水守糸子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレこれは依存関係と年上温和甘やかし男性が好きなタイプの読者には、たまらない逸品です。
名家のお嬢さまと金で買われた主夫(ヒモ)男、そんな契約結婚夫婦のお話なのですが、事情が明かされるにつれ深い依存と想いが見えてくるのがたまらないですね。ほの暗さもある関係が素晴らしい。
お互いに、というか登場人物たちがほぼほぼ全員すれ違いまくっているのにそこが解消されずに終わるので、読後はなんともいえないもどかしさを味わうことにはなりましたが、でもそのすれ違いが愛による葛藤からという点を思えばこの先も悪い関係にはならないと確信できますしあとラストを迎えてようやく初々しい関係に至る様も微笑ましいですし……でも欲を -
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Posted by ブクログ
ネタバレ非常に好みの話だった。
真っ直ぐでお人好しな(そしてまことの恋を夢見る)女学生と、一回り上の京都弁を喋るぐうたら絵描き青年のコンビ。
この二人の組み合わせがとにかく尊い。
京都弁がこれまた非常に耳に心地よい。
文字で読んでおいて「耳に心地よい」というのも何なんだが、まさしくそんな感じだった。
また毎回話の最後に彼がほんの少し本音を覗かせるところもよかった。
相手には全然伝わっていないけれど。
まことの恋や愛を見つける前に、彼女は彼を「まことの家族」に引き入れちゃっているからなあ。
そこからまことの恋や愛に転化するところも見てみたいが。
蕾が花開くような、そんな瞬間を。
主役二人はそんな微笑 -
Posted by ブクログ
ネタバレ冒頭の6歳らしからぬ会話に違和感はあったが、タネが割れてみると納得した部分もあり。
他にも何故あの場に退魔師がいたのかも、今から考えていると既に伏線は張られていたのだなと驚く。
千年を生きる魔物と契約をし、彼の力を退魔師として使う元王女のエマ。
目的は、消えてしまった妹を探すため。
傷を負うことなく魔を祓う聖女として担ぎ上げられている彼女だが、彼クロエに大部分の魔力を常に食われているため虚弱体質。
男性っぽい喋りをするくせに、下手すると何日も寝込んでいるようなキャラで、そのギャップが愛おしかった。
一方のクロエ。
エマのことを甘やかしているようで、言うことは聞かなかったりする。
それでいて -
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Posted by ブクログ
ネタバレ荒ぶる神をどう鎮めるか。
花嫁と言いながら、実質は贄として人を食らう神に、かさねは手探りで、体当たりで「交渉」していく。
もう十年も姿を現さない日神にさえ。
他者さまの作品を出して恐縮だが、勾玉三部作好きならたまらなく好きな世界観だろうなと思いながら読んだ。
個人的には非常に懐かしい空気。
人間に対して容赦のない神に、ただの人の子にできることはしれている。
ただ、かさねはかつて日神に愛された日依り姫の血を引く者、息を吹きかければ花は芽吹き、舞い踊れば大地から春が溢れる力を持っていた。
それは、最後の最後で日神との交渉時にも役立つことになる。
最初はイチに守られてばかりだったかさね(イチの正 -
購入済み
表紙イラストが大好きな丹地陽子さんだったので購入した作品。舞台は明治45年横濱。本帯に『夢見る女学生×怪異を視る青年絵師』とある表紙の2人、草介と紅のやり取りが楽しいこの物語。序章から鬼の話だったので、がっつり妖怪モノかと思いましたが、最終話以外は怪異はあるもののどちらかというと人間がメインの物語でした。人のおこす事件に怪異が少し絡んで、二重に面白かったです(神隠しの許嫁の話は、いくらなんでも途中で気付こうよと思いましたが)。草介さんの過去が最終話で明らかになりましたが、これで終わりなのかな?面白かったので続いて欲しいです^^♪
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Posted by ブクログ
ネタバレいや、きみたち両片思いやん。
結婚しているのに。
早く契約婚やめて、本当の夫婦になれよと、何度ツッコミ入れたくなったか。
ただ金で買った買われた結婚という事実が枷となって、お互いの恋心が育つのを阻害していた気がする。
絵描きとそのヌードデッサンモデルという立場も、世間的には認められにくい関係か。
しかも、その阻害要素、金(とビジネスでの立場)だけではなかったというのが終盤で明らかになる。
ああ、もうじれったい!
やっていることは中高生の恋愛と何ら変わりないのに、二つのややこしい事実が二人の恋愛をここまでややこしくしてしまった。
もどかしいにも程がある。
プラスしてお身内もややこしいからね、普通