【感想・ネタバレ】父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。―――1万年前から現代まですべてを紐解く「資本主義」全からくりのレビュー

あらすじ

十代の娘の「なぜ、世の中にはこんなに格差があるの?」というシンプルな質問をきっかけに、元ギリシャ財務大臣の父が経済の仕組みを語る。「宗教」や「文学」「SF映画」など多彩な切り口で、1万年以上の歴史を一気に見通し、「農業の発明」や「産業革命」から「仮想通貨」「AI革命」までその本質を鮮やかに説く。

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本書は、経済危機に陥ったギリシャで財務大臣も務めた経済学者である父が、10代の娘に話すようなつもりで「経済」について書いた本です。専門用語(例えば「資本主義」とか!)を使わずに、今、世界で問題になっている「格差」や「金融市場」、ひいては「民主主義」なども含めて、経済というものをシンプルかつわかりやすい言葉で説明してくれます。しかも、文中では文学や映画、そしてギリシャ神話などを引いた説明が多くなされますし、娘に向けて書いたとあっても子どもに話しかけるような文体ではないので、「なるほど」と思わされ続けてあっという間に読み終わってしまいました。そして、作者は文中で娘に、つまり読者にいろいろな情報を与え続けますが、本当に作者がしたいことは読者に考え続けさせることなのだろうと感じました。経済について、表面的なことを知るだけではなく、自分で考えられるようになりたい方におすすめしたい良書です。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

経済のざっくりした流れのイメージをつけるのに良い本。
収容所でのタバコの価値を中心とした経済の話は面白く参考になった。

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2026年01月04日

Posted by ブクログ

2度読んだ
1度目は高校3年生のとき。
2度目は大学2年生のとき。
これを読んで市場社会への疑念を培った。
当たり前と受け入れていた社会の歪み。

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2025年09月12日

Posted by ブクログ

タイトル通り、10代の娘に話す口調で書かれていて、経済を映画や神話を例を挙げながら語っているので、わかりやすい。経済学の見方も180度変わった。こういう話を10代の時に聞きたかったし、今の若者にも読んでほしい。

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2025年08月09日

Posted by ブクログ

経済の基礎の基礎が分かってなくても、例え話な分かりやすくて理解できることが多かった。
ニュースで聞く経済用語や政策の意図が少し分かった気がする!ニュースを追ってたまに読み返して、理解を深めたいと思った。

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2025年04月19日

Posted by ブクログ

とても分かりやすく、難しい専門用語ほとんどなしで説明してあります。そして、この本が書かれてから6年近くたった今、その予想が当たっているのを目の当たりにできます。中高生に是非お勧めしたいです。

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2025年03月28日

Posted by ブクログ

交換価値の視点だけで世界を見ようとする経済学全般、そして特に新自由主義。それに対して、様々な喩えや思考実験でもって批判を展開していく。排出権取引もまた大気を市場経済に取り込もうとする企みである等、なるほどの指摘が多数。締めくくりの文章も素晴らしい。ただこの一見易しそうな文章を理解するには、やはり経済、特に貨幣や金融に関する基本的な知識やイメージを持っていないと苦しいのではないかと思った。

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2025年03月13日

Posted by ブクログ

経済についての話を歴史と紐付けて解説してくれている本。
今まさにAIテクノロジーが進歩して人に代替していく過程であり、過去の産業革命と照らし合わせて考えられることが多かった。

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2026年03月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

経済学の本を読んだ事無かったので、入門がてら読んだ一冊。
人間の感情抜きで考えるのが経済学だと思っていたので、ちょっと意外な展開。貯蓄や余剰の概念が生まれたから欲が生まれたからだろう...。
怒りや哀れみのぶつけ方にも気をつけなければ。

