松家仁之のレビュー一覧

  • 沈むフランシス(新潮文庫)

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    なんという綺麗な本なの。
    聞いている音を通して、実際はわたしはただ活字を読んでるだけなのに、景色がとても鮮明に美しく広がる。


    清少納言の枕草子
    「春は、あけぼの。やうやうしろくなりゆく山やまぎは、すこし明あかりて、紫むらさきだちたる雲くもの、細ほそくたなびきたる。」
    に通じるものがある。

    本作
    「春はまず空からやってくる。」
    「抜けるような青空でもなく、雪を生むぶ厚い雲でもない、かすみで薄ぼんやりした白く明るい空が広がるようになった。」



    御法川さんが見た夕焼けのシーンでは、自然と涙があふれてた。
    目の前は本なのに、御法川さんの言葉でわたしのまわりが雲とオレンジの夕焼けが広がった。

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    2025年03月26日
  • 火山のふもとで(新潮文庫)

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    昔の良質な日本映画を見ているような感じがした
    登場人物が頭の中で勝手に、岡田英二、原節子、三国廉太郎、高峰秀子の姿で動くので、とっても楽しかった

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    2025年03月19日
  • 沈むフランシス(新潮文庫)

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    連綿と続く川の流れの中で意図せず出会い意図して一緒に過ごすことを選んだふたり。
    フランシスに堰き止められ灯りを灯し続ける未来が垣間見えた矢先に沈むフランシス。
    連綿と続く川の流れの中で今度はふたり離れずにどこまで寄り添い流れるんだろうか。
    そうかもしれないし枝分かれする川の流れに逆らえず手を離してしまうかもしれない。

    流れてときにとどまる煽りだけは確とした揺るぎない自分自身ですよね覚束なくとも。

    …ジャケ買いしたんですが。
    (雪の結晶鼻に乗ってるし…)

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    2025年03月17日
  • 火山のふもとで(新潮文庫)

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    丁寧かつ親密な手紙を読むような多幸感。綴られる文章は的確で、その場に自分が居るように情景が浮かぶ。緩やかな時間の流れと感情の機微を捉えるディテール。建築への愛情、仕事への情熱、寡黙で誠実な師への尊敬、才能への嫉妬、秘めやかな恋。隅々まで繊細な為、読み進めるうちに少々疲れてくるが、清冽ながら密度の濃い読書時間を過ごせた。

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    2025年03月16日
  • 沈むフランシス(新潮文庫)

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    松家仁之『沈むフランシス』新潮文庫。

    デビュー作の『火山のふもとで』を皮切りに本作の『沈むフランシス』『光の犬』と、3ヶ月連続で新潮文庫から刊行されるようだ。

    タイトルの『フランシス』とは一体何か。表紙に犬かキツネのような生き物の顔の写真が掲載されているが、これが『フランシス』ではない。読んでみてのお楽しみなのだが『フランシス』とは全く予想外の意外なものだった。

    自然豊かな北海道の小さな村を舞台に描かれる男女の恋愛の物語。静謐な自然を背景に儚くも、綺麗ごとだけでは済まない恋愛の形が少しずつ明らかになっていく。

    他人との付き合いに煩わされることなく、自分のことなど誰も知らない自然豊かな田

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    2025年03月04日
  • 優雅なのかどうか、わからない

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    前に井の頭公園の近くに住んでいたこともあり、映画のように映像が浮かび上がってきたわたしはラッキー!
    松家さんの作品は3作目ですが、わたしの中での評価はこんな感じです。
    火山のふもとで>優雅なのかどうか、わからない>沈むフランシス

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    2021年02月04日
  • 新しい須賀敦子

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    確かに、何度も読みたくなる文章というのはあんまりないし、それが ”いい文章” ということだと思う。

    須賀敦子の文章は、時々読み返したくなるし、何度でも読みたくなる。

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    2016年05月18日
  • 新しい須賀敦子

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    須賀さんの魅力がぎっしり詰まった本書は、2014年に神奈川近代文学館で開催された
    「須賀敦子の世界展」に付随するかたちで行なわれた対談や講演を軸にまとめられたもの。
    文章を書くためには「ある種の力が湧いてくるまで」ひとりで考えること。それがはやくから分かっていた須賀敦子さんだったからこそ、執筆にとりかかるまでに時間が必要だったのかもしれないけど‥作品を通じてもっともっとお会いしたかったと思う。

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    2016年03月08日
  • 優雅なのかどうか、わからない

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    ネタバレ

    離婚して古い一軒家を条件付きで借りることになり、
    自分好みにリフォームを進めるなかで、既婚時代に付き合っていた佳奈が近所に住んでいる事実がわかった。

    アメリカに留学中の手のかからないできた息子には、同性の恋人がいて、
    佳奈の父の手術後の認知症が進行するのを見守り手伝いながら
    気ままな野良猫のふみの愛想の良さに和む日々。

    季節が変わる頃には、改装した一軒家も大家さんの都合で引き渡さなければならなくなり
    佳奈との関係も曖昧なまま、ふみとの別れ。

    一見優雅だろうけれど、孤独でもある。
    岡田氏が説明することにたいして、別れた妻がそんなに得意になって説明しなくていい、
    ってところがたしかに男の人っ

