かげはら史帆のレビュー一覧

  • ベートーヴェン捏造

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    オーディブルにて
    軽い気持ちで聴き始める、軽い集中力で聴けるものの、内容はものすごく深く、緻密な研究の積み重ねの上にあることが素人でも分かる。歴史スペクタクルでありながら、人間の滑稽さや歴史の皮肉に笑ってしまったりほっこりしたり。ベートーヴェンも生身の人間だったんだな。

    作者がシンドラーに対してもベートーヴェンに対しても冷笑的でシニカルな距離感なのがとても新鮮で面白く、でも結局のところ(とりわけ主人公シンドラーに対して)深い愛があるのがなんかよかった。

    シンドラーにしても、アメリカ人青年にしても、捏造を最終的に暴いた人にしても、そして作者にしても、生涯をかけて他人の人生を丹念に研究するとい

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    2025年10月13日
  • ベートーヴェン捏造

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    映画見たー。本も面白い!
    シンドラーの稚拙な捏造が、次々と関係者が亡くなるの待ちという作戦で、長い年月の後事実っぽくなったのが1970年までバレなかったってのがすごい。

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    2025年10月10日
  • ベートーヴェン捏造 名プロデューサーは嘘をつく

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    最初から最後まで衝撃。
    全然知らなかった、こんな出来事が起きてたなんて!
    誰もが音楽の授業で習ったことが事実ではなかったなんて。
    シンドラー目線で進んでくのでドキドキしつつも哀しく切ない。
    同情は出来ないし理解も出来ないけれど、今も皆が運命だと思ってるってシンドラーが知ったら、、、
    ページをめくる手が止まらない、とても面白い作品でした!

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    2025年05月10日
  • ベートーヴェン捏造

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    ベートーヴェンという天才に出会ってしまったことの幸福と絶望。
    絶対に越えられない壁。
    だからといって自分の承認欲求が消えるわけではない。
    だったら別の形でなんとかそれを満たさなければ。
    「みんなの理想のベートーヴェン」を作り上げ、それを猟奇的なまでに必死に守ることによって自分の夢を叶えようとしていたのかもしれない。
    何が正義で何が悪なのか。
    それは人によって変わるし誰にも分からないことなのだ。

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    2025年03月12日
  • ベートーヴェン捏造

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    面白かった!
    ベートーヴェンの秘書を務めていたアントン・フェリックス・シンドラーという男がベートーヴェンの名誉を守るため、そしてちょっとだけ自分を良く見せるために、さまざまな人がベートーヴェンとの会話に使用された「会話帳」を独占して、かつ内容を改竄するという大それた行動に出るのだ。

    シンドラーはベートーヴェンを守るために証拠品に手を加え、ベートーヴェン伝を出版する。
    でも。改竄はベートーヴェンが生きている間にも十二分にしてきたのだろうと思う。自分の頭の中で。 
    ベートーヴェンという大物に尽くす自分、頼りにされる自分、常に美しい主従関係をイメージしながら生きていたのだと思う。
    そしてそれをベー

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    2024年07月11日
  • ベートーヴェン捏造 名プロデューサーは嘘をつく

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    面白かった。途中からは一気読み。前半は、師匠に好かれていない可哀そうな付き人の話で同情を誘うところもあるのだが、後半はもうちょっと多様な見方ができる。読みようによってはピカレスク(悪漢小説)的でもある。ベートーヴェンの見方も変わるかも。

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    2023年12月13日
  • ベートーヴェン捏造

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    なんだこの本は!めちゃくちゃ面白いじゃないか!!

