ジェフリー・フォードのレビュー一覧

  • 言葉人形 ジェフリー・フォード短篇傑作選

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    作品紹介・あらすじ

    かつて野良仕事に駆り出された子どもたちの為に用意された架空の友人、言葉人形。それはある恐ろしい出来事から廃れ、今ではこの博物館の片隅にその名残を留めている――表題作ほか、光と星の秘密を追う研究者の実験台となった無垢な娘の運命を綴る残酷な幻想譚「理性の夢」、世界から見捨てられた者たちが身を寄せる幻影の王国が、少女王妃の死から儚く崩壊してゆく「レパラータ宮殿にて」など、世界幻想文学大賞、シャーリイ・ジャクスン賞、ネビュラ賞、MWAなど、数々の賞の受賞歴を誇る、現代幻想小説の巨匠の真骨頂ともいうべき13篇を収録。

    *****

    ジェフリー・フォードを読むのは二冊目。本書の後に

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    2025年11月06日
  • 最後の三角形 ジェフリー・フォード短篇傑作選

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    ネタバレ

    すごく充実した短編集。1編ごと味わって読んだ。幻想的かつ奇想溢れる作品が多く、SF、ファンタジー、ホラー、ミステリのジャンルに寄って厳選されている。海外の短編は読み飛ばさず余韻も含めて時間かけて読むのが吉と思ってるが、本作は特にそう。それぞれが宝石のような彩を放っていて、短編ならではの濃密な世界が味わえる。ダルサリー、本棚遠征隊、アイスクリーム帝国などが気に入ってる。フォードの短編集はもう1冊あってこちらはファンタジー寄りらしいが楽しみ。

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    2025年04月08日
  • 言葉人形 ジェフリー・フォード短篇傑作選

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    ネタバレ

    ジェフリー・フォードの短編集その1。評判の良い「最後の三角形」が読みたくて、まずはこちらから。

    非常に幻想味の強い作品が多く。ただ、それでも魅力的なストーリー展開の作品ばかり(いくつかは本当に訳がわからなくて、うーんていうのもあったけど。。。)。

    以下、作品ごとの感想。

    ◯創造
    木の枝や実で人形を作ると翌日にはいなくなっていた。生命を創造してしまったと考える少年の話。ラストの父との余韻が非常に良い。

    ◯ファンタジー作家の助手
    有名なファンタジー作家の助手となった女の子の話。作家の妄想か、彼女の妄想か。本の世界が具現化する。終わってみれば、優しさに溢れた世界。

    ◯〈熱帯〉の一夜 ★おす

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    2024年07月30日
  • 最後の三角形 ジェフリー・フォード短篇傑作選

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    SFが読みたい!2023より購入しました。

    素晴らしい!の一言です。

    文学の詳しいことはわかりません。
    なので、私観的ですが
    SFが読みたい!を十分満足させてくれたと同時に
    SF サイエンスフィクションに入るのかどうか
    は別として、満足させてくれます。

    まず、言葉が、(訳が素晴らしいのもありますが)
    想像に難くない表現で
    とても読みやすく、
    一話一話、ひたっていられる感覚です。
    が、ついつい次々読んでしまいました。

    そして、全話偏りない
    なんでこんなに色んな話が書けるんだろうと
    才能に驚きます。
    短編集は、あまり好きではないのですが
    短編なのに、最後の数ページで
    あーそーなるのかってい

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    2024年02月26日
  • 言葉人形 ジェフリー・フォード短篇傑作選

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    奇妙で幻想的なお話の短編集。
    どの登場人物もどんな世界もとても丁寧に描出されていて、引き込まれてしまう。
    「創造」が沁みた。
    「夢見る風」も丁度夏から秋に移り変わっていくざわつき感がリアルだった。

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    2025年10月05日
  • 最後の三角形 ジェフリー・フォード短篇傑作選

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    ネタバレ

    〇アイスクリーム帝国 共感覚者が女の子を感じる「胡蝶の夢」
    〇マルシュージアンのゾンビ」二分心仮説により集団意識に支配されるゾンビを作り出す
    トレンティーノさんの息子
    タイムマニア 1915年のオハイオの農場の香り
    恐怖譚
    本棚遠征隊
    〇最後の三角形 田舎町で薬中の男が老女により更生されるが、老女の目的は呪文をかけること
    ナイト・ウィスキー」
    星椋鳥(ほしむくどり)の群翔
    ダルサリー
    エクソスケルトン・タウン
    ロボット将軍の第七の表情
    ばらばらになった運命機械
    イーリン=オク年代記

