松家仁之のレビュー一覧

  • 天使も踏むを畏れるところ 上

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    先の大戦後、新しい皇居=新宮殿がいかなる顛末で建てられたのか、建築家をはじめ宮内庁の職員、侍従など、その難事業に関わった様々な人々の生き様を交えながら、事実をベースにフィクションとして再構築して描く、なんとも濃厚な物語。
    天皇家の面々の一般人には見えなかった姿も(それが事実かは別として)赤裸々に描かれていて、戦後新しい皇室を模索しながらも、“民間”ではない戦前の皇室と、“民間”を受け入れた戦後の皇室の軋轢などはさもありなんと思わされた(美智子様、雅子様の苦労よ。。)。
    しかし、主要な人物の個人的な生き様まで詳細に記述されるため、あれ?これ新宮殿建てる話しだよな?と本題どこいった状態になりがち。

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    2026年01月28日
  • 火山のふもとで(新潮文庫)

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    「軽井沢の山荘」で有名な建築家の吉村順三がこの本の「先生」のモデルになっている。

    建築のディティールだけでなく、あらゆる描写が丁寧で、細かい。軽井沢の東京よりもひんやりとした澄んだ空気感、鳥の鳴き声や羽ばたき、建築素材の質感まで、頭の中で繊細に浮かび上がる。

    小説として大きな展開はほとんどないが、偉大な建築家の先生の元で過ごした、駆け出し建築家の青春がぎゅっとつまっている。

    個人の建築設計事務所ってめちゃくちゃブラックで多忙で薄給のイメージがあるのだが、こんなにホワイトな事務所があるのだろうか…?

    年末で仕事が忙しかったこともあり、細かい描写が多くて、物語の起伏も少ない本だったので、読

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    2025年12月24日
  • 天使も踏むを畏れるところ 上

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    『火山のふもとで』がとてもよかったので、登場人物が被る分どうしても比較してしまう。皇室のことなど史実的な記述が多く、また新宮殿の建設がメインにある以上、建築の専門的な内容も多く、あまり興味が持てなかった。

    下巻、最後まで読み通せず。

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    2025年10月13日
  • 光の犬(新潮文庫)

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    北海道の地方の街を主な舞台として、3世代にわたる家族の日常を淡々と描いた物語。びっくりするような事件があるわけでもなく、人が生まれ、生き、出会い、別れ、老いて死んでいく様子が妙な飾りもなく進行する。この作者の本は建築や周囲の自然等も巧みに描かれていて、目に浮かぶというより匂ってくるかのような印象。ボリュームはあるけれど、読む方も力を入れずに読める不思議な一冊。

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    2025年09月22日
  • 天使も踏むを畏れるところ 下

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    侍従西尾氏ほかが殿下、妃殿下のことを語り合う場面でそれぞれ長男、お嬢さんと名付けるのが何ともよく、いっぽう美智子妃のご結婚以降の生活を思うに辛いものがある。

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    2025年07月28日
  • 火山のふもとで(新潮文庫)

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    ネタバレ

    すごく高尚な感じの小説でした。
    この作者は建築家なのか⁈ってぐらい建築に詳しい。
    専門的な話が多すぎて素人には難しかった。
    建築好きな人にはたまらない話だろうと思う。
    この作品にはモデルになった建築家がいると見たので
    どれぐらい実話に基づいてるのかは見てみたくなった。

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    2025年07月27日
  • 火山のふもとで(新潮文庫)

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    設計事務所で働く人々と、主人公の「夏の家」での思い出。
    北浅間の自然の中で、静かな時間が流れる。
    美しい文章と美しい物語に、心が洗われました。
    心のデトックス効果抜群の小説。
    避暑地に行きたくなります。

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    2025年07月15日
  • 沈むフランシス(新潮文庫)