    あまり詳しいことはわからないけれど、クラシックは嫌いじゃないです。交響曲何番、とか言われてもパッと曲がわかるほどの知識は残念ながら持ち合わせていません
    なので
    ベートーヴェンに秘書がいた、なんてこともこの本で初耳

    最初は秘書、シンドラーの生い立ちが書かれていていまいち…でしたがベートーヴェンと出会ってからが面白い

    みんな、自分の尊敬する人には輝いていて欲しいですよね
    黒い部分なんて、見なかった、知らなかった
    そんなことにしてしまいたいですよね…

    気持ち、わからなくもない

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    2023年11月21日
  • ベートーヴェン捏造

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    積読をしていたら、何と文庫化されてしまった。というわけで、読み始めたのだが、これが滅法おもしろかった。

    ベートーヴェンといえば、いかつい目つきにモジャモジャ頭…。小学校の音楽室に必ずといっていいほど飾られた肖像画を連想する。そして、授業や書籍で語られてきた印象的な数々のエピソード。「運命はこうして扉を叩く」という台詞は、音楽に疎い私でも知っている。ところが、そうしたエピソードは、ベートーヴェンの秘書アントン・シンドラーによる伝記に由来し、実はそのほとんどが捏造されたものだった。

    ベートーヴェンが若くから難聴を抱えていたことは有名で、コミュニケーションはノートへの筆談に頼っていた。ベートーヴ

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    2023年11月19日
  • ベートーヴェン捏造 名プロデューサーは嘘をつく

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    ネタバレ

    宮部みゆきさんの推薦コメント「徹夜本です。」の帯文も強烈な印象の文庫新刊。
    我々世代が子供のころに読んだ子供向けベートーヴェンの伝記は、交響曲5番がなぜ運命と呼ばれるかとか、不滅の恋人へのラブレターは誰に書いたのかとか、テンペストの命名由来とか、8番シンフォニー第2楽章がメトロノームを作ったメルツェルと関係があるだとか、あとなんといっても甥のカールの自殺未遂事件が、カールの悪行、放蕩癖などベートーヴェンの悩みの種の末の事件だったりとか、魅力的なエピソードにあふれてました。だからそういった知識で子供なりのベートーヴェン像ができあがったのだけど、そのほとんどが1人の男による捏造であり、その顛末を史

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    2023年11月13日
  • ベートーヴェン捏造

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    力作。面白かった。

    天才とそうでない自分。シンドラーの気持ちも分からんでもないなぁ…嘘が年月を重ね本当の事のように思えてくる。イタイけど憎めない。シンドラー。あぁ…笑

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    2020年07月07日
  • ベートーヴェン捏造 名プロデューサーは嘘をつく

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    知らなかった歴史研究の裏側をこんなにもポップにまとめ上げていることに、まずは感動した。学べる内容でありながら、とんでもないことをしでかしたシンドラーにはおい!という気持ちしかなくて笑ってしまう。こんなに読みやすい形で、世に出してくれてありがとうございますの気持ちです。

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    2025年11月03日
  • ベートーヴェン捏造 名プロデューサーは嘘をつく

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    Audibleにて聴書。
    音楽室見る苦悩に満ちたベートーヴェン像はシンドラーというシガナイ助手(それも短期間の)によるフィクションだった、という話。映画『アマデウス』といい当時の音楽家は聖人君子からは程遠い人間だったのだ。かといって音楽の価値は1ミリも下がるものではないが。

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    2025年10月24日
  • ベートーヴェン捏造

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    映画「ベートーヴェン捏造」が面白かったので読んでみた。

    おもしろい、映画のかたりそのまま!
    著者の修論を一般書向けにリライトしたというが、
    うわぁ、大変だっただろうな。

    捏造の名プロデューサー、アントン・シンドラーの
    目線に立って、捏造のありさまの過程を読んでいくのだが
    共感はできないけれど、理解は出来てしまう。
    現代のSNSに通じるからだろう。

    ジャン・フィリップ・ラモーに凝っていて
    バロック時代の本を読んでいるのだが、
    この本は時代状況がうかがえる点でも夢中になれた。
    (バロックではないけれど)

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    2025年10月20日
  • ベートーヴェン捏造

