水守糸子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレこれは依存関係と年上温和甘やかし男性が好きなタイプの読者には、たまらない逸品です。
名家のお嬢さまと金で買われた主夫(ヒモ)男、そんな契約結婚夫婦のお話なのですが、事情が明かされるにつれ深い依存と想いが見えてくるのがたまらないですね。ほの暗さもある関係が素晴らしい。
お互いに、というか登場人物たちがほぼほぼ全員すれ違いまくっているのにそこが解消されずに終わるので、読後はなんともいえないもどかしさを味わうことにはなりましたが、でもそのすれ違いが愛による葛藤からという点を思えばこの先も悪い関係にはならないと確信できますしあとラストを迎えてようやく初々しい関係に至る様も微笑ましいですし……でも欲を言えばちゃんとねじれが解消された各所の関係を見たかったというのは、あります。彼らが大好きなので。
既に始まっていた恋が、新たに始まるまでの物語、というところでしょうか。もどかしいときめきをお求めの方におすすめです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ非常に好みの話だった。
真っ直ぐでお人好しな(そしてまことの恋を夢見る)女学生と、一回り上の京都弁を喋るぐうたら絵描き青年のコンビ。
この二人の組み合わせがとにかく尊い。
京都弁がこれまた非常に耳に心地よい。
文字で読んでおいて「耳に心地よい」というのも何なんだが、まさしくそんな感じだった。
また毎回話の最後に彼がほんの少し本音を覗かせるところもよかった。
相手には全然伝わっていないけれど。
まことの恋や愛を見つける前に、彼女は彼を「まことの家族」に引き入れちゃっているからなあ。
そこからまことの恋や愛に転化するところも見てみたいが。
蕾が花開くような、そんな瞬間を。
主役二人はそんな微笑ましさを爆発させているのだが、二人を取り巻く事件たちは微笑ましさでは済まないものが多い。
特に彼の幼馴染みがやらかした話は、色々な意味で怖かった。
恋多きことはまだ許せるとして、その後が怖すぎる。
そりゃ呪われもする。
しかも大体、どの事件もお嬢さんは巻き込まれて危険な目に遭ってるという。
彼は気が気ではなかったろう。
多少向こう見ずなところはあるけれど、大体は他人のために動いた結果だから、怒るに怒れないタイプだし。
彼女は、人を信じているから。
無論、彼のことも。
そんな彼(青年絵師)は神隠しにあった過去持ち。
てっきりあちらの世界に行ったので、人ではない何かになってしまったのかと思っていたが(実は後半に出てくる家族の話で「え?」となる展開がある)予想と違うところに着地したのでびっくりした。
怪異を見る目を持ってはしまったが、彼はちゃんと人間だった。
ただ、もう帰る家がないだけで、人間だった。
そんな彼をお嬢さんたち家族が迎え入れてくれたこと、何よりお嬢さんが受け入れてくれたことが、どれほど彼の救いになったことか。
そりゃ頭も上がるまい。
ただ、そのことを明かす気はさらさらなさそうだが。
彼は確実にもう落ちているぞ。
初対面の時から。
椿に金木犀などの植物の描写も印象的。
またお嬢さんの実家で出る料理も美味しそうで、ここにも家族味があふれる。
何だかんだと互いに文句を言い合いながらも、やっぱり二人の仲のいい家族を見た物語だった。
(+強烈なシスコンもいるよ!)
