P・F・ドラッカーのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ18年も前の著作なんで、もはや常識と化してるか時代遅れになってるかどっちかだろうなーと軽く斜に構えながら読み始めたんだけど、今更ながら結構ノックアウトされた。
特に中盤からの、成功の炙り出しと理由の追及とかはやったことなかったわーと。いつも駄目だったことはオートで落ち込んで反省するんだけど、できたことはできて当然というか(何をもって成功とするかにもよると思うけど)あまり考えたことなかったので目から鱗。無理矢理ポジティブシンキング!じゃなくて更に上を目指すための冷静な視点が、あ、これならちょっとやれそうかも、と。あと「戦略的廃棄」ってこれ断捨離じゃんブームとか見えていたんでしょうか慧眼だのう。
そしてこんだけ時間をかけて未来の成功について語ってるのに、「知識社会では、成功が当然のこととされる。だが、全員が成功するなどということはありえない。ほとんどの人間にとっては、失敗しないことがせいぜいである。」とかひっくり返しちゃう所が「マジですかー!」ってオチ。えぇそうですよ「失敗しないことがせいぜい」の「せいぜい」をウロウロと探し求めているのですよ。(だから第二の人生を持てという教えなのですが、第一の人生でさえフラッフラなのにどうやって第二をねじ込むのかが分からずそこは保留)。
発売当初に読んでいたら人生変わったかもなーと思う。当時ベストセラーなのは知ってたけどオッサンの礼賛率が高くて何か食わず嫌いしていた自分の馬鹿馬鹿。(当時の自分に中身の価値が分かったかどうかはまた別)。これから実践できるかどうかもまた別だけど、ちょうど新年なので少しくらいは自分の生活に取り込んでみたいと思う。「本書は行動への呼びかけである」って書いてあるし。そしてうちの前近代的な社長にもぜひ読ませてみたいもんだとひそかに思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ毎回思いますが、ドラッカーって凄いですね・・・。トップマネジメントからセルフマネジメントまで網羅できる所がすごい。でも、だからこそ、今まで自分は読んでは挫折を繰り返してたんだよなぁ。
気になった文章
~世界情勢~
p71. 「それにもかかわらず、今後数十年にわたって、保護主義の波が世界を覆うことになる。なぜならば、乱気流の時代における最初の反応は、外界の冷たい風から自らの庭を守るための壁づくりと相場が決まっているからである。」
p73. 「しかるに、政治的な国境はなくならない。それどころか、EU、NAFTA 、南米のメルコスールなどの地域経済共同体の成立が、国境の意味を減ずることはとうてい考えられない。国境を超越することはさらにありえない。」
2016年、英国の欧州連合離脱、米国のトランプ大統領当選を1999年の段階で見通しているかのよう。
~仕事~
p94. 「今日、ソニーがリーダーとなっている家電製品のすべてが、テープ・レコーダーの成功から始まったといって過言ではない。しかし、テープ・レコーダーを発明したのはソニーではなかった。
同社では、最初のテープ・レコーダーに新しいものを付け加えて次の製品を生み、その製品の成功にさらに何かを付け加えて、その次の製品を生んできた。一歩一歩は、それほど大きくはなかった。もちろん、すべての一歩が成功したわけではなかった。
だが成功の追及においては、一つ一つの製品が大きなリスクを伴うことはない。成功しなくとも損害は小さくてすむ。こうして成功した一つ一つの製品の積み重ねが、ソニーを世界一の、しかもつねに成功を続けていく電子機器メーカーにした。」
小さな一歩からチェンジ・リーダーへの道が拓ける。それにしても、あぁ、ソニー・・・。
p163. 「さらに最後の仕上げとして、それらの動作に必要な道具をつくり直す。仕事を分解してみれば、何千年も行なわれてきた仕事でさえ、それまでの道具がまったく適当でないことが明らかになる。テイラーが最初に研究した鋳造所で、砂をすくう仕事に使われていたシャベルがそうだった。形も大きさも不適切であり、柄も不適切であった。同じことは、外科医のメスについてもいえた。」
輝ける国鉄・JR150年の歴史の中で、戦前における蒸気機関車の投炭作業の改善は、まさにこれが当てはまります。ある機関助士が片手で投げ入れていた時、燃費が良いことが判明し、最終的には片手で投炭するのに最適な形状にスコップを変更したことがあります。当初において良好な結果を残したこの施策も、石炭の質の悪化や機関車の大型化、更には労働運動の激化により形骸化してしまいました。成功した施策こそ、常時見直しと再設計を必要とする教訓といえます。それにしても、この話、蒸気機関車ファンしか知らないのは、もったいなさすぎる。