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2026年03月02日

Posted by ブクログ

タイトルからパッと想像した内容の本とは少し違っていた。経済の話というので、世俗的な話しや現代での立ち回りかなと思っていたら、現代の資本主義構造の成り立ちと変せんをざっくり書いた上でしっかり批判していて面白かった。経済学は占いや哲学に近しいと経済学者が言ってのけるのは気概を感じたし、その通りだなと感じた。
本書はわかりやすさを優先して解像度は荒い表現を多用していると感じるが現代の政治経済が抱えたいる問題や疑問はなぜその問題が立ち上がっているかを知らずして立ち向かえない。
一冊を通して最初の「なぜこんなに格差がうまれるの?」という疑問への明確な解決はわからない。ただ読み始めた時とは深度が変わっている。
しかし、だいたいどんな本読んでも結局資本主義経済の功罪がとりだたされるのが面白い。
あと宗教(たぶん主にキリスト教)も為政者が思い通りの世を形成して維持させるために「格差はあるんだよ」と維持させるために利用していたという側面にも共感できた。

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2026年02月15日

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「なぜ経済格差が存在するのか」という問いに歴史を紐解きながら説明した本です。
本書では、格差とは個人の能力の結果ではなく、「たまたま農業に適した土地にいた」「たまたま余剰を管理する側に回った」という歴史的な偶然と構造の問題だと説いています。
そしてこの格差を解消するためには、経済を専門家だけのものにせず、民主主義の手に取り戻すべきだと主張しています。

しかし、人間はわかっているのに競争を止められない生き物。市場社会は、人間を節度のない愚か者にしてしまうという難しさがあります。

また本書では『マトリックス』や『フランケンシュタイン』などの物語や寓話を引用しているのが特徴的です。これらは「人間が自ら作り出した経済システムに、いつのまにか支配されている」という構図を感覚的に理解させ、現実を批判的に見直すための鏡として機能しています。

現代の格差を象徴するのは、社会に不可欠なエッセンシャルワークより、金融やテックなどの業界のほうにお金が集まるという理不尽があります。
「経験価値より交換価値が優先される市場社会」では、エッセンシャルワーカーの重要性が報酬に反映されにくいのです。
市場社会では借金(クレジット)が未来の価値を現在に引き寄せます。テック企業や金融は、この「未来の期待」を最大限に利用できる業種です。逆に、エッセンシャルワークは「未来の利益」ではなく「今日の生活を維持する仕事」なので、投資家の期待の対象になりにくく、資本が集まりづらい構造があるのです。

未来への価値に信用をするという特殊なシステムの中で生活をしているということに、それこそSFのような不思議な世界で生きている感覚になります。

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2026年02月04日

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食料保存の話は私は初耳だったので興味深かった。でも本当にそれが理由かな?元々の知能みたいなのはないだろうかとと思うけど。

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2026年01月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

格差はどこから生まれるのか。なぜイギリス人がアボリジニを支配して、逆にアボリジニがイギリスを侵略することが起きなかったのか。本書はその問いから始まる。

人口の増加を狩猟で支えうことが出来なくなった社会は強制的に農耕へ移行するしかなくなり、農耕が余剰を生み出し、農耕が文字を、官僚制度を、軍隊を、権力を生み出したという、すべては余剰に突き動かされていた。オーストラリアはこれに従えば農地を耕さなくても生活の営みが可能だった。だから余剰を記録する文字も生まれなかった。

続いて市場社会の誕生の話に移り、かつては商品ではなかった、「労働力」、「土地」が囲い込みを通じて、かつて領主との使役関係にあった農奴は自由を得る代わりに土地から追い出され、唯一持つ労働力を市場を通じて取引をせざるを得なくなった流れが説明される。

不況の最中にむしろ人間と機械のうち人間の方が食べていかなければならないからこそ、労働力として安上がりになり、機械に奪われた仕事を逆に人間の雇用が取り戻すというのは、逆説的なようでいて考えていなかった視点だし、ラッダイト運動が目指したのは機械に奪われた仕事を取り戻すことではなく、機械を一部の人間が支配していたことに対する反抗であったことは知らなかった。

