天花寺さやかのレビュー一覧
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シリーズ第八弾。
「京都信奉会」との天上決戦からおよそ一か月過ぎ。
大は竹男から〈喫茶ちとせ〉の店長候補にならないかという打診を受けます。
一方、大への想いを伝える決心をした塔太郎は、同じく大に想いを寄せる総代との“約束”に、けじめをつけることに・・。
「京都信奉会」との戦いが一旦小休止となって、あやかし課に日常が戻ってきた感じの本巻。
とはいえ、「清水焼」の陶芸体験先の工房で思わぬ“あやかし”騒動に巻き込まれたり(第一話「今熊野と夢追い人達」)、“実地訓練”として、辰巳大明神様を筆頭とする“人外ドリームチーム”と、新京極界隈で“鬼ごっこ”をする羽目になったり(第二話「新京極の鬼ごっこ」)と、何やかやで忙しい大達です。
ところで“鬼ごっこ”では、普段ソフトな物腰の玉木さんの知られざる一面というか、“怒らせたらアカン人”という事が判明しましたね~。
・・ま、それらはよいとして(?)、本書の“軸”は何といっても、大、塔太郎、総代の“恋模様”でございます。
大への想いをしっかり自覚し“決心”を固めた塔太郎が、大に対して好意をあからさまにアピールするようになって、その様は読んでいてついニヤニヤしちゃいました。
ただ、総代くんの方も“最後のあがき”じゃないですが、大と陶芸体験に行ったり、東京の家族に“恋人(偽ですが)”として紹介する名目で大と東京に行くことに・・(第三話「東の都と西想う君」)
傍から見れば、“これって東京観光デートやん”と思わせる大&総代の様子だったのですが、やっかいな“あやかし”に大が目をつけられて、思わぬ剣吞な展開になってさあ大変!
今まで“あやかし”って京都ならでは、と思って読んできましたが東京にもいましたよ・・しかも結構強力なのが。
で、東京にもちゃんと「警視庁・怪異課」という“人外対策”の課があったのですね~。
さて、大ピンチに陥った大と総代を塔太郎(with栗山さん)が京都から(!)駆け付けて速攻で撃退してくれた場面は“さすが、あやかし課のエース!”と、そのカッコ良さに惚れ惚れしました。
・・と、後半ヒヤヒヤさせられましたが、それを乗り越えてのラストがもう・・・ついにお互いへのあふれんばかりの想いを伝えあう、大と塔太郎の相思相愛っぷりに、感無量の私です。
総代くんもいいヤツなんですけどね・・個人的には、いつか彼が東京に戻って、総代くんメインで『警視庁怪異課24時(仮)』みたいな別シリーズを読んでみたいのですが、如何でしょう?
そんな訳で、ラブラブハッピーエンドな本巻でしたが、どうもこの巻で“第一部完結”らしいですね。
「京都信奉会」との最終決着がまだついていないということもあり、“第二部始動”を楽しみにしております~。 -
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シリーズ第七弾。
祇園祭の山鉾略奪を企む「京都信奉会」の船越。
その企みを阻止し、祇園祭を守る為、京都府警人外特別警戒隊(通称“あやかし課”)は、迎撃部隊を結成し、船越軍を迎え撃つことに。
そして山鉾巡行当日、いよいよ警察の威信をかけた全面対決の火蓋が切られ・・・。
今回はまさに手に汗握る大決戦、カオスな巻でした!
