NHK「欲望の時代の哲学」制作班のレビュー一覧
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二章の哲学の歴史がいいですね。わかりやすい。ポスト構造主義になり、現在を捉えられなくなり、自由になる代わりに新自由主義により社会システムや欲望を支配される現代。トランプはポストモダンの天才であり、ポストモダンの次の段階にある。それはコンピューターのシミュレーションとしてあるもの。何を言ってもいい、非現実感のデジタルの波に乗るもの。おかしな世界になったと思っていたが、こう言われると現在がわかる。
本書にはマルクスガブリエル自身の哲学の要項はあまりない。だが、現代に至る歴史と、現代の致命的問題まで独自視点で伝えてくれる。
この闘争をニヒリズムで潰してしまったポストモダンの限界に、代替案として新実在論が世の中心となれるのか。
新実在主義を次は読んでみましょう。 -
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シリーズ中最も平易。
「哲学者はつねに一つ上のレベルにいます。しかし、最も高い位置にあるのが、思想がそれ自身について考えることです。」「これが哲学なのです。私が今行ったのは哲学です。これより上のレベルはありません。」
哲学は心理療法の最も一般的なマニュアルである。
存在と無は同一である。
「ただ、一瞬一瞬がパッパッと存在するだけです。哲学者の言う「出来事」です。現実はつながりのない、数々の出来事に過ぎません。ゆるくまとまってはいますが、それだけです。」
「私が考える時間は「断片」です。つながりのない出来事の集まりです。私たちは存在することとしないことを繰り返していると考えています。出たり引っ込んだりの繰り返しです。そしていつか止まる。それが「死」です。」
「過去は現在とも未来とも完全に切り離されていて、それらを結び付ける法則などは存在しません。」
他者が正しい可能性はある(ガダマー)
生育歴を本書で初めて知ったが天才と言われるわけだ。ある意味ではギフテッド。この才能を認めて伸ばした環境は有難い。
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NHKの「欲望の時代の哲学」収録インタビューをもとに書かれた本で、実際のテレビ番組ではカットされている発言も詳しく書かれているので、テレビ番組を補完する意味でも理解が深まりました。
ガブリエル氏はいくつかのキーワードを述べていますが、印象に残った言葉を列記します。
「入れ子状態の危機nested crisis」
「人間の意識の変化によって文明は終わりを迎える」
「資本主義はコンクリートよりも水のようなもの」
「日本は動いているにも関わらず同時に本質の感覚がある、そこには明確なカット(切断)がある」
またガブリエル氏は、日本独自の形而上学的、つまり非物質的な源を見つけるべきであって、日本人の気質がどのように21世紀のイノベーションの構造に貢献できるのかを考えよ、と述べています。これを読んで思い出したのが、長谷川櫂氏の本、『和の思想日本人の創造力』です。長谷川氏は、「和」とは外国からの「受容」「選択」「変容」という創造的プロセスを指すと述べていますが、日本はいちから何かを生み出すというよりは、ブレンドの達人であろうという点です。それが独特な文化のような雰囲気を出しているが、実は世界の様々な文化が融合・変容しているとも言えるのではないでしょうか。
さらにガブリエル氏は「存在」が失われたことこそが近代のすべての病の元になっていると論じています。これは宗教に限定される話ではありませんが、日本人にとっての存在は何か、それは祖先信仰であったり、八百万的、アニミズム的な感覚なのかしらと思いながら読んでいました。いろいろと考えさせられる良書だと思います。 -
Posted by ブクログ
「倫理資本主義」利潤ばかり追求して一部の人びとしか潤わない社会ではなく、企業が市場経済で派生する倫理問題を解決する。そこに本当の利益は存在して万人が共有する社会となる。金銭のみを追求する利潤優先は市場も疲弊していく、倫理を改善してこそ資本主義の醸成へと向かう。著者マルクス・ガブリエルはリップサービスなのか、日本をこの倫理資本主義という概念を試す最適な場所だと述べているが、非正規労働者や男女格差など世界と比較して劣悪だと感じる人びとは少なくないはず。まだまだ日本は倫理面で途上国であり、一部の大企業の戯言でごまかさないように願うばかりなり。