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    タイトルと装丁から 動物絡みのサスペンスかな?と思ったわたしは いい感じで裏切られる。大人の恋の話じゃありませんか?恋愛小説だったんだぁ〜!筆致が大人。たまには こういうのもいいなと思う。途中収集された音の描写が これでもかというくらい繰り返されるのが 個人的に う〜ん の感じ。大人だからかほどほどの距離感で深まっていく関係…んなわけないじゃん!とツッコミいれながらも 大人だからねーで。桂子目線じゃなく和彦目線なら どんな話になるんだろう?と 余計なことを考えてしまいました。

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    2025年06月07日
  • 光の犬(新潮文庫)

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    架空の街に暮らす三世代を取り巻くストーリー。時系列に沿わずエピソードが展開されるので少しとっつきづらかったけど、リアリティある描写が多く小説を読むというより身近な方の話を聞いてるような感覚もあった。特に死に感するくだりは身につまされた。

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    2025年05月27日
  • 天使も踏むを畏れるところ 下

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    昭和の新宮殿は、設計者が降りるという事態になる。そういう事だったのか…。
    昭和の建築史と思って読んでいたのだけれど、昭和の皇室と宮内庁の歴史小説、という感じだった。
    現実の皇室は、次期天皇となるであろう方の大学進学で、女性週刊誌を中心にニギニギしくなっているけれど、少しづつ変わっていくのだろうか?

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    2025年05月03日
  • 天使も踏むを畏れるところ 上

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    空襲で焼けた宮殿を新しく建て直すことになった。それにかかわった人たちを通して、戦後日本の皇室を中心とした復興の過程を、建造物が造られていく事に主軸を置いて描くフィクション。
    上巻の初めは、宮内庁の技官として宮殿再建に関わる杉浦と、建築家村井の若い頃の姿を描く。中盤からは、時の政治家や宮内庁職員、侍従などが登場し、ほとんど昭和戦後史の様になっている。

    「火山のふもとで」を彷彿とさせる浅間山山麓の別荘なども登場する。東京オリンピック開催が決まり日本は高度成長期へと向かっていく

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    2025年04月30日
  • 光の犬(新潮文庫)

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    松家仁之『光の犬』新潮文庫。

    デビュー作の『火山のふもとで』を皮切りに『沈むフランシス』、本作『光の犬』と、3ヶ月連続で新潮文庫から刊行。

    明確な主人公が不在で次々と語り手の視点が変わることに戸惑うばかりの普通の家族の終焉が描かれる小説で面白味は感じられない。確かに家族と暮らした北海道犬は登場するものの、タイトルの『光の犬』から想像されるような物語ではない。

    3ヶ月連続刊行された中では、最初の『火山のふもとで』がしっかしりしたストーリーとメッセージを含んだ小説だったように思う。『沈むフランシス』や本作『光の犬』に至ると凡人の自分にはちんぷんかんぷんといったところだ。

    時代が進むにつれ、

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    2025年04月05日
  • 火山のふもとで(新潮文庫)

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    夏の間、避暑地の「夏の家」に事務所機能を移転させる建築事務所の人達を主軸に据えた小説。


    序盤〜中盤迄は小説のジャンルがよくわからず、情景描写が多い&細かい(建築がテーマなので仕方ないけれど)うえ、物語も平坦なので読み進めるのに苦労しました。
    中盤では男女描写が増え、優柔不断男の恋愛モノなのかな?、と勘違いしちょっと辟易してしまうという‥。

    しかし、後半から物語の重厚さを感じ始めて気付けば読み終えていた結果に。読んでよかったです。中々深く思いをはせることのない、建築士という人種の在り方を伝えてくれる良き人間ドラマを描いた小説でした。


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    2025年03月18日
  • 沈むフランシス(新潮文庫)

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    ただ何も考えずに読みたい時に良い¨̮⃝

    恋愛話だけじゃなくて自然の素晴らしさと恐ろしさもすごく伝わる内容だった。

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    2025年03月11日
  • 火山のふもとで(新潮文庫)

