業保証プログラム」に関して、ふわふわしすぎですよね。
著者もせっかく日本経済に精通しているのに、とにかくMMTやリフレ、過去の財政金融政策の評論しているばかりで、未来への視点が乏しかったです。 -
Posted by ブクログ
貨幣の本質=債務証書と、GDPの恒等式をシステム思考的に突き詰めた、みたいな感じ?
そんな簡単なことでいいの?とも思うし複雑だなとも思う。
本質的な役割で見たら、貨幣は債務証書。政府が発行する通貨は、まず政府が負債として支出し、後に税金や罰金などで受け取って償還される。政府は、中央銀行の負債に数字を追加する…「キーストローク」で支出する。
なるほど。
政府の赤字は民間の黒字。貿易の黒字は政府か民間どちらかが赤字。
ゼロ金利は投資を刺激しない。
政府は完全雇用を目的に赤字支出せよ、失業者を直接に雇用せよ、そこまでがMMTだ、と。
純粋に、経済の仕組みに関わるところと、熱く語る思想的主張が混ざってて繰り返しも多い…かも。
巻末の松尾匡先生の解説がわかりやすい。 -
Posted by ブクログ
MMT(現代貨幣理論)という比較的新しい経済理論を解説した一冊。主権通貨を有する政府の財政赤字は全く問題ない、という主張。マジで!?と思う一方、確かに経済学ズブの素人の自分も「政府の借金が膨れ上がり続けてるのになぜ日本は財政破綻しないのか?」とは思っていた。MMTが「正しい」のかは正直わからない。貨幣・預金・租税の定義など抽象的な話も多く自分にはまだまだ難解で十分に理解できたわけではないけれど、経済のような堅そうな分野でも「赤字は良くない」という常識が必ずしも鉄壁ではないと知れたのは発見だった。MMTがベーシック・インカムには否定的な立場というのも興味深い。
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Posted by ブクログ
MMTが主張するところによると、「通貨発行権のある政府にデフォルトリスクはまったくない」。通貨が作れる以上、財源の制約はなく、インフレが悪化しすぎないようにしさえすれば、財政赤字を気にする必要はないという。
さてここで気をつけたいのは、本書にも指摘があるように、政府がデフォルトを選択することはありうるということだ。特に対外債務に頼っている場合は、自らデフォルトすることで借金をチャラにするという誘いが常に存在し、実際にそのような事例は歴史上たくさんある(『国家は破綻する』参照)。したがって、国債所有者から見たデフォルトリスクは存在するわけで、そのリスクを踏まえた金利設定がされるはずだ。政府はこの金利負担に耐えられるのだろうか。
MMTの主張を読んでいると、政府への無限の信頼(これは行き着くところ警察権力や軍事力といった国の強制力の話になると思う)が前提になっているように思える。しかし、今の時代、その気になれば国外逃亡できるし、資金も簡単に移動できる。この前提がどこまで現実的か、という話のような気がする。 -
Posted by ブクログ
主流の理論が間違っている
キーストロークだから大丈夫
...の2点しか頭に残らない。
ところどこと面白い議論もあるので、無駄だったというわけではないが、知りたいところに手が届かないモヤモヤが残る本でした。
理論の骨格とかロジックを知りたかったのだが、主流派批判に邪魔されてピントがぼけてしまっている印象を受けました。
既存の理論との違いはを知りたいのですが、何が争点なのかよくわからない。(もちろん結論はちがっているのですがそこに至る何処に違いがあるのか)
最初はすごく丁寧に説明しているくせに、後半、もっと丁寧に説明がいるのでは、というところが、主流派批判の勢い優先でかかれていて論理展開についていけなくなるところが多々ありました。
まとめると
・理論の全体像がつかめない
・主流派経済学との相違点と共通点が不明確、争点がどこか分からない(どこの解釈の違いで結論が違ってくるのか)
・MMTの方が現実をよく説明している、というデータの不足
金利と為替で制限がかかるのでメディアが騒ぐほど自由に財政赤字にできるわけではない、と言うのはわかりました。