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    2025年05月22日
  • 穏やかな死者たち シャーリイ・ジャクスン・トリビュート

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    まさにシャーリイ・ジャクスンが書きそうな話だなってものもあったし、書きそうにはないけどこれはこれで面白いなという話もあった。

    特に好きなのは「パリへの旅」、「抜き足差し足」。
    心がひんやりするシャーリイ・ジャクスンらしさがある話でとても良かった。

    他にも「冥銭」、「鬼女」、「晩餐」も好き。

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    2024年08月14日
  • 最後の三角形 ジェフリー・フォード短篇傑作選

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    共感覚者、ゾンビ、マッドサイエンティスト、死者、詩人、魔術師……。物質世界と精神世界の境界線上で生きる者たちに取り憑かれた短篇集。


    直前に読んだエリック・マコーマックの『雲』と驚くほど共通要素を感じる作品集だった。マッドサイエンティストの人体実験で女性がめちゃくちゃにされるところをはじめ、「エクソスケルトン・タウン」の愛とセックスの関係性なども近いと思う。フォードなら一つ一つ短篇として結実させるアイデアを、ゆるく繋げて長篇化するのがマコーマックという感じ。以下、印象に残った作品の感想。

    ◆「アイスクリーム帝国」
    カフェインが齎す創作的なインスピレーションを擬人化して、共感覚と結びつけてい

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    2024年07月02日
  • 最後の三角形 ジェフリー・フォード短篇傑作選

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    大好きジャンルの幻想小説。
    不勉強ながらYahooで書評を読むまで存じ上げませんでしたが、この方は世界幻想文学大賞に7回、シャーリィ・ジャクスン賞に4回、MWA賞、ネビュラ賞など数々の受賞歴を持つ作家さんらしいのです。
    表題作は幻想奇想的でありながら、中盤以降のサスペンス味も楽しい作品。
    個人的に心に残ったのは「ナイト・ウイスキー」。
    この設定からして奇想味満点なんだけど、生物の死骸に生える「死苺」という植物があって、その果実から作られるナイト・ウイスキーは飲むと亡くした大切な人と夢で会えるという不思議なウイスキーなんですよ。
    これを飲むと、なぜか樹に登って眠り、その夜の夢で今は亡き人との逢瀬

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    2024年05月04日
  • 最後の三角形 ジェフリー・フォード短篇傑作選

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    作品紹介・あらすじ

    魔法は破られるようにできているの。
    でも、約束はそうじゃない。

    世界幻想文学大賞に7回、
    シャーリイ・ジャクスン賞に4回、
    MWA賞、ネビュラ賞など数多の賞に輝く
    現代幻想文学の巨人による
    郷愁と畏怖と偏愛に満ちた14篇

    アコースティックギターの調べは、ぼくの目の前に金色の雨として現われる。指で絹をなでたときには、レモンメレンゲの風味とねっとりした感触を舌に感じる。ぼくは「共感覚」と呼ばれるものの持ち主だった――コーヒー味を通してのみ互いを認識できる少年と少女の交流を描くネビュラ賞受賞作「アイスクリーム帝国」、エミリー・ディキンスンが死神の依頼を受けて詩を書くべく奮闘

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    2024年04月17日
  • 言葉人形 ジェフリー・フォード短篇傑作選

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    短編集13篇
    幻想妄想、夢といった世界が短編の中にギュッと凝縮され鮮やかな世界を表している。「創造」「熱帯の一夜」の少し不思議な物語や「光の巨匠」「巨人国」の入れ子細工的なこんがらがった面白さ、「夢見る風」「珊瑚の心臓」のどこか教訓めいた物語それぞれ違った味わいがあってジェフリーフォードの世界に堪能した。

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    2024年03月05日
  • 最後の三角形 ジェフリー・フォード短篇傑作選

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    短編集。ミステリもどきのSFやファンタジー。表題の三角形は素晴らしかったが、私はタイムマニアがすきだった。キングのホラーを思わせる展開もぞくぞくした。

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    2024年01月10日
  • 言葉人形 ジェフリー・フォード短篇傑作選

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    〈白い果実〉三部作の著者による、めくるめく奇想とイマジネールに彩られた短篇集。