地上では山鉾巡行が粛々と進行する一方、天上では大バトルが繰り広げれられていて、強敵・船越軍を相手に、あやかし課の隊員たちがそれぞれの能力を発揮して全力で闘う様がカッコ良かったです。
とりわけ、今回の決戦の主軸を担う塔太郎の闘いっぷりが神レベルで、船越とのバトルも凄かったですが、途中から彼の実父で「京都信奉会」の教祖・神崎(分身)との死闘になってからは、何度もピンチになりつつも諦めずに立ち向かっていく姿に胸が熱くなりました。
塔太郎は、自身の生い立ちからずっと負い目を感じて生きてきたのですが、実際はちゃんと八坂神社の神様たちに愛されていたのですよね。
(普段厳しい狛獅子の魏然さんの塔太郎へ優しい思いとか、尊くてもう・・)
第四話「送り火の夜と幸せの魂」で描かれていた、“五山送り火”が点灯されている中で、素戔嗚尊様(&スサノヲ様)からのメッセージを受け取った塔太郎が負い目から解放される場面には、胸がいっぱいになりました。
そして、今回でより深まった塔太郎と大の絆は、恋愛云々を越えてもはや魂レベルの結びつきという感じですよね。
さて、一旦は「京都信奉会」を撃退し、山鉾巡行の無事を死守した「あやかし課」でしたが、結局神崎の“本体”は健在ですし、幕間で描かれた“理想京”に登場した“弟(?)”の存在も気になります。
また改めて決戦することになるのでしょうか・・大と塔太郎に真の平安が早く訪れますように・・。 -
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ネタバレ前回、大きな戦いがあったせいもあって、今回は命がけになるような戦闘シーンはなく安心して読める……と思いきや、何やらはちゃめちゃな鬼ごっこがあったり、捕り物があったりと相変わらず賑やかだし不穏だしという。
最後の戦闘なんかは、強くなったゆえにピンチになる展開もあったし(操られるとね……)
また、大ちゃんには次期店長への打診もあり、次の展開に向けたシーンも登場。
ただ何より一番気がかりであり、今回のメインであろう出来事は、帯にもある通りの大ちゃん、塔太郎、総代くんによる三角関係の決着だろう。
いやもう結末は分かっているので(何しろ両片思い状態、表紙を見ても分かる通り他者の入り込む余地は全くない)馬に蹴られる立場になってしまった彼がどうするのか、それを見届ける形になった。
最終的には辛い立場確定の彼だが、それまでは寧ろ彼の方が有利な展開だったので(東京デートに親への紹介と行動力が凄い)結末が予想できていても「大丈夫か?」とヒーロー側を心配するほど。
そういう意味では戦闘シーンよりハラハラして読んだかもしれない。
結局彼が選んだのは、彼女に悟らせないまま身を引くというもの。
「友人」としての立場を貫き通した。
これは相当覚悟がないとできないことだったと思う。
彼の想いは本物であったから。
昇華には時間がかかるかもしれないけれども勇退として拍手で彼の恋の終わりを称えたいなと思った。
そして最後は二人の想いを確認し合うシーンで締め。
いやあ、読んでいるこちらがこっ恥ずかしくなるほど熱烈で、思わず一度本を閉じるほど。
いやあ、眩しい、眩しすぎた。
何にせよ、おめでとうお二人さん。
その二人の絆は、きっとこの先の戦闘にも活きてくると信じて。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ祇園祭を守るための、まさに大決戦。
これまでで一番規模の大きな闘いに、読むこちら側もかなりの緊張感と緊迫感を持って挑んだ心地。
最初は優勢、後に逆転され、また逆転し返し、そのまた……を繰り返す一進一退。
ページを捲る手に本当に汗をかいていたところにある人物の登場。
本気の絶望感を覚えて鳥肌が立った。
あの時、まさに現場の隊員とシンクロしていたと思う。
そこからよくぞ、よくぞ。
これで敵側も暫くは体制の立て直しを余儀なくされ、暫しの猶予はできただろう。
ただ、こちら側の被害も甚大。
特に塔太郎の犠牲っぷりが……あの場面は本当に息が詰まった。
本体を相手にしていないのに、これだけの犠牲。
最終決戦が今から怖い、本当に怖い。
本気で身をぼろぼろにしてまで闘った塔太郎に、最後に救いのエピソードが。
塔太郎、解放の瞬間。
そこに立ち会ったのが大ちゃんだったのは、もう必然だっただろう。
今回活躍した総代くんには非常に気の毒だが、二人の間にあるのはもう恋を超越したものになりつつある。
この二人の絆、想いの強さは、きっと最終決戦のときの助けにもなると思う。
助けというか、支柱というか。
自分の中にブレずに立ち続ける柱。
この二人の間に割って入るのは、もう無理だと思う……まさるもいるしね。
その辺りの決着もどうなるのか、引き続き楽しみなシリーズだ。