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2025年11月30日

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映画「マトリックス」のたとえ話はままあるが、
映画を観ていない人は分からないかもしれないと感じた。
「エピローグ」の中に、とても考えさせられる文章があった。

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2025年08月16日

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経済について分かりやすい言葉、ナラティブに乗せて解説。未来へ想いを託す語り口が良かった。決して偉ぶらず、分かりやすい。市場民主化できるかな

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2025年05月14日

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交換価値と経験価値の違いが興味深かった。コスパやタイパといった言葉からも、「交換価値」をいかに高めるかといった雰囲気が現代には充満していると思う。本書は経済がいかに人間臭い学問かを教えてくれる。

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2025年04月06日

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経済の入門書的な立ち位置としても使える一書。数年前に買って、最近もポップや帯や平積みされていたから、「よっしゃ読み切るぞ!」と決意して残り100ページくらいを読めた。マルクス経済のエッセンスも入ってるので、バランスが取れていると思う。
元国の大臣だったこともあり、話がリアル。歴史から現代まで、誰に対しての本(今回は娘)なのかが明確になっていると書くべきことも明確になり面白くなるだろうなと、物作りのコンセプトの大事さを学ぶ。

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2025年02月03日

Posted by ブクログ

資本主義経済の成り立ちについて、原子の時代から今までの流れをとても平易な形で記されており、読んでいてすっと入ってきた

特に印象に残った話は
・グローバル貿易で、羊を飼うために農奴が追いやられたことで、労働市場が形成された
・産業革命がイギリスで起こった理由として、軍隊が弱く貿易に頼るしかなかった・農奴の立ち退きを支援する王家があった・土地の所有権が一定規模で集約されていた
・分配が生産に先立つことにより、借金が生産プロセスに欠かせない一部になり、利益を追求するようになった
あたり

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2025年01月05日

Posted by ブクログ

面白かった。
「なぜ格差が存在するのか」という問いから始まり、経済史や金融の役割などの話を分かりやすい言葉で説明してくれた。進んでいくと、人としての在り方のような話になり、興味深かった。
市場社会は人間の欲望を永遠に生み出す、という文があり「足るを知る」という言葉を思い出した。

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2024年12月18日

購入済み

経済思想をわかりやすく

前評判通り、読みやすかった。
なんていうか、ズバッと正解はこれだ!と言い切らないところがいい。まさしく娘に語るという味が良く出てます。

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2020年07月02日

Posted by ブクログ

2025/10/08
著者の意図「君には今の怒りをそのまま持ち続けて欲しい。でも、賢く戦略的に怒り続けて欲しい気が熟したら、その時に必要な行動をとって欲しい。この世界を本当に構成で理にかなったあるべき姿にするために」

交換価値と経験価値p50
交換価値は、お金と商品の交換
経験価値は、本人の意思と経験との交換(献血を無料でやることや、溺れている人を助けること)
そこにお金が発生すると、経験と交換を嫌がる人がいる
→感謝の意を伝えるときに、対価が必要でない時がある

p124
狩人のジレンマールソーの寓話?
集団で狩りが必要な鹿と、個人で狩りが可能なうさぎ
鹿を狩ることで、数日間は仲間内で全員助かるが、彼なければ手ぶらで帰ることになる。うさぎであれば、その日のご飯にはありつけるが、毎日からなくてはならない。
狩人はもし鹿を狩ることができなければ手ぶらで帰ってしまう心配と、目の前のうさぎを狩らないように意識を作ることのジレンマに駆られる
→自分とチームを信じることが大切、信じさせることが大切

労働力と賃金
賃金が2割下がることにより、経営者は給料2割安く払うことで助かる面がある。そこで浮いた2割の金額で新しい労働者を雇うことができ、生産性を上げることができる。しかし、世の中の労働者が2割給料が削減されると、購買力も低下する。そこで、自分が売っているものを労働者が買えなくなることを懸念すると、新しい従業員は雇えなくなる。
経済において、集団が全員楽観的であれば、楽観的が事実になる。全員が悲観的であれば、悲観的なものが事実となる。
→実際の事実よりも、みんなの感情や思いが事実となる

支配者だけが国を支配する権利を持っているように振る舞うと、庶民は支配者が権力を維持することができる。その物語や理想感、宗教を作り込むことが大事。
→洗脳、まずは価値観のラベリングをしてから行うと測りにくいのかな?

