あらすじ
現代の「推し」の原点は「19世紀」にあった!? ピアニストがスターになるまでと、そのファンの形成の成り立ちを追い、「神ファンサ」の原点に迫る。
「ファンサ」の原点は「19世紀」にあった!?
1842年、ベルリン。とあるピアニストのリサイタルの様子を描いた1枚の風刺画がある。彼の名はフランツ・リスト。彼は類稀なる自己プロデュース力と「ファンサ(ファンサービス)」により人びとを熱狂させ、一世を風靡した。過熱するファンの求愛にスターはどう応えたか。ファンとは一体何者か。19世紀のクラシック音楽界を中心に、スポーツ、文芸、バレエなどからファン⽂化をめぐる諸相を読み解く。『ベートーヴェン捏造』の著者による、異⾊のファン歴史⽂化論。
【目次より】
Ⅰスターとファンと公衆──彼らはいつ現れたのか
Ⅱなぜピアニストはスターになりえたか
Ⅲリスト・ファンとは誰だったのか
Ⅳファンたちの功罪
Ⅴ聴衆とファンの正しさをめぐって
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Posted by ブクログ
1842年の風刺画に描かれた、当時のスターピアニストとファンの関係を現代的な視点(ファンと推しの関係)で捉えた名著だった。
読みやすく、丁寧な解説を読むうち、現代社会で話題の推し(スター、アイドル…etc)とファン(あるいはオタク、観客、聴衆…etc)の関係性はけっして新しいものではなく、19世紀から既にみられてきた人間の普遍的な本性だったんだと気づくことができた。
そして、ファンやオタクが世間的に低く見られがちなことも、実はいまに始まったことではないと知る。それは、その社会やコミュニティが決めた、正統とされる鑑賞の視点や流儀でないからなのかもしれない。ただ、その新たなファン層の価値をむしろ認めたい、というのが本書のメッセージだと受け取った。
偏愛上等。そこから新しい文化も生まれる。「推し」と「ファン」、そして一部「ファンダム」との関係について、19世紀と今の私たちの視点を行き来しながら、それぞれへの理解を深めてくれる良書だった。『インザメガチャーチ』(朝井リョウ)を読んでゲンナリしてしまった現代人への福音の書。
ちなみに、私は本書のスポットは、ピアニストの側よりもファンの側にあてられていると感じた。その意味で「ピアニスト」が主語、「ファンサ」が話題の中心のように見せるタイトルにはやや違和感が残る。実際には、本書中にファンサのことはほとんど書いていない。ピアニストの頭の中もあまり書かれていない。むしろこれは、古今東西の推し活をするオタクとそれを見る社会についての、とても目配りのいい考察本だと思う。推しのいるファンの方にはぜひおすすめ。
Posted by ブクログ
リストに熱狂した女性たち、、、今の推し活との共通点もあれば、社会的背景の違いも。
いづれにしても現代のファンエコノミーを考える上でのヒントになりました。
Posted by ブクログ
ピアノを横向きで演奏するのもファンサ。パフォーマンス、自己演出は大切。
ライバル商法もリスト時代からあるよ!
ヤバいファンも昔からいるよ!
当時の風俗を交えて、変わらないファンの姿があった。
同担拒否は昔の方がいそう。
Posted by ブクログ
リストに前後するピアニストやピアノの歴史、ピアニストの演奏スタイルに関心のある方にはおすすめ。
本書でナポレオン民法の女性の人権規定を初めて知ったことが私には有益だった。
AIで確認したところ、日本が最初に作成した民法はナポレオン民法を参考にしていた。