かげはら史帆のレビュー一覧
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語り口がカジュアルで、俗語も使われたりするので、ベートーヴェンの体裁を守るためのドタバタコメディのように感じる部分があり楽しめた。
耳が聞こえないベートーヴェンだからこそ、会話帳が存在し、それを元に捏造できるという特殊な状況がおもしろい。
自分がもつ、天才音楽家ベートーヴェンへのイメージが壊れたら嫌だったけど、捏造はどちらかというと素行の方面の話だったので安心した。
シンドラーの捏造は罪だけど、愛ゆえの狂気というか、それほどまでに人を熱狂させる特別な魅力がベートーヴェンならばあったのだろう。
むしろ、歴史上の偉人の中にも、名プロデューサーによって聖人君子にされている人がいるかも。 -
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ベートーヴェンは好きな曲が沢山あります。
幼少期に伝記も読みましたが実際は神聖な作曲家
ではなかったようです。
ベートーヴェンは耳が悪くなってから会話帳を使ってやり取りをしていたそうです。
アントン・フェリックス・シンドラーはベートーヴェンにとっては弟子ではないしまあまあ使える世話係くらいな人物のよう。
シンドラーは、ベートーヴェンの死後会話帳を改竄して伝記を書きます。ベートーヴェンにとって都合の悪い事は書かずシンドラー自身ももっとベートーヴェンと親密な関係にあるかのように、、
あまり引き込まれず読むのに時間がかかってしまいました。
ベートーヴェンが人として立派じゃないとして曲は大好きです -
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皆さん、知ってましたか? 今年は、ベートーヴェン「第九」初演200周年なんですって! それがどうしたって? 難聴の苦悩を乗り越えての〈歓喜の歌〉は感動的ですよね。日本では年末恒例! どうでもいいって? でもこの楽聖が活躍していたのはたった200年前!ついこの間です。
ベートーヴェンには、聴覚を失った晩年、家族・友人・仕事仲間とコミュニケーションを取るための筆談用ノート、いわゆる「会話帳」がありました。
1977年に、この「会話帳」138冊で150箇所が改竄されていると発表され、世界を震撼させます。その人物こそ、ベートーヴェンの晩年、音楽活動や日常生活を補佐し、ベートーヴェンの伝記も著し -
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ベートーヴェンの「秘書」だったアントン・フェリクス・シンドラー。あれこれ奔走して第九の初演を成功に導く手助けをするなど、本人はめいっぱいベートーヴェンに尽くしているつもりなのだが、当のベートーヴェンからはウザいやつだと思われていて、演奏会の収益を着服した、などといういいがかりとともに追い出されてしまう。追い打ちをかけるようにベートーヴェンから届く非難の手紙。しかし、その末尾には、次回公演の根回しのため、警察にポスターを届けてくれまいか、と依頼の言葉が。ここまで読んで思わず「えーっ!」と声に出して言ってしまった。さらに、その依頼を受け入れるシンドラー。「えーっ、えーっ!」。少し先には「あんな言葉
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ネタバレ修士論文がベースになっているとのことで、小説と論説の中間のような不思議な語り口(だからこそ、とても読みやすい)作品。
シンドラーという人物を知れたことが大収穫。
しかしベートーヴェンは「会話帳」があったからこそ「露呈」したが、ほかの偉人たち、芸能界のスターたちだって、多かれ少なかれ周囲のだれかのフィルターによって、その人物像は「捏造」されていると思う。
そう思うと、なんともいえぬ普遍性もある。
屈折した承認欲求って、面白い、だけど狂気。
論説や考察などはなしに、さらにシンドラーの感情や狂気に大胆に肉迫し、どっぷり没入できるような重厚かつリアルな本格小説が、今後発売されたら読んでみたい。