あらすじ
冬の京都で絡み合う切ない三つの恋心……第七回京都本大賞受賞の大人気シリーズ、仕事も恋も新展開の第四弾! 京都府警「あやかし課」に配属されて初めて迎える冬。滋賀の日吉大社への出張など、より仕事に励む古賀大だったが、想いを寄せる先輩・坂本塔太郎が何かに悩んでいることに気づく。ところが、悪戯好きな熱狐たちを補導するため向かった伏見で、あるすれ違いをきっかけに、塔太郎に距離をおかれるようになってしまい……? そんな折、同期の総代和樹との関係にも変化が!?
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Posted by ブクログ
途中のすれ違いは少し辛かったですが、雪の描写も相まって雨降って地固まって良かったです。
毎回ながら、過去の伝説や出来事と今の事件が重なるところが本当に面白いです。切ない事件でしたが、読み応えがありました。
頭がいい人は自分の意見で自分を納得させてしまうから、猪突猛進になりやすい……心に残る言葉です。
Posted by ブクログ
恋愛色の強い1冊でした。
大ちゃんが辛くなったり、まさるが成長したり。
塔太郎本人は悪くないのに、苦しんでいる様子とか。痛々しいですね。
シリーズとしては渡会のバックもわかって、次の展開に繋がっていく様子です。
Posted by ブクログ
今回は、思い合っているはずの塔太郎と大の気持ちがすれ違っていてはらはら。
お互いに相手を思う故だからっていうのがなんともやりきれなくて。
挙げ句に、そんなことになろうとは。
与里さん、あまりにも悲しい。
どうか、心穏やかに、幸せになってくれますように。
大と塔太郎も、どうかうまくいきますように。
熱狐との戦いは、勢いがあって楽しかった。
酔っ払いさんとかね。
今後、もっと大きな敵が立ち塞がりそうだけど、あやかし課のみんな、がんばれ。
Posted by ブクログ
冒頭のお話が大ちゃんも塔太郎もナイスバディぶりを見せてくれただけに、その後のすれ違いっぷりは読んでいて非常に辛いものがあった。
塔太郎自身が悪いという訳ではないが、タイミングが色々最悪だったというか。
一人で抱え込んでしまったがために、本当に大事なことや人を自ら遠ざけてしまうという悪循環。
大ちゃんも大ちゃんで、こちらも一人で抱え込むから後半非常に大変な展開に。
と言う訳で、大ちゃんにとっても塔太郎にとっても試練の巻となった。
特に大ちゃんは「まさる」から戻れなくなるという、変身ものでは避けて通れない試練が立ちふさがる。
大ちゃんと「まさる」が別人格というのが、これまた話をややこしくしている。
今回「まさる」の成長ぶりは一番凄いものがあったが、まさか筆談できるまで意思疎通が可能になり、しかも恋まで経験するとは。
ただでさえ大ちゃんと塔太郎の恋模様がややこしいことになっているのに、「まさる」まで恋してしまうと収拾がつかいないのではと心配になるほど。
「まさる」の恋は無論成就はしない訳だが、今後もこういうことが起きた場合、「まさる」の想いをどうするのかという問題が度々上がってくるのではなかろうか。
いずれ大ちゃんと「まさる」が離れて、それぞれが独立するという展開が来ない限りは、なかなか扱いが難しそうな点だなと思った。
独立あるのかなあ……そうなると、あやかし課としては人員が増えてやりやすそうだけど。
今回は閑話で塔太郎視点が入ってくるので、彼の心情が読者側にも分かりやすくなっていたのはありがたかった。
やはり今にして思うと本当にテンパってるなと感じる。
だから要所要所で悪手を打つという。
特に敵に塩を送ったのはまずかった。
今回、総代くんが大ちゃんへの想いを自覚して塔太郎に宣戦布告。
の筈だったのに、塔太郎がそれどころではなかったせいで、総代くんと大ちゃんの間を取り持つと約束してしまうほど。
うおおおい、ヒーロー、それでいいのか!
総代くんすら戸惑っていたやないか(多分、宣戦布告が肩透かしに終わったこともあって余計だろう)
これまた塔太郎も律儀だから、最後の最後で自分の想いに気が付きはするが、約束したから義理は果たすと総代くんへのアシストを断らない模様。
これはまた次回以降に別のすれ違いフラグが立ってしまったではないか。
恋する相手が別の人との恋を応援していると知ったら、今回の二の舞にならないだろうか。
今からそればかりが心配である。
非常に大変な試練だったが、得たものも多い。
ただその分、他の不安要素も残す結果に。
もう総代くん、あの二人は両片思いやねん、空気読んでくれんかねと思ってしまうほど。
どうなるんだろう、これ以降……
それにしても、今回も登場の渡会。
どこにでもわいて出るね、この方。
ゴキブリかしら?
Posted by ブクログ
シリーズ第四弾。
今回は、いつもの連作四話(と、序&終章)に加えて塔太郎視点の“幕間”を挟んだ構成となっております。
ストーリーと共に京都巡りを楽しめるこのシリーズですが、この巻では、京都のお隣、滋賀県にある日吉大社(第一話)。千本鳥居でお馴染み、伏見稲荷大社(第二話)。セレブ地区(?)の松ヶ崎(第三話)。小野小町ゆかりの隨心院(第四話)等々・・が舞台となっております。
謎の強敵“渡会”達の背後に、塔太郎の実父が絡んでいる可能性が浮上。
その事で思い悩む塔太郎と、事情はわからずも塔太郎を心配するあまり詮索してしまう大との間にすれ違いが生じてしまいます。
読者側からすれば、お互いのことが大好きなのが伝わってくるだけに、なんとも切ない展開でしたね。
しかも、大の同期の総代くんも大への想いを塔太郎に打ち明け、表向きはともかく実際は三角関係になっちゃっています。
お互いしんどくなっている大と塔太郎ですが、そんな中、大が「まさる」に変身したまま戻れなくなってしまうという事態が発生。
大のメンタル的な原因が主なのですが、図らずも“日常生活”を送ることを余儀なくされた「まさる」の奮闘&成長ぶりには目覚ましいものがありました。
“筆談”もできるようになったし、“初恋”まで経験するとは、なかなかの経験値を稼いだ「まさる」くんでしたね。
終盤には元の“大”に戻れてよかったですが、塔太郎そして総代くんとの恋模様や、塔太郎の実父の件など、今後の展開が気になりすぎて困っております~。