個人的には別の家族となる話も見てみたいが……お兄さんが許してくれなさそうだな。
唯一の謎はタイトルの「オペラ」
最初は歌劇ものかと思っていたけど、そういう要素はなく。
どういう意味だったんだろう……敢えて言うなら、桂花さんが歌劇団の人みたいな感じではあったけど。
(でも好みな話なのは変わらないのでよし)
とにかく、お嬢さんと彼がだべってくれているだけでも尊い。
そんなシーンだけでも読んでいたいという……つ、続きは……? -
Posted by ブクログ
ネタバレ冒頭の6歳らしからぬ会話に違和感はあったが、タネが割れてみると納得した部分もあり。
他にも何故あの場に退魔師がいたのかも、今から考えていると既に伏線は張られていたのだなと驚く。
千年を生きる魔物と契約をし、彼の力を退魔師として使う元王女のエマ。
目的は、消えてしまった妹を探すため。
傷を負うことなく魔を祓う聖女として担ぎ上げられている彼女だが、彼クロエに大部分の魔力を常に食われているため虚弱体質。
男性っぽい喋りをするくせに、下手すると何日も寝込んでいるようなキャラで、そのギャップが愛おしかった。
一方のクロエ。
エマのことを甘やかしているようで、言うことは聞かなかったりする。
それでいて変に律儀な部分もあったり。
なかなか読めないキャラ。
「はあい」って返事するところは可愛いんだけども。
エマに執着しているというより、エマの魂に執着している。
何しろ初代の彼女が強烈すぎたから……怖いよ、オフィーリア。
そりゃ忘れられまい。
登場するどのキャラもキャラ立ちしているので、読んでいて面白かった。
個人的には情報屋のカササギさん推し。
後半はあまり出番なかったので、もう少し出番欲しかった。
エマの妹の件、てっきり今後も追いかけていく展開になるのかと思いきや、この1冊で片が付いたことには驚いた。
この妹の件は前述通り、割と初期から伏線が張られていて、そう来たかと本当にびっくりした。
本編中の他の事件は分かりやすいくらい露骨だったのに、伏線。
分かりやすい伏線がある一方で、エマとクロエの関係性は読み終えても一言では説明できないなと。
契約主とその下僕という単純なものではない。
恋愛関係のような、家族愛のような、信用しているようでしていないような、でも唯一無二の相手というか。
ただ見ていて飽きない、コントのような二人の会話が好きなので、これからもそんな会話を繰り返しながら、単純ではない関係性を深めていってほしいと思う。
願わくば、自ら命を散らすことのないように。
他の歴代の「彼女」たちと同じようにはならないようにと。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ荒ぶる神をどう鎮めるか。
花嫁と言いながら、実質は贄として人を食らう神に、かさねは手探りで、体当たりで「交渉」していく。
もう十年も姿を現さない日神にさえ。
他者さまの作品を出して恐縮だが、勾玉三部作好きならたまらなく好きな世界観だろうなと思いながら読んだ。
個人的には非常に懐かしい空気。
人間に対して容赦のない神に、ただの人の子にできることはしれている。
ただ、かさねはかつて日神に愛された日依り姫の血を引く者、息を吹きかければ花は芽吹き、舞い踊れば大地から春が溢れる力を持っていた。
それは、最後の最後で日神との交渉時にも役立つことになる。
最初はイチに守られてばかりだったかさね(イチの正体や隠されていた事実は正直思っていた以上でかなり驚かされた)
でも、最後は贄になるはずだったイチを救うまでに成長。
一人で旅もできるまでに。
相変わらず危なっかしいところはあるけれども。
でも、成長したのだ。
思い人を自分ひとりで探しにいけるほど。
紆余曲折を経て、日神の光を取り戻した世界。
そこで、かさねの手を取ってくれたのは。
光満ちる世界で始まる「二人の旅」の始まりに相応しい最後だったと思う。
途中、結構しんどい展開もあったので、最後が希望に満ちているのは本当にありがたい読後感だった。 -
購入済み
表紙イラストが大好きな丹地陽子さんだったので購入した作品。舞台は明治45年横濱。本帯に『夢見る女学生×怪異を視る青年絵師』とある表紙の2人、草介と紅のやり取りが楽しいこの物語。序章から鬼の話だったので、がっつり妖怪モノかと思いましたが、最終話以外は怪異はあるもののどちらかというと人間がメインの物語でした。人のおこす事件に怪異が少し絡んで、二重に面白かったです(神隠しの許嫁の話は、いくらなんでも途中で気付こうよと思いましたが)。草介さんの過去が最終話で明らかになりましたが、これで終わりなのかな?面白かったので続いて欲しいです^^♪
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Posted by ブクログ
ネタバレいや、きみたち両片思いやん。
結婚しているのに。
早く契約婚やめて、本当の夫婦になれよと、何度ツッコミ入れたくなったか。
ただ金で買った買われた結婚という事実が枷となって、お互いの恋心が育つのを阻害していた気がする。
絵描きとそのヌードデッサンモデルという立場も、世間的には認められにくい関係か。
しかも、その阻害要素、金(とビジネスでの立場)だけではなかったというのが終盤で明らかになる。
ああ、もうじれったい!
やっていることは中高生の恋愛と何ら変わりないのに、二つのややこしい事実が二人の恋愛をここまでややこしくしてしまった。
もどかしいにも程がある。
プラスしてお身内もややこしいからね、普通の素直な人間は出てこないのかというレベル。
分かりやすく素直に生きていこうぜと思わされた作品だった。
もうちゃんと話し合って、好きだって伝え合って、幸せになってくれよ、頼むから。