松家仁之のレビュー一覧

  • 光の犬
    松家さんの火山のふもとで、沈むフランシスにつぐ3作目
    前2作ともとても好きなので、だいぶ前に購入していたのだけど
    静かに、落ち着いて読む気持ちになかなかなれず
    5日頃からやっと読み始めて、少しずつ読み続け、幸せな時間を過ごした
    ハッピーエンドとか、推理小説とか、全然そういうことはなく
    淡々と家族それ...続きを読む
  • 光の犬
    多様なジャンルの知識がてんこ盛りで、勉強になる、かつ、しんどい。それはそのまま、登場人物達の人生を思わせる。消失点という表現が素敵。陳腐な言い方だけれど、大河ドラマを見終えた気分だ。
  • 光の犬
    冒頭の一文に惹かれて購入。北海道の一家の歴史、人と犬と家族を淡々と描いている。静かな中にも起こる人生のうねり、行きつ戻りつする時間の流れにいつの間にか引き込まれて、一気に読んでしまった。感動とはまた違う、じわっとした波紋が心に広がる一冊。言葉にするのが難しい…。
  • 火山のふもとで
    東京に出張の際に読もうと決めてた一冊。たぶん吉村順三がモデルとなったと思われる先生と、駆け出しの所員のぼく。「夏の家」は私には無かったけど、同じように何かを学び生み出すことに必死だった新人時代を思い出しながら読んだ。大好きな一冊になった。感涙。
  • 火山のふもとで
    「考える人」という季刊誌が好きだった。準備号から始まる定期購読を申し込み、その分厚く少しばかり変わった組み合わせの文章の並ぶ雑誌が届くのをいつも楽しみにしていた。ジュンパ・ラヒリの翻訳が載り、養老孟司の随筆が載り、橋本治の古典芸能への考察が載り。中でも建築家中村好文の住宅に関する文章が好きだった。そ...続きを読む
  • 火山のふもとで
    「夏の家」では、先生がいちばんの早起きだった。--という書き出しで始まる物語に、その瞬間から引き込まれていた。浅間山の麓にある山荘。夏の間、軽井沢の別荘地にあるその山荘に事務所機能を移すのが習わしである設計事務所に入所した、「ぼく」の目線で語られる静謐で、甘美な物語。
    美しい言葉で語られる軽井沢の自...続きを読む
  • 沈むフランシス
    道東の自然を求めて移住してきた女と男。女は都会の喧噪と人間関係に疲れて、男は違った事情がある。女は純然と道東の自然とノスタルジアを求めているが、男は私生活が複雑だ。そして生き方も趣味的だ。そんな2人が出逢って愛し合う事に筋書き場の整合性を求めても無駄だろう。「女と男はそう言う物」と作者は思っているに...続きを読む
  • 火山のふもとで
    端正な文章で描かれた青春小説の傑作、しかもこれがデビュー作ということなのだから驚くしかないのだった。

    あそうそう雪子が呼び捨てなことにはずっと違和感あったんだけどラストまで読んでなるほどねと。
  • 火山のふもとで
    著者のデビュー作となる長編小説。
    舞台は1980年代の東京、軽井沢。小説の中の時間と、空間がすがすがしい。
  • 火山のふもとで
    ふだん単行本で小説を買うことはあまりないのだけれど、友人の編集者に勧められ、なんどか手に取ることになりそうとの予感もあって購入。予感は的中。

    浅間山のふもとにたたずむ、老建築家の「夏の家」こそがこの小説の主人公である。端正な造型を身上とする建築家と、彼を敬愛する個性的な所員たち。大規模なコンペに立...続きを読む
  • 優雅なのかどうか、わからない
    ミア・ファローが、じっとこちらを見つめている。その右頬あたりに白抜き、横書き三段組でタイトル。同じフォントの漢字の上に小さくローマ字を添えた作者名。映画かファッション関係の雑誌のような装丁だが、著名な編集者でもある著者三冊目の小説である。なぜ表紙がミア・ファローなのかは読めばわかる。処女作が軽井沢、...続きを読む
  • 優雅なのかどうか、わからない
    装丁は鈴木成一さん。なぜカバーの表紙が外国人なんだろう。髪型はベリーショートで佳奈を思わせるけど。
    カレル・ファブリティウスの絵は印象的。
    暖炉の燃やし方。私はふみふみというけれど、メイク・ブレッドの好きなふみ。吉祥寺の古い家。アメリカで同性と暮らす息子。親の介護。不倫と離婚。
  • 優雅なのかどうか、わからない
    吉祥寺が舞台!2人が行ったお店はここかしら、とか、2人が歩いた場所はあそこかしらと思いを巡らせながら一気読み。
    古い一軒家を少しずつリノベーションしていくところがとても素敵♪

    でも、どうしてこの装丁なのでしょう。火山のふもとでの装丁は素敵だったのに…。この表紙だけが残念。
  • 火山のふもとで
    どうしてもノルウェイの森を思い出してしまうが、建築を題材にしているところが新鮮で、自然や喪失感も感じられる、とても良い本だった。
  • 火山のふもとで
    良かった。
    小説の世界に浸った。
    デビュー作とは驚き。

    できれば、出てくる建物の見取り図が欲しかったなあ…
  • 沈むフランシス
    表紙可愛い。鼻にのった雪の綺麗な結晶。
    年齢や状況が少しだけ近くて、よいタイミングで読めた。
    四十路前でまっさらな男なんて逆に気持ち悪いわな。
    余計な情報入れてくる立木がうざい。
  • 火山のふもとで
    ストーリーをかたづくる、
    ディティールがとにかく精緻で静かに描かれています。
    心象を伝える時の風景や下地は、
    知識の場合、説明になりがちですが
    この人の文章は全てが読み手が頭に
    世界を浮かべるためのシーンになります。
  • 火山のふもとで
    自然の中で静かにでも必死に時間が進んで行く
    こんな風に建築を見れる日は私にも来るのかな

    建築をこれから勉強しようと思ってる私
    人と建築が1つの本に凄く良い感じに入ってて、
    これから勉強スタートする私は現在やる気に満ちてる

    フランク・ロイド・ライトがそんな壮絶な人生とは全然知らなかったなあ、

  • 泡

    毎日が同じことの繰り返しで、自分が機械の一部になったような気持ちになったことはありませんか?しかも、何かの権威に服従するような形で。思い返せば中学高校の生活は、そうなのかもしれません。みんなが慣れていく中、そして、それが大人になることと教えられる中、それに耐える日々は苦痛かもしれません。本書は、その...続きを読む
  • 火山のふもとで
    建築家たちの専門的な話が多くて難しいが、じっくり読むとなかなか面白い。恋愛要素もあるけれど、それ以上に先生の存在の大きさを感じた。