~自己~
p227. 「第二の方法は、パラレル・キャリア(第二の仕事)、すなわちもう一つの世界をもつことである。二〇年、二五年続け、うまくいっている仕事はそのまま続ける。週に四〇時間、五〇時間を割く。あるいは、あえてパートタイムとなったり、コンサルタント的な契約社員となる。しかしもう一つの世界をパラレル・キャリアとしてもつ。多くの場合、非営利組織で働く。週一〇時間といったところである。」
期せずして、自分自身も月2回程度、地元の郷土資料館で解説ボランティアをしています。その方向へ導いてくれた母校と恩師に感謝です。ボランティアなんて、好きなことで社会に貢献するくらいに思えばよいと、私は思います。 -
Posted by ブクログ
知識労働者は、雇われている組織よりも、結果として長生きする。今日の先進国の平均寿命では、70,80代まで生き残り、75までは働ける。したがって、労働寿命は50年に及ぶが、企業をはじめ組織の平均寿命は30年そこそこである。 もはや最初に就職した組織が、60になっても存続しているとは言い切れない。そのうえ、ほとんどの人間にとって、同じ種類の仕事を続けるには、40年、50年は長すぎる。したがって、組織に働くひとたちは、仕事を変えることができなければならなくなる。キャリアを変えなければならなくなる。第二の人生に備え、自らをマネジメントすることが必要になる。逆境のとき、単なる趣味を越えた第二の人生、第二の仕事が大きな意味を持つ。 朝、髭を剃るとき、どのような顔を見たいかという問題である。優先すべきは価値観、強み、仕事の仕方だ。
-
Posted by ブクログ
ピーター・ドラッカーはマネジメントに関する著作を多数執筆しているが、本書はドラッカーのマネジメント論の中では最後の著作にあたり、来るべき21世紀にマネジメントの姿について述べている。ドラッカー自身は21世紀がどのような世界になるのか分からないと述べているが、やはり氏の大局観は示唆に富んでいる。今はよく理解できない点があったとしても、数年経てば理解できるようになるかもしれないので、本書は手元に置いてたまに読み返すのがいいかもしれない。
ドラッカーは21世紀の世界の中でとりわけ日本の社会に注目している。日本は課題先進国といわれるだけに、これからあらゆる種類の社会問題に直面せざるをえない状況になる。多くの日本人は課題の大きさに恐れおののいてしまうが、ドラッカーは明治維新や戦後の復興をやってのけた日本人の底力に期待しているようだ。果たして我々に先人たちのようなパラダイム転換が実行できるだろうか? -
Posted by ブクログ
この間、ドラッカーの著作をたくさん読んできた。マネジメント系のもの、社会系のもの。自伝である「傍観者の時代」は、ドラッカーその人を知る上でも、20世紀の歴史を知る上でも実に面白い本だった。しかし、この「すでに起こった未来」は、他のいずれの著作とも違う。
時代的な幅は40年にも及んでおり、内容も一見、関連性に乏しいと思われる13本の論文からなっている。
例えば、マネジメントへの傾倒がなければ上梓していたという「アメリカ論」や、技術に焦点を当てた「仕事の歴史」にまつわる論文は、他ではあまり見かけないものだった。その他、シュンペーターとケインズに言及した経済に関する論文や、ドラッカーの独特の利益に対する考え方について述べた「利益の幻想」も、コンパクトにまとまっており分かりやすい。
しかし、最も印象深かったのが、日本画から日本人を論じた「日本画に見る日本」と、「もう一人のキルケゴール」だ。
ドラッカーが日本画をコレクションしていたのは有名な話だが、日本画に関する知識は半端ではない。そして単に日本画に詳しいだけではなく、日本画を題材に、日本固有の文化の卓越性を論じている。
たとえば、外国から技術をとり込んだ後に、それを昇華させオリジナリティーを築き上げる能力。また、日本画における空間認識が西洋絵画のものと全く異なっており、知覚能力の独自性は他に類を見ないものだと語っている。この点については、現代における電子メディアの登場が、世界の見方を分析的思考から、知覚的なものの見方に変化させたというマクルーハンを引き合いに出し、日本の文化が持つ知覚能力の特性は、本質を把握して再構成する能力であるとして、これが近代的な経済活動の発展を導いたという興味深い指摘をしている。
