前嶋和弘のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
筆者によるとキャンセルカルチャーとは、「差別反対や平等性・公平性のために、これまでの歴史や文化、習慣などを見直す行為」のこと。ブラック・ライブズマター(BLM)運動、Me, Tooがその代表である。一方で、文化のキャンセルに対する保守派の反発も強まっており、その象徴がトランプ大統領であった。争点は、移民、銃規制、妊娠中絶などアメリカ文化の広い範囲に広がり、分断は深まっている。
本書は、キャンセルカルチャーやその反発への背景を、歴史に遡りつつ解説したもの。また、選挙ビジネスやインターネットの発達が、分断を加速していることも、よく分かる。とくに後者は深刻で、解決は難しいと著者は考える。
とはい -
Posted by ブクログ
マイクロターゲティングで個々の有権者の動向を徹底的に洗い出す。例えば、ある人が、これまての5回の大統領選挙で1回も投票した事がなければ、その人のところへは戸別訪問する事はない。ある人が、1回は選挙に行った事があって、それも自政党へ投票していれば、そこをターゲットに戸別訪問する。その人が投票に行って、自政党へいれたかどうかは、一部の郡では選挙を管理する側が投票結果まで見せてくれるところからわかる.そもそも聞き込みを入れるとわかってしまう。これに加え、ネットの書き込みとか、ブローカーから売られているクレジットカードのデータとか、それらを分析していくと、かなり精度の高い人物像がわかる。そして、その人
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Posted by ブクログ
アメリカは相変わらず極端だと感じ、日本と違いすぎるので、読んでいて面白かった。特に銃規制に関しては、規制が進まない理由がよく分かった。
タイトルの「キャンセルカルチャー」という言葉は初めて知ったが、それに基づくアメリカでの動きは、正直全く共感できなかった。例えば、ジョージ・ワシントンが批判される、というか否定される理由が、「奴隷を持っていたから」だけ。若干の失望を感じてしまうのは分かるが、時代を考えれば、普通の事としか、私は思わなかった。それはそれとして、彼の功績は評価されるべきだろう。
偉人たちの銅像を撤去するとか(実際に撤去を決定した事もある)、負の側面の記述を追加するとかではなく、破壊し -
Posted by ブクログ
cancel cultureを軸に現代のアメリカ合衆国の動きを解説した本だが、一般のニュースではほとんど耳にしないことが多くて楽しめた.Black Lives Matter(BLM)運動が全米を席巻する中で、political correctnessに対抗して出てきてのがcancel cultureの由.トランプ前大統領の言動が深く関わっているようだ.批判的人種理論(critical race theory)も初めて聞いた.分断国家の傾向が定着し、中南部と東海岸・西海岸地区、それぞれ共和党と民主党の地盤となって、それぞれが言い争う.FOX NewsとNBCなどの従来TV局がお互いの報道をフェイ
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Posted by ブクログ
本書は2024年7月の刊行で、トランプvsバイデンの大統領選を前提に書かれたもの。
バイデンの撤退も多少考慮されているが、カマラ・ハリスでは支持が得られないという雰囲気が感じ取れる。
実際に、トランプvsハリスとなり、トランプの圧勝という結果が出た。
トランプ人気はトランプ本人の政治家としての資質に期待するものではなく、反バイデンや反民主党によるところが大きいようだ。
トランプ・共和党vsバイデン・民主党は、かつての安倍・自民党vs野田・民主党の構図に似ているようにも思う。
政権党は何かと叩かれるのは、どこの国も同じだ。
そうさせないためには、ロシアや中国のように独裁政治にするしかない。