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    2015年07月07日
  • 優雅なのかどうか、わからない

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    2作目同様、中編くらいの軽い小説なので、やはり物足りなさを感じる。ストーリーはやや妄想に近いけど、文章が巧いので今回も楽しめた。村上春樹のように比喩が独特で、料理を作って食べたくなる(笑)
    2作目のレビューでも書いたけど、次作こそ長編を期待しています。

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    2015年04月20日
  • 優雅なのかどうか、わからない

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    40代男の悶々とした日常。そこが丁寧に綴られていてイイ!登場する女性陣に言われる様々な事にまたまた悶々とする描写が良かった。

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    2015年04月11日
  • 優雅なのかどうか、わからない

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    おしゃれで、結局は優雅なんじゃないの!とやっかみ感を残すような作品かと思ったが、様々なことが起き、テンポの良い展開で一気に読めた。が、結局は不景気といえども高給取りの悠々自適な生活じゃないと思ったり。
    不倫の恋に終わりを告げ30半ばで父親と二人暮らしを選択した

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    2015年03月03日
  • 優雅なのかどうか、わからない

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    離婚からマンションを出て古い一軒家へ移り住む。
    上司から「気ままなひとり暮らし。これを優雅と言わずしてなんと言う」と言われる。
    かっての恋人、佳奈との再会。
    どう向き合えば良いのか。48歳の現実がそこにはある。
    日々の暮らしが静かに、そして丁寧に描かれる。
    優しい文章の中に男臭さが感じられる時もありハッとさせられる。次回作がもう待ち遠しい。

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    2014年12月05日
  • 天使も踏むを畏れるところ 上

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    先の大戦後、新しい皇居=新宮殿がいかなる顛末で建てられたのか、建築家をはじめ宮内庁の職員、侍従など、その難事業に関わった様々な人々の生き様を交えながら、事実をベースにフィクションとして再構築して描く、なんとも濃厚な物語。
    天皇家の面々の一般人には見えなかった姿も(それが事実かは別として)赤裸々に描かれていて、戦後新しい皇室を模索しながらも、“民間”ではない戦前の皇室と、“民間”を受け入れた戦後の皇室の軋轢などはさもありなんと思わされた(美智子様、雅子様の苦労よ。。)。
    しかし、主要な人物の個人的な生き様まで詳細に記述されるため、あれ?これ新宮殿建てる話しだよな?と本題どこいった状態になりがち。

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    2026年01月28日
  • 火山のふもとで(新潮文庫)

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    「軽井沢の山荘」で有名な建築家の吉村順三がこの本の「先生」のモデルになっている。

    建築のディティールだけでなく、あらゆる描写が丁寧で、細かい。軽井沢の東京よりもひんやりとした澄んだ空気感、鳥の鳴き声や羽ばたき、建築素材の質感まで、頭の中で繊細に浮かび上がる。

    小説として大きな展開はほとんどないが、偉大な建築家の先生の元で過ごした、駆け出し建築家の青春がぎゅっとつまっている。

    個人の建築設計事務所ってめちゃくちゃブラックで多忙で薄給のイメージがあるのだが、こんなにホワイトな事務所があるのだろうか…?

    年末で仕事が忙しかったこともあり、細かい描写が多くて、物語の起伏も少ない本だったので、読

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    2025年12月24日
  • 天使も踏むを畏れるところ 上

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    『火山のふもとで』がとてもよかったので、登場人物が被る分どうしても比較してしまう。皇室のことなど史実的な記述が多く、また新宮殿の建設がメインにある以上、建築の専門的な内容も多く、あまり興味が持てなかった。

    下巻、最後まで読み通せず。

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    2025年10月13日
  • 光の犬(新潮文庫)

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    北海道の地方の街を主な舞台として、3世代にわたる家族の日常を淡々と描いた物語。びっくりするような事件があるわけでもなく、人が生まれ、生き、出会い、別れ、老いて死んでいく様子が妙な飾りもなく進行する。この作者の本は建築や周囲の自然等も巧みに描かれていて、目に浮かぶというより匂ってくるかのような印象。ボリュームはあるけれど、読む方も力を入れずに読める不思議な一冊。

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    2025年09月22日
  • 天使も踏むを畏れるところ 下

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    侍従西尾氏ほかが殿下、妃殿下のことを語り合う場面でそれぞれ長男、お嬢さんと名付けるのが何ともよく、いっぽう美智子妃のご結婚以降の生活を思うに辛いものがある。

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    2025年07月28日
  • 火山のふもとで(新潮文庫)

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    ネタバレ

    すごく高尚な感じの小説でした。
    この作者は建築家なのか⁈ってぐらい建築に詳しい。
    専門的な話が多すぎて素人には難しかった。
    建築好きな人にはたまらない話だろうと思う。
    この作品にはモデルになった建築家がいると見たので
    どれぐらい実話に基づいてるのかは見てみたくなった。

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    2025年07月27日
  • 火山のふもとで(新潮文庫)

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    設計事務所で働く人々と、主人公の「夏の家」での思い出。
    北浅間の自然の中で、静かな時間が流れる。
    美しい文章と美しい物語に、心が洗われました。
    心のデトックス効果抜群の小説。
    避暑地に行きたくなります。

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    2025年07月15日