「もう一人のキルケゴール」は、1949年に書かれたものだ。ちょうど第2次大戦後で、第1次大戦からナチスがヨーロッパを支配するという、不条理の目撃者となったドラッカーの、人間と社会に対する絶望が窺い知れた。
哲学の文脈でいえば、ヘーゲルやマルクスが問う「社会はいかにして可能か」や彼らの歴史観が、実存の忘却に導くとし、「人間の実存はいかにして可能か」という問いの重要性を語り、その答えを導いた唯一の思想家としてキルケゴールを取り上げている。
ドラッカーは社会や組織について多くを語ったが、やはりその中心には人間が、客観的・抽象的な存在としてではなく、実体的、実存的な存在としてなければならなかったことがよく分かった。
これら、何の脈絡もないような13篇の論文集のタイトルが、「すでに起こった未来」となっている。
終章の唯一書き下ろしである「ある社会生態学者の回想」の中で、ドラッカーは、自身の造語である「社会生態学」の仕事について、「すでに起こってしまった変化を確認すること」と言っている。
ここに集められた13篇の論文の全てが、すでに後戻りできない変化であり、大きな影響力をもちながら、いまだ広く認識されてはいない変化について書いているというわけだ。
これらの論文から、主要な著作からは知り得ないドラッカーの一側面が知れるというだけでなく、ドラッカーの求めたものが何なのかということを知るうえで、本当に貴重な一冊だということができる。 -
Posted by ブクログ
ビジネス書、未来学の書として、やはり、5つ★なんだろうな。
10年経っても色あせてない。もう10年後、読み返してみたい。
実は私にとって、初ドラッカー本です。
【興味深かった指摘】
・組織に於ける5つの原則(P14)。特に階層数を少なく。
・大教会の例(P33)。人々が求めているのは、儀式ではなく、心の癒しであり、教会を通じてのコミュニティに対する責任ある貢献。
・公的年金が導入された当時を今に当てはめれば、79歳が支給時期(P52)
・20世紀に於ける成長分野は①政府、②医療、③教育、④余暇。中でも余暇がずば抜けている。それにこれらは市場経済のものではない。(P59)
・流通チャンネルは第一の顧客(P88)
・廃棄の原則(P90)
・チェンジリーダーにとっての3つのタブー(P96)。
・チェンジリーダーのための二つの予算(P100)。未来の予算を10~20%当てるべき。
・コスト主導の価格設定ではなく、価格主導のコスト管理(P133)
・組織の中にはコストセンターがあるに過ぎない。プロフィットセンターは不渡りにならない小切手を渡してくれる顧客。(P143)
・自らをマネジメントするの章の「書面か口頭か」(P201)、「人と組むか一人でやるか」(P206)
・そもそも、先進国とくに民主主義の先進国は、指導層を不可欠とする。何らかの指導層が存在しないことは、社会と政治が混乱に陥る。(P241) -
Posted by ブクログ
新鮮な感覚を持って読める名著です。
面白いと思ったところは以下の2点
(1)テイラーの肉体労働を管理する手法が20世紀的マネージメント手法だとすると21世紀は知識労働のマネージメント手法へ
<ポイント>
・仕事の目的を考える
・生産性の向上に責任を持つ
・継続的なイノベーション
・継続して学び、人に教える
・生産性は量より質が大事
・知識労働はコストではなく資本財
(2)21世紀のリーダーは自分をマネージする必要がある
<ポイント>
・自分は何か。強みは何か。
・自分は所をえているか
・果たすべき貢献は何か
・他との関係において責任は何か
・第二の人生は何か -
Posted by ブクログ
社会生態学者ドラッカーの論文集。1946~1992年に主に社会動向について書かれたものを編纂しており、中には難解なテーマを取り扱ったものもあるが、分かりやすく最も印象に残ったのは「日本画に見る日本」だった。ドラッカーが日本の美術に関心を持っていたことは知ってはいたが、美術を通じて日本人の価値観や社会的な特性にまで見通す眼力の鋭さは「さすがドラッカー」と思わせるものがある。この章には多数の画家や絵が紹介されているが、恥ずかしながら知らないことばかり。日本美術の素養があれば、ドラッカーの意をより理解できるかもしれない。この賞に紹介された画家や絵についても調べてみたい。
ドラッカーの著作は数冊読んだが、日本を主題にした章や節は数多く存在する。マネジメントや技術史等、特定のテーマ別に再編纂したシリーズがあるが、「日本」をテーマにしたものがあればいいのに、と思うのは私だけであろうか? -