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Posted by ブクログ
何だか流行っているっぽい哲学者、マルクス・ガブリエル。
実は一度同氏の著書にトライしてみたのですが、哲学の基礎的教養がある前提での文章だったのと、抽象度が高すぎて「並んでいる単語の意味はわかるのに文章としてはわからない」という2つの壁にぶちあたって、読むのを断念しております。。
本著はそんな人にも優しく、対談形式でマルクス・ガブリエルの思想を嚙み砕きながら引き出してくれるので、やっと彼の思想の一端に触れることができた…という気持ちです。
また、本著ではマルクス・ガブリエルの生い立ちにも触れており、幼少期から哲学書と親しみ、高校には「通う必要がなくなり」、大学で取った学位が(学士でも修士でもなく)博士号、28歳で教授…というなんじゃそりゃレベルのハイスペックぶりがわかるので、同氏を理解する意味でも有用な1冊でした。
さて、同氏曰く「哲学は最高レベルの学問」だと。
そりゃみんな自分がやってるコトは凄いって言いたいよね…なんて思いながら読み進めたのですが、そのうち言わんとするコトを何となく理解し始めました。
要は、今のコロナ禍にしても、各学問分野によってデータが取り揃えられていく。これを踏まえて、医療を優先するのか、経済を優先するのか等々を判断するためには、哲学が必要だということ。
哲学が今の時代に果たす役割として、「わからないことをわからないなりに判断するには、哲学が必要」で、「合理的に自分を理解して、合理的に危機を乗り越えるためのツールを与えてくれる」というのは非常に納得感がありました。
その意味では、「○○とは何か」について延々と議論するだけの哲学ではなく、判断ツールとしての社会の中で活きる哲学という位置づけで、確かにそれなら「最高レベル」の意味が肚に落ちてきます。
そして、哲学的観点で今起きていることを本当に理解することの重要性も肯けます。そもそも人間とはどういう存在で、社会はどうあるべきで…から敷衍していくと、「コロナ禍でも国境を閉ざすべきではない」といった具体的政策にまで落とし込まれていく。
この「最高レベル」での判断、という考え方、日常でも生きてくるんじゃないかと思いました。
日々の仕事でも、進むべき道が自明だなんてコトはむしろ少なくて、○もあれば△もある微妙なモノを白黒つけていかないと話が進まない訳で。
マルクス・ガブリエルの哲学は、そのための補助線たりうる存在になるかもしれません。
ちなみに、本著でも読者には一定の哲学の基礎的教養が求められてまして、プラトンの「洞窟の寓話」を取り上げ、「この有名な寓話では…」と語っていたのですが、あぁ…そんなに有名な寓話ってのがあったんですね。。
教養を身に付けるって、果てしないなぁ。。 -
Posted by ブクログ
ネタバレマルクス・ガブリエル
欲望の時代を哲学する
海外の哲学の巨匠が説明した、これからの時代に哲学が必要な理由を説明した。
日本の考え方は根本的に海外(とくにドイツ)とは異なっており、あるものへの概念イメージも異なる。
そして、日本人は、存在しないものを存在するとし、海外の人は存在しないものは存在しないとする。
そのような考え方が今後必要と説明した本?
そして、日本は、海外の人の考え方と根本的に違う部分があるから日本なりの
価値の発揮の仕方があるよということをのべているのだと思う。
これは一読ではきつい。
3章
ロボットどうなっていくか
・日本と外の比較
そもそも、各言葉に対するコンセプトが違う。
存在
海外は目に見えるもの
日本は目に見えないもの
英語の先生が会社にくる
Qどうやって言語を学ぶのか
英語を学ぶには英語で学ぶ
英語を日本語に翻訳しない。意味が違う。
日本の文脈依存。暗黙の了解
日本の文脈が理解できない。難しい。
人間の定義 195
・日本人とドイツの道徳
お互いを
日本人は他人を意識する。なんで?
・意味の領域
・何がいいたかったの?
ー哲学っておもしろいもの?
ー哲学はテクノロジーの時代に必要?