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    audible 。著名な交響曲の創作者ベートーヴェンのイメージは、実は捏造されたものだった。だれに? 秘書のシンドラーという人によって。理由は? 手口は?
    日本映画の原作として知った本でコミカルな物語だとばかりに思っていたので、ノンフィクションと知って驚いた。まあ、一直線の人生なんてそうあるわけじゃないだろうさ。

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    2025年10月20日
  • ベートーヴェン捏造 名プロデューサーは嘘をつく

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    ネタバレ

    歴史的出来事だが、スラングを用いて書かれているため、物語に入りやすかった。
    ベートーヴェンは難聴の天才音楽家という情報くらいしか知らないが、ベートーヴェンの周辺人物に関する話でも面白かった。

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    2025年10月19日
  • ベートーヴェン捏造

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    おもしろかった!
    シンドラーとベートーヴェンの関係性から、どうしてシンドラーが捏造するに至ったのか、資料をもとに、作者のイメージが膨らんでいて、ワクワクゾクゾクしながら読んだ。

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    2025年10月10日
  • ベートーヴェン捏造 名プロデューサーは嘘をつく

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    著者の修士論文をもとにノンフィクション小説らしく書き直された作品とのことで、内容は大変読み応えがあり最後まで興味深く拝見しました。
    これまで全く知らなかった事実を目の当たりにして驚きの連続でした。
    これは本当に面白い作品です。

    誰もが知る偉大な音楽家ベートーヴェン。
    交響曲第5番を聞けば「あ、運命っていう曲だ!」と思い当たる人がほとんどだと思います。
    あの有名なフレーズの「ジャジャジャジャーン」は運命以外の何者でもないですよね。

    それが捏造だったなんて!!!!!!笑

    ベートーヴェンが後世にも語り継がれるほどの偉大な音楽家になったのは、名プロデューサーであるシンドラーの功績(?)だったので

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    2025年10月08日
  • ベートーヴェン捏造 名プロデューサーは嘘をつく

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    オーディブルにて。かなり面白かった。
    主役であるはずのシンドラーが語り手からも他の登場人物からも、皆からディスられているのが笑える。
    冒頭に音楽史上最大のスキャンダルとしてベートーヴェンの会話帳改ざん事件が語られた際は、一体なぜそんなことを…と理解不能だったのだが、読み進めるうちにシンドラーの考えもわからなくもないという気持ちにさせられる。しかもそれを現代風に「プロデュース」と言ってしまう著者の解釈が良い。

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    2025年10月03日
  • ベートーヴェン捏造 名プロデューサーは嘘をつく

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    語り口がカジュアルで、俗語も使われたりするので、ベートーヴェンの体裁を守るためのドタバタコメディのように感じる部分があり楽しめた。
    耳が聞こえないベートーヴェンだからこそ、会話帳が存在し、それを元に捏造できるという特殊な状況がおもしろい。
    自分がもつ、天才音楽家ベートーヴェンへのイメージが壊れたら嫌だったけど、捏造はどちらかというと素行の方面の話だったので安心した。
    シンドラーの捏造は罪だけど、愛ゆえの狂気というか、それほどまでに人を熱狂させる特別な魅力がベートーヴェンならばあったのだろう。
    むしろ、歴史上の偉人の中にも、名プロデューサーによって聖人君子にされている人がいるかも。

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    2025年09月27日
  • ベートーヴェン捏造 名プロデューサーは嘘をつく

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    こんな真面目な研究書とは思わずに手に取りました。運命もテンペストも、伝わっているエピソードは捏造だとは聞いていましたが、こいつの仕業だったのですね。尊敬する大先生の近くでお仕えできたのに長続きせずに遠ざけられた。でも側近だったと見栄を張りたい。気持ちは分かります。同じ状況なら、実行するかどうかは分かりませんが私もその誘惑に取りつかれそうです。ただしやり方はちょっと抜けていというかお粗末。それでも3回もオフィシャルな伝記を書き上げたのですから大したものだと思います。愛すべき詐欺師、と思ったら思う壺にはまったということでしょうか。

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    2025年09月19日