Posted by ブクログ
ネタバレアジャイル界隈で言われている自己組織化や知識労働者、クリステンセンの破壊的イノベーションを想像させる計画的破棄など参考になることばかりだった。
さすがドラッカー。有名な経営者が愛読するはずだ。
-引用-
マネジメントを知らぬ起業家が成功しつづけることはありえない。イノベーションを知らぬ経営陣が永続することもありえない。企業にせよ、他のいかなる組織にせよ、変化を当然とし、自ら変化を生み出せなければならない。
急激な構造変化の時代にあっては、生き残れるのは、自ら変革の担い手、チェンジ・リーダーとなる者だけである。
コスト上の不利が大きければ、事業を損なう。だが事業を成功させるものは、コストではなく、価値の創造である。そして、そのために必要とされるものが、事業の定義、経営戦略、体系的破棄、イノベーション、利益とシェアのバランスなど、リスクを伴う意思決定である。
知識労働者の生産性を向上させるための条件6つ
1.仕事の目的を考える
2.働く者自身が生産性向上の責任を負う。自らマネジメントする。自律性をもつ。
3.継続してイノベーションを行う。
4.自ら継続して学び、人に教える。
5.知識労働の生産性は、量よりも質の問題である事を理解する。
6.知識労働者は、組織にとってのコストではなく、資本財であることを理解する。知識労働者自身が組織のために働く事を欲する。 -
Posted by ブクログ
マネジメントの常識の変化。少子化・グローバル競争の中でイノベーションを追求することが重要。しかし、リーダーが注意しなければならないことは、現実にそったものでなければならない。新奇さに惑わされることなく行動と動作を混同しないこと。
パイロット的にイノベーションを行い、変化を目的とする。しかし、変化と継続との調和も必要とする。自ら現実そった形で変化し未来を生み出していく。
外部の情報を収集し体系的に把握できる情報システムを構築しなければならない。
知識労働者は継続してイノベーションを起こしていかなければならない。1)自分は何か。強みは何か。2)自分は所を得ている課。3)果たすべき貢献はなにか。4)たとの関係において責任はなにか。5)第二の人生は何か。
これらを、うまくコントロールできた仕組みが日本終身用制度であった。 -
Posted by ブクログ
すいません時間がないので全体的な印象分だけ、後で詳細に書き直します。
これからの未来に絶対に起こる変化を念頭に、マネジメントの本質を語った良本だと言えるでしょう。この時代にこれだけの本が出せるとは、
さすがはドラッカーと言ったところ。しかしながらやはり時代の変遷と共に、この本で語られていることは現代マネジメントでは常識の部類に入ると言わざるを得ないでしょう。勿論、現代でも通用する名著であるとは思いますが、この本で無ければならない理由も無い、と言う話です。
当然ですがこれらの本は経営書などと同様、マネジメント経験者・マネジメントが現在進行形で必要に迫られている人物以外が読んでも時間の無駄に成り兼ねません。読む人を選ぶ本ですね。 -
Posted by ブクログ
メモ。
「マネジメントの条件」
*組織は透明でなければならない
*最終的な決定権をもつ者が必要
*権限には責任が伴わなくてはならない
*誰にとっても、上司は一人でなければならない。
*階層の数は少なくしなければならない。
「機会となり得る変化」
*自らおよび競争相手の予期せぬ成功と、失敗
*生産、流通におけるプロセス、ギャップ、価値観ギャップ
*プロセス、ニーズ
*産業構造と市場構造の変化
*人口構造の変化
*認識力の変化
*新しい知識の獲得
「仕事に必要な情報」
*共に働く者や部下に対して、提供すべき情報は何か。それは、いかなるかたちで提供すべきか。いつまでに提供すべきか。
*自分が必要とすべき情報は何か。それは、誰からか。いかなるかたちでか。いつまでにか。
「知識労働の生産性を向上させるための条件」
1.仕事の目的を考える
2.働く者自身が生産性向上の責任を負う。自らをマネジメントする。自律性をもつ。
3.継続して、イノベーションを行う。
4.自ら継続して学び、人に教える。
5.知識労働の生産性は、量よりも質の問題。
6.知識労働者は、組織にとってのコストではなく、資本財であることを理解する。知識労働者自身が組織のために働くことを欲する。
「自分をマネジメントする」
*自分は何か。強みは何か。
*自分は所をえているか。
*果たすべき貢献は何か。
*他との関係において、責任は何か。
*第二の人生は何か。