    ジェフリー・フォードの幻想小説はやっぱり唯一無二のヴィジュアルイメージの強さがある。「創造」の冒頭、どんなに注いでもジョッキから溢れないビールのネオンサインと生命のメタファーにはじまり、「光の巨匠」の首だけが浮かんでいる男の額に嵌め込まれたエメラルドの栓だの、「私の分身の分身は私の分身ではありません」のホワイトチョコに漬けられて姿を表す透明ドッペルゲンガーだの、「レパラータ宮殿にて」の小さな雲が浮かびグラスのなかに天気雨が降る〈プリンセス・チャンの涙〉という名のカクテルだの。緻密で妄執的なリチャード・ダッドの妖

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    2023年12月28日
  • 言葉人形 ジェフリー・フォード短篇傑作選

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    ネタバレ

    ジェフリー・フォードの短編を読むのは初めてのはず(長編は『シャルビューク夫人の肖像』を読んだが例によって何も憶えていない)。訳者があとがきに書いているように《現実的なものから幻想的なものへ》と配列された作品のうち、後のほうの「珊瑚の心臓(コーラル・ハート)」や「巨人国」「レパラータ宮殿にて」などが面白かった。より奇想小説ふうの作品群からはエリック・マコーマックを思い出した。いずれにしても、物語は忘れても、特徴あるイメージがきれぎれのままおそらく長く私の頭に残ってときどきよみがえったりするだろう。一冊通して読んで、なんとなくこの著者らしい世界の感じはつかめたと思う。そのうえで、名高い長編三部作な

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    2023年08月22日
  • 言葉人形 ジェフリー・フォード短篇傑作選

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    「白い果実」のジェフリー・フォード。なので、短編とはいえ、重層的で目の眩む、読み応えある物語たち。読み始め、あれ?ジェフリー・フォード?と思ったけれど、あ、やっぱりジェフリー・フォード、になっていく、グラデーションある物語の並び。足元がぐらぐらするところに立つような不穏な感じ。熱があるときに見る夢だ。

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    2020年01月23日
  • 言葉人形 ジェフリー・フォード短篇傑作選

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    数年前に何冊か読んでとても引き込まれ、SFに触れたいと思ったきっかけになった気がする。その後ディックなど手に取るが実はサッパリ。今回はファンタジーが強く、ほぼSF色は見当たらす、とてもディープな世界に連れていかれた。幾度か寝落ちしながら読み、また再開。ほんとうに夢を見てるような、何か山の一軒家で木の椅子に座らされて、お爺さんがしみじみ本を読んでくれてるような、懐かしいような静かで不思議で美しい時間を過ごした。お爺さんはその後、猟銃で捕らえた動物のシチューを振る舞ってくれるのだった。肉は残すよ。

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    2019年06月04日
  • 言葉人形 ジェフリー・フォード短篇傑作選

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    SFでもなくただ不思議なことが起こるという意味合いの「ファンタジー」でもなく、本当に「幻想文学」という言葉が相応しい作品。ストーリーに時間や空間の捻れが生じ、気がつけばそれに絡め取られているような感覚に陥る。これまで発表されてきた著者の作品を集めた短編集だが、徐々にファンタジー色が強くなっていく構造が見事。個人的には『レパラータ宮殿にて』が一番好み。

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    2019年02月09日
  • 言葉人形 ジェフリー・フォード短篇傑作選

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    好きだったのは『ファンタジー作家の助手』と『巨人国』の2つ。
    作家になる素質を物語のなかの人たちとファンタジー作家が見いだしてくれるなんて、最高

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    2019年02月08日
  • 最後の三角形 ジェフリー・フォード短篇傑作選

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    まさしく幻想小説。ファンタジーなのか、ホラーなのか、頭が変になりそうな訳のわからない物語の数々。ページを捲る手が止まらない不思議な作品もあれば、悪い意味で早く読み終わりたい奇怪な作品もある。アイスクリーム帝国は切なくも美しい短編だった。

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    2025年09月05日
  • 最後の三角形 ジェフリー・フォード短篇傑作選

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    幻想小説というのだろうか、この類は。

    苦手だわ。
    理屈も何もあったもんじゃなく、なぜ、と考え出すと訳がわからなくなる。結局なんなん?

    一つの物語が終わって、その次が始まると、何が起こっているのか理解するのにまた時間がかかる。

    グロもあって気持ちわるいし。

    が。

    読み続けるのが負担だったが、止められなかったのも事実。
    絵画を見たときのような、えも言われぬ感覚に囚われる。
    散文と詩の中間みたいなものか。
    優れた小説だというのは間違いないし、好きな人は好きだろうと分かる。

    読後感は、しんどかった。

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    2024年02月05日