マルクス・ガブリエル 新時代に生きる「道徳哲学」

マルクス・ガブリエル 新時代に生きる「道徳哲学」

ビジネス・実用
836円 (税込)

4pt

4.0

コロナ下でも、あなたの「自由」を手放さないために

「ウイルスを恐れて家から出ない立場を10、ウイルスなど存在しないとする立場を1とすれば、私は6か7です。しかし3の立場もありえます」「電車を乗り換えるとき必死で走りました。息が上がり、マスクを外したその瞬間、警官が近づいてきて『マスク着用は義務ですよ』と言ったのです。私は必死で『息ができない(I can’t breathe)』と答えました」――ボンでは経験に根差した言葉でかつてなく詳細にコロナ下の心性を分析し、今こそ可能な「倫理的進歩」を「手放してはならない自由」と絡めて論じる。故郷ジンツィヒでは新実在論の成り立ちを発祥の当地で語り起こす。平易な対話形式による、ガブリエルの新しい?哲学教室”!


〈目次〉
はじめに コロナ時代の精神のトレーニング(丸山俊一)
Ⅰ章 正解なき状況での選択
Ⅱ章 思考で倫理は進歩する
Ⅲ章 唯物主義を越えて、正しく錯覚せよ
Ⅳ章 道徳哲学が合理的なツールになる
Ⅴ章 ウイルスが教える「正しい」生き方
Ⅵ章 「新実在論」誕生の原点へ
Ⅶ章 「他者が正しい可能性はある」
終章 分断を越える最後のチャンス
おわりに 今、自然の意味を問い直すとき(丸山俊一)

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マルクス・ガブリエル 新時代に生きる「道徳哲学」 のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ

    シリーズ中最も平易。

    「哲学者はつねに一つ上のレベルにいます。しかし、最も高い位置にあるのが、思想がそれ自身について考えることです。」「これが哲学なのです。私が今行ったのは哲学です。これより上のレベルはありません。」

    哲学は心理療法の最も一般的なマニュアルである。

    存在と無は同一である。

    「ただ、一瞬一瞬がパッパッと存在するだけです。哲学者の言う「出来事」です。現実はつながりのない、数々の出来事に過ぎません。ゆるくまとまってはいますが、それだけです。」

    「私が考える時間は「断片」です。つながりのない出来事の集まりです。私たちは存在することとしないことを繰り返していると考えています。出たり引っ込んだりの繰り返しです。そしていつか止まる。それが「死」です。」

    「過去は現在とも未来とも完全に切り離されていて、それらを結び付ける法則などは存在しません。」

    他者が正しい可能性はある(ガダマー)

    生育歴を本書で初めて知ったが天才と言われるわけだ。ある意味ではギフテッド。この才能を認めて伸ばした環境は有難い。

    0
    2026年04月12日

    Posted by ブクログ

    何だか流行っているっぽい哲学者、マルクス・ガブリエル。
    実は一度同氏の著書にトライしてみたのですが、哲学の基礎的教養がある前提での文章だったのと、抽象度が高すぎて「並んでいる単語の意味はわかるのに文章としてはわからない」という2つの壁にぶちあたって、読むのを断念しております。。
    本著はそんな人にも優しく、対談形式でマルクス・ガブリエルの思想を嚙み砕きながら引き出してくれるので、やっと彼の思想の一端に触れることができた…という気持ちです。
    また、本著ではマルクス・ガブリエルの生い立ちにも触れており、幼少期から哲学書と親しみ、高校には「通う必要がなくなり」、大学で取った学位が(学士でも修士でもなく)博士号、28歳で教授…というなんじゃそりゃレベルのハイスペックぶりがわかるので、同氏を理解する意味でも有用な1冊でした。

    さて、同氏曰く「哲学は最高レベルの学問」だと。
    そりゃみんな自分がやってるコトは凄いって言いたいよね…なんて思いながら読み進めたのですが、そのうち言わんとするコトを何となく理解し始めました。
    要は、今のコロナ禍にしても、各学問分野によってデータが取り揃えられていく。これを踏まえて、医療を優先するのか、経済を優先するのか等々を判断するためには、哲学が必要だということ。
    哲学が今の時代に果たす役割として、「わからないことをわからないなりに判断するには、哲学が必要」で、「合理的に自分を理解して、合理的に危機を乗り越えるためのツールを与えてくれる」というのは非常に納得感がありました。
    その意味では、「○○とは何か」について延々と議論するだけの哲学ではなく、判断ツールとしての社会の中で活きる哲学という位置づけで、確かにそれなら「最高レベル」の意味が肚に落ちてきます。
    そして、哲学的観点で今起きていることを本当に理解することの重要性も肯けます。そもそも人間とはどういう存在で、社会はどうあるべきで…から敷衍していくと、「コロナ禍でも国境を閉ざすべきではない」といった具体的政策にまで落とし込まれていく。

    この「最高レベル」での判断、という考え方、日常でも生きてくるんじゃないかと思いました。
    日々の仕事でも、進むべき道が自明だなんてコトはむしろ少なくて、○もあれば△もある微妙なモノを白黒つけていかないと話が進まない訳で。
    マルクス・ガブリエルの哲学は、そのための補助線たりうる存在になるかもしれません。

    ちなみに、本著でも読者には一定の哲学の基礎的教養が求められてまして、プラトンの「洞窟の寓話」を取り上げ、「この有名な寓話では…」と語っていたのですが、あぁ…そんなに有名な寓話ってのがあったんですね。。
    教養を身に付けるって、果てしないなぁ。。

    0
    2022年03月06日

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