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    2025年2月17日、グラビティの読書の星で男性がMARUZEN&ジュンク堂 書店の検索機で調べたレシートみたいなの2枚と「流行りの本を買った」という言葉を添えて投稿してた。②

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    2025年02月17日
  • 優雅なのかどうか、わからない

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    出版社に勤務する主人公の岡田匡は、48歳で離婚したばかり。
    住んでいたマンションは元妻に明け渡し、吉祥寺の築50年以上の一軒家をアメリカに移り住む老婦人から借り受けることになる。
    大家の老婦人は、内装など自由に施工することを承諾してくれ、老朽化した家を自分に合った住まいに作り上げて行くことになる。
    匡は趣味趣向に拘りがあり、知人の建築家のアドバイスを受けながら納得の行く改築を楽しい思いで進める。
    独り身になった匡は、周囲から「気ままな一人暮らし。優雅ですね」と言われるが、優雅と云う実感には程遠く、自分ではピンとくるものは全くなかった。
    何の問題も無く、順調に一人暮らしが始まったと同時に、偶然に

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    2024年06月20日
  • 優雅なのかどうか、わからない

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    「火山のふもとで」「光の犬」がすごく好きで、以来少しずつ読んでいる作家さん。

    40代後半での離婚。井の頭公園近くの古い一軒家を借り受け、思い通りに手を加えていく主人公。
    インテリアを初め、物へのこだわりが半端じゃなく、まあ裕福なのねと少々鼻白む。それでいて「優雅なのかどうか、わからない」って、十分優雅なんですけど。

    それでも、松家さんの文章は心地よくてずっと読んでいたくなる。家の貸主の老女・園田さんやかつての不倫相手・佳奈、離婚した妻、アメリカ留学中の息子、そして家に居付くキジトラの猫・ふみまで、登場人物(猫)全てが生き方に潔さがあって清々しい。
    結局何ということもなく終わるんだけど、人生

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    2021年11月26日
  • 優雅なのかどうか、わからない

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    出版社に勤める匡は、離婚し井の頭公園近くの古民家に一人住まいを始めた。米国に住む息子と同居することになった女主人から、外観を変えなければリフォームしても良いし、リフォーム代は実費を出す。その代わり、自分が米国から帰ることになったら出ていってほしい、という条件で住み始める。匡は、古民家を自分の好みにリフォームし始める。ちょうどその頃、以前付き合っていた(不倫していた)佳奈と再会する。佳奈は、匡の家の近くに父親と住んでいた。

    たぶん松家さんの好みのオシャレな古民家リフォーム、独り身の男性の優雅な食生活。元カノとのオシャレな関係。佳奈の父親の介護という件はあるものの、どう考えてもこれは「優雅」でし

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    2021年09月14日
  • 優雅なのかどうか、わからない

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    ネタバレ

    離婚をした。から始まる文章、妻の攻撃性をさりげなく強調していく感じ、その上で「そうは言っても、そもそもの非はこちらにあるのだ」ときて、ああ~不倫ね、不倫した側の人ってこういう話し方するよなあと白けた気分で読み始めた。……はずなのに、文章があまりに心地よいので引き込まれてしまう。
    古民家の改装は素直に素敵でうらやましいなあと感じるし、日々のご飯は美味しそうで、猫や鳥たちとのやり取りも楽しく、そういう日々のいろどりが過不足なく、坦々とつづられていく。作中の女性は佇まいや所作が浮かんでくるようで、お話の中で落ち着いた光を放っており魅力的だ。

    冷静に考えれば、しょうもない不倫男である主人公の反省のか

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    2020年06月22日
  • 優雅なのかどうか、わからない

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    宇宙人の視点を気にしているところが二箇所ほどありなんか笑った。それにしても家の中をきれいにしているので少し自分の家もなんとかすべきだと反省した。このあとどうなるのだろうか。でもワタシ的には別棟で生活するのが理想かな。

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    2018年12月03日