島倉原のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
MMTと主流派経済学では、貨幣観が違う。
商品貨幣論は誤り=ババ抜き貨幣論と同じ。貨幣の使用は社会の決まり事。
メソポタミアには、粘土板が貨幣に使われた証拠がある=貴金属貨幣より古い。
MMTは信用貨幣論=単に信用されているから貨幣とされる。紙幣も同じ。
租税が貨幣を動かす。国定貨幣説。
主流派経済学は外生的貨幣供給説=通貨供給が預金と貸し出しを動かす。
MMは、内生的貨幣供給説=銀行貸し出しが預金と通貨を生み出す。マネタリーベースとマネーストックの間に貨幣乗数のような関係はない。
政府は国家に対する支払い手段として貨幣を受け取る、という債務を負っている。
インフレが発行限度を決める。財源は -
Posted by ブクログ
完全雇用と物価安定こそが、国家が追求すべき重要な公共目的であり、その政策指針となるのが機能的財政論である。
貨幣とは信用貨幣であり、租税が貨幣を動かす
ランダル・レイの現代貨幣論入門の監訳者の著作。
MMT入門の訳が分かりづらくてたまらないので、こちらは半分にはしょってわかりやすくまとめてます。
著者も突っ込んでますが、ランダル・レイもステファニー・ケルトンも肝心要の通貨主権を持つ政府の義務である大変重要な「就業保証プログラム」に関して、ふわふわしすぎですよね。
著者もせっかく日本経済に精通しているのに、とにかくMMTやリフレ、過去の財政金融政策の評論しているばかりで、未来への視点が乏 -
Posted by ブクログ
貨幣の本質=債務証書と、GDPの恒等式をシステム思考的に突き詰めた、みたいな感じ?
そんな簡単なことでいいの?とも思うし複雑だなとも思う。
本質的な役割で見たら、貨幣は債務証書。政府が発行する通貨は、まず政府が負債として支出し、後に税金や罰金などで受け取って償還される。政府は、中央銀行の負債に数字を追加する…「キーストローク」で支出する。
なるほど。
政府の赤字は民間の黒字。貿易の黒字は政府か民間どちらかが赤字。
ゼロ金利は投資を刺激しない。
政府は完全雇用を目的に赤字支出せよ、失業者を直接に雇用せよ、そこまでがMMTだ、と。
純粋に、経済の仕組みに関わるところと、熱く語る思想的主張が混 -
Posted by ブクログ
MMT(現代貨幣理論)という比較的新しい経済理論を解説した一冊。主権通貨を有する政府の財政赤字は全く問題ない、という主張。マジで!?と思う一方、確かに経済学ズブの素人の自分も「政府の借金が膨れ上がり続けてるのになぜ日本は財政破綻しないのか?」とは思っていた。MMTが「正しい」のかは正直わからない。貨幣・預金・租税の定義など抽象的な話も多く自分にはまだまだ難解で十分に理解できたわけではないけれど、経済のような堅そうな分野でも「赤字は良くない」という常識が必ずしも鉄壁ではないと知れたのは発見だった。MMTがベーシック・インカムには否定的な立場というのも興味深い。
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Posted by ブクログ
MMTが主張するところによると、「通貨発行権のある政府にデフォルトリスクはまったくない」。通貨が作れる以上、財源の制約はなく、インフレが悪化しすぎないようにしさえすれば、財政赤字を気にする必要はないという。
さてここで気をつけたいのは、本書にも指摘があるように、政府がデフォルトを選択することはありうるということだ。特に対外債務に頼っている場合は、自らデフォルトすることで借金をチャラにするという誘いが常に存在し、実際にそのような事例は歴史上たくさんある(『国家は破綻する』参照)。したがって、国債所有者から見たデフォルトリスクは存在するわけで、そのリスクを踏まえた金利設定がされるはずだ。政府はこ -
Posted by ブクログ
主流の理論が間違っている
キーストロークだから大丈夫
...の2点しか頭に残らない。
ところどこと面白い議論もあるので、無駄だったというわけではないが、知りたいところに手が届かないモヤモヤが残る本でした。
理論の骨格とかロジックを知りたかったのだが、主流派批判に邪魔されてピントがぼけてしまっている印象を受けました。
既存の理論との違いはを知りたいのですが、何が争点なのかよくわからない。(もちろん結論はちがっているのですがそこに至る何処に違いがあるのか)
最初はすごく丁寧に説明しているくせに、後半、もっと丁寧に説明がいるのでは、というところが、主流派批判の勢い優先でかかれていて論理展開につい