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2025年10月08日

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経済とは市場とは何かをイメージしやすい様に
映画や日常を喩えに書いてある。
原始的というか、ややこしい経済や市場に対する考え方に対して、概念的というか骨組み的な感じで書いてある。
わかりやすい例もあったが、思想的なところでイメージし辛く感じるところもあった。

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2025年08月15日

Posted by ブクログ

投稿した順序が逆になったが、同著者の「テクノ封建制」からの流れで手に取った。気づきようもなく経済市場にどっぷりと浸かった生活を送り「交換価値」としての地球破壊に加担させられている、また生活するために一部の金持ちに搾取されている、そんなそんな構造が垣間見える一冊となった。

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2025年08月13日

Posted by ブクログ

たとえ話を多く用いて、経済とは、市場とは何かを解説してくれる本。
生き残るために必死になった結果、余剰を生み、その余剰が生み出したものが必死にならなかったものを淘汰する。この結果は環境が生み出したものであり、それ以外に差はない。

すべての民主化か商品化か、それしか選択肢はないのだろうか。

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2025年07月21日

Posted by ブクログ

通信大学の単位を取るために、勉強していてその中で読みました
最初は少し難しかったので。2回読みました
2回目になると理解出来てきた
ストーリー仕立てなので、
飽きずに最後まで読めた

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2025年04月26日

Posted by ブクログ

経済の基本的なことが平易に書かれていて、専門用語も少なくわかりやすい。例え話が多く、時折説明が回りくどいと感じる部分もあったが、全体的に理解しやすい内容だったと思います。

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2025年04月15日

Posted by ブクログ

京大卒で現ケンブリッジ大で研究者をしている友達の、お父さんおすすめの1冊。
鉄銃病原菌のジャレドダイヤモンドの話を友達としていて、この本が出てきて読んでみた。

上手くまとめられているけど、後半読みずらい。
途中で挫折しそうになった。。

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2025年04月08日

Posted by ブクログ

様々な例え話や神話を使って経済を分かりやすく伝えようとしているのはわかるが、余計に遠回りになっていることもあって、あまりピンとこないところも多かった。

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2025年03月16日

Posted by ブクログ

経済学の諸概念を難しいデータなどを使わずに説明した1冊。
「誰もが経済についてしっかり意見を言える」という「経済の民主化」を筆者が大切にしていることに首肯した。
所々、「根拠は?」と疑ってしまう部分があるので、この本をきっかけにさらに経済学を勉強したくなった。

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2025年01月19日

Posted by ブクログ

経済の誕生から現在の流れまで、色々な表現で教えてくれる本だと思う。特に収容所のタバコの話なんかはすごくわかりやすかった。実際に働いてお金を稼ぐ事がどういう事なのかをもう一度考えるいいきっかけの本だと思うので、是非おすすめしたい一冊。

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2025年01月03日

Posted by ブクログ

序盤にあった、なぜヨーロッパからオーストラリアへと侵攻し逆は起きなかったのか、と論じていたところが面白かった。
(このような話を主に扱う関連図書を見つけて読みたい)

ギリシャ神話やマトリックスなど色々な物語などが例に使われているものの、その作品を知らずに理解しにくかった点もしばしば。

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2024年12月31日

Posted by ブクログ

わかりやすいと言えばわかりやすい 説明は簡単な言葉でされていてわかりやすいんだけど、それが自分の実生活の中でどう反映されているのかというイメージがあまり浮かばなくて、途中から飽きてきてしまった。

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2026年01月12日

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