戸田誠二のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
一冊完結の漫画を読みたいな、と思っていたらこちらに出会いました。
背表紙に「ヒューマンSFシリーズ」とありますが、そのとおりの内容です。
連作短編ですね。
正直パラパラめくってみた感じだと絵も下手だしあまり面白そうではなかったのですが、
読み始めると一変、1話目から話に引き込まれ、短編ながら大きく感動しました。余韻にひたりつつ2話目は後で読もうと思いつつも、つい読み進めてしまい全話イッキ読みしてしまいました。世界観を同じくするものの関連のない短編たちですが、佳作揃いで、いくつかは泣きそうになってしまいました。
SFですが、世界観の説明なども最小限、物語も蛇足のないちょうどいいところで終わる、短 -
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色々感じるところがありました。
いずれの話も、それぞれのキャラクターの立場で自分がもしそうだったら…と思いながら、話に入り込んで読み進められました。自分が親としての立場から1話は非常に共感できましたが、もちろん他の話もとても良く練られてて、本当に大事なものは何なのか?を再認識できた気がします。1日1日を大切に、そして自分の周りの人も大切にしながら生きていければと感じました。続編もあるのでしょうか?とても楽しみです。
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購入済み
人間臭さ
いずれのストーリーも良かったです。そしていずれのキャラクターに対しても共感できました。それぞれ違う意味で人間臭さを感じさせるリアリズムがそこにあったからだと思います。最後に、この短編集を良くしてるのは作者のキャラクターに対する愛情の存在ではないかと思います。もし迷われたならお読みになられることをお勧めします。
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心が温まりました。
どれも良いお話でした。
ボリュームもあり、話の内容も決して浅くなく、心に響く内容が多いです。
流血表現や性表現もありますが、過激ではないので多くの人は見られるかと思います。
日本に伝わる昔話に、更に深みと肉付けをしたようなお話ばかりでした。一見、あ、これ知っている!というお話でも、良い意味で改変などが含まれており、読む価値大アリです! -
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全編よかった。
全編非常によかったです。つらい話も多かったけど、いずれの話も良かれ悪かれ人間の本質を突いており、本当に心が揺さぶられました。どなたにもお勧めできる一冊だと思います。
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ネタバレ 購入済み
じん と来まます。
ニュースサイトの広告を見て気になり、購入。
心に響く作品でした。
性的表現や暴力的表現が少しありますので
ご注意下さい。 -
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本気で泣ける、11話の昔話。
本気で泣ける、11話の昔話。
多々ある日本の昔話を、作者なりの解釈と肉付けで素晴らしい珠玉のストーリーに仕上げています。
648円では安いくらいのボリュームと満足感、読んでいて何度も震え、涙しました…! 人間のやさしさが詰まった一冊です。
11話タイトル:
地獄の鬼、さるかに合戦、女郎ぐも、幽霊の酒盛り、安珍と清姫、おとみーさん、ふたつの島、シノの枕、豆ころころ、幽霊飴、火ともし山、+あとがき漫画・狐。
どこかで読んだような話ではありません、全てが初めて読むような新鮮さと感動を与えてくれます。
お値段以上の価値はあります。また何度も読み返したくなる、本当に珠玉の -
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不思議な時間泥棒
泣くわけでも無く、笑うわけでも無く、怒るわけでも無く、悦ぶわけでも無い。
この本は数ページの『皮肉』や『シュール』といった類のスパイスが効いた前菜、それが沢山詰まった本である。
ちょっと小腹が空いていたからと皿に手を付けると、小皿なのですぐに平らげてしまう。余計にお腹が空いてしまう。また手を出してしまう・・・
そうするうちに読み終わっていた。
満腹とはいかないが、かといって空腹なわけでも無い。家に晩御飯が待っているのに一杯引っかけたくなるお店のような、不思議な時間泥棒である。 -
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未来の世界では、満たされない思いを「技術」によって賄える
でもそれは本当に幸せなのだろうか?幸せってどういうものか・・・
に対して挑んだ作品
どの話も、最後は心温まる描かれ方をしている
癒やされてないとか、何か鬱憤がある方は読んで欲しい
バンドマンとか、やる気が見いだせないフリーター・・・
身体が思うように動かない老人や、病気に侵され先の長くない男
自分はまだまだ幸せだし、これからもどんどん幸せになることが出来るんだなと思わされるストーリーが散りばめられています
悩みがあるかたは一旦この作品を読んで欲しいです 何か感じることがあるのではと思います。
色々な疑問が投げかけられますし、荒 -
Posted by ブクログ
ネタバレグリム童話モチーフでありながら、ただの完全漫画化ではなく、ラストに戸田誠二さんのテーマである「上手く生きられない人間の苦悩と、それでも人間は生き方を選ぶ事ができるという希望がある」というテーマが盛り込まれている漫画。
唄う骨
くすねた銅貨
ネズの木
アオカミ
Who's Cendrillon?
が収録されています。
ともかくアオカミ。グリム童話青ヒゲをモチーフにしたお話です。
個人的にアオカミのラストが本当に本当に大好きで、それ故の星五つです。
生きる苦しさと不安、選びとる誇らしさでいっぱいになるお話です。幸せは探す物ではなく、造る物なんだなあと胸が苦しくなる。
「そして私たちは -
Posted by ブクログ
まんがに限らず、絵とか音楽で無性に心が揺さぶられた時に、心のどこかで「ああ、今の私だからこんな気持ちになっているんだ」と思う事ってないでしょうか?今までさんざん見ていたはずなのに、突然来る事もあります。そんな時って、嬉しいのですが寂しくなります。もうこれ以上に浸る事は出来ないだろうな、なんて気持ちがしてしまうのですよ。だからといって、その対象物がつまらなくなるの事はないですよ。
これを読んで久しぶりにそういう気持ちになりました。短編集で、働き盛りの男女が主人公の話が多いです。この人のコミックスは7〜8年前くらいから読んでいますが、今までは割とアンハッピーだったり、ずばっと終わっている事が