ヤニス・バルファキスのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『では、私の仮説とは? それは、資本主義はすでに死んでいる、というものだ。つまり資本主義の力学がもはや経済を動かしてはいない、という意味だ。資本主義が担ってきた役割はまったく別のなにかに置き換えられている。その別のなにかを私は「テクノ封建制」と名づけた』―『はじめに』
「クソったれ資本主義が倒れたあとの、もう一つの世界」はその年に読んだ本の中で一番印象的な本だった記憶があり、本書の書評を見てその本の作者の本業での語りを聞いてみたいと思い読んでみる。資本、利潤、封建、という概念の根本的な理解の仕方に膝を打つ思いがする。それは岩井克人の語る貨幣論のように人の営みに照らした理解。経済学的合理に基づ -
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Posted by ブクログ
「テクノ封建制」タイトルだけで、んー、そうかと納得してしまう。
私のような経済の知識のない人間にもとてもわかりやすく書かれている。ただ、あまりにもベースがなさすぎて、私には情報量が多すぎて、全体のどれくらい理解できたのか怪しい。
ただ大筋は掴めたと思う。クラウド農奴なんだ。領主様のためにせっせと毎日無償労働に明け暮れているのだ。搾取されていることにも気づかず。
それを阻止するための解決法もきちっと書いてくれている。まるで遠い遠い理想のようだ。完全に農奴になってしまっている私にはそう思えてしまう。農奴はこんなことだから農奴のままなんだと思う。
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Posted by ブクログ
最近はポスト資本主義を提唱する本が多い。
それぞれ理想的であり、また欠陥も抱えているが、提案と議論があることは良い環境と思う。
読んで、どこが良いか、欠陥は何かを読者が考えることが重要ではないかと思う。
さて、本書は2008年、リーマンショックを機に資本主義と分かれたパラレルワールドのポスト資本主義がどうなったかをSF小説仕立てで書かれている。
作者が、特に重要視して説明したいところは図が示されている。
・給与体系
・株式市場亡き後の議決権
・配当、相続、積立
その後もジェンダーやテック企業の市場支配について書かれているが、作者の主張は概ね上の3つだろう。
さて、給与体 -
購入済み
経済思想をわかりやすく
前評判通り、読みやすかった。
なんていうか、ズバッと正解はこれだ!と言い切らないところがいい。まさしく娘に